見出し画像

地域おこしで世を捨てる

今日も暑かったですね。東京オリンピックが開催された2021年は2030年代からどう振り返られるだろうか。誰もが必死にコロナに対峙した1年だったとは、おそらく評価されないんじゃないかと思います。

何度目かの緊急事態宣言は伊豆の山奥に住まう私から見ても効果はほとんどない印象ですし、facebookやInstagramを開けばこんな田舎ですら都内からの観光客が訪れていて楽しそうに自撮りをアップしているのを目にします。

変異株の拡大も飲食店だけが狙い撃ちされる経済の行方も、現段階では分かりませんが明るくなさそうです。民宿もcafeも休業して農業しながらアルバイトしている世捨て人としては、ただ世を眺めるしかないのですが。

そんな中で陰ながら過大な影響を受けているだろうなと余計な心配をしてしまうのが地域おこし協力隊です。私も2地域5年間に渡って携わってきた地方創生の目玉政策でした。もちろん私は今も地域に定住して関わっています。

けれど一体どれほどの人がこの制度に参加して夢敗れていったでしょうか。この制度は素晴らしい点もあるけれど、運用する自治体の裁量が大きすぎ、また参加する方のスキルを見極めるのが大変に難しい制度です。

令和2年度の調査で1065自治体、5464名の方が協力隊として活動していて点としての調査は時折目にするのだけれど、継続してどれほどの方が定住し、また地域の担い手として活躍しているかは見えてこない。

賑わいの創出というマジックワードには必ずイベント企画が必要で、その企画力がない協力隊員はその力を持つ「誰か」と「協力」して(本人は巻き込んでなんて臆面もなく言ったりする)、イベントに参加したりする。

このコロナ禍で明らかになるのはそうした「乗っかっていく」タイプの隊員で、その数は意外と少なくないのではとも思ってしまう。何せソーシャルディスタンスなのだ。それを隠れ蓑にできるうちはいいけれど。

地域おこしにはその地域の資源を守り、地域の人々と活用していこうという「郷土愛」が必要なのだ。そうでなければ地域に受け入れてはもらえない。釈迦に説法でも、行政の方・現隊員にぜひ知っておいていただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?