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自我を越えたラブソング

ラブソング界の王とも言われる、日本を代表するバンドback number。

聞いていて思わず聴き手が自分に重ねてしまう歌詞が魅力的な彼らですが、
曲ごとに実に多彩な視点が織り込まれていることに驚かされます。

片思いの男性の目線の作品、
叶うことのない同性愛に苦悩する女の子の目線の作品、
男女問わず失恋した後の気持ちを描いた作品もあったりしますが
例えば同じ失恋ソングの中でも曲の主人公の失恋への捉え方なども実に多彩で見事です。

back numberの曲は作詞・作曲すべて
ボーカルの清水依与吏さんお一人で制作されるということで
なおのこと、一体どんな風に曲作りをしているのか
とても興味がありました。

最近ふとある取材記事をみて、これまでの謎が解けたような気がしたので
ご紹介したいと思います。

▹清水さんのコメント
「もちろん、自分の経験に基づいた曲もありますけど、
最近はめっきり減ってきました。
でも不思議なことに、自我を消して、
物語の主人公になった気持ちで作詞をするほうが、
自分の感情を素直に出せている気がして
。」

興味深いのは「自我を消した方が自分の感情を素直に出せている気がする」という点です。
まさに「離見の見」あるいは「ゾーン」のような
感覚なのだろう
と思いました。

Photo by Sam Moghadam Khamseh on Unsplash

ビジネスの世界でも
「役割に徹している時にこそ、本物の自分の力を発揮できる」
と言われることがありますが、
確かに何かのために、誰かのために役割を果たそうとしている時にこそ
自我を越えて本当の自分を発見することができる
という感覚はありますね。

なお、清水さんは言葉の感度を高めるためによく小説を読まれるそう。
情景が目に浮かぶような歌詞は
きっとそうした良質なインプットからも生まれているのでしょう。

もちろんどこの世界でも「生みの苦しみ」はあると思いますが、
清水さんのように良質なインプットを重ねて、
「仕事で役割に徹することが最高の自己表現である」と
胸を張って言える仕事の仕方をしていきたいものだなと
思わせていただきました。

人事コンサルタント
金森秀晃

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