カスタマーサクセス3.0でSalesforceを越える企業に成長する コミューンCEO高田氏インタビュー
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カスタマーサクセス3.0でSalesforceを越える企業に成長する コミューンCEO高田氏インタビュー

本日はコミューン株式会社代表取締役CEOの高田優哉さんと、Z Venture Capital COOの都(doh)との対談記事をお送りします。

コミューンは、企業とユーザーのコミュニケーションを集約統合、双方向化することでLTVを向上させるカスタマーサクセスプラットフォーム「commmune」を提供しています。
9月15日には、ZVenture Capitalからコミューンへの出資のリリースを行いました。

今回は、コミューンCEOの高田氏と、ZVCで投資を担当した都のインタビュー記事をお送りします。

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コミューン株式会社 代表取締役CEO 高田優哉
パリ農工大学留学を経て東京大学農学部卒業。卒業後ボストンコンサルティンググループに入社し、東京、ロサンゼルス、上海オフィスで戦略コンサルティング業務に従事。リードコンサルタントとして活躍後退職し、コミューン株式会社を共同創業。

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Z Venture Capital株式会社 取締役COO 都虎吉
サンフランシスコ州立大学を卒業後、2010年に楽天株式会社に入社し、約5年間M&A部門にて企業買収や、Pinterestへの投資を含む、複数の国境を越えたM&A取引とベンチャーキャピタル関連投資を経験。
その後、楽天ベンチャーズのパートナーとして国内外の投資活動、及び楽天ベンチャーズの日本拠点を立ち上げを担当。2020年2月よりYJキャピタルにパートナーとして参画。

多くの企業が実現できないカスタマーサクセスのあるべき姿

都(doh)
今回ご出資に至った経緯として、「企業とユーザーが融け合う社会を実現する」というコミューンのビジョンが、Z ホールディングスがヤフーなどのサービスを通して実現したい世界観と近しいというのは、非常に大きかったと思います。
実際、コミューンが成功するというシグナルはすでにたくさん出ていて、例えば自社のオウンドメディアやQ & A ページ、Eラーニングは、今やほとんどの企業が取り組んでいると思います。
これらの点在したコミュニケーションのチャネルを一つにまとめるという発想は、シリコンバレーのスタートアップから出てきてもおかしくないぐらいですが、これを日本初、かつほぼ世界初で現在展開されているのがコミューンです。
世界に誇れるくらいのビジネスが日本で初めて出てきた、という風に僕は思っています。本当に、プラットフォームとしてのポテンシャルが尋常じゃないです。
さて、改めて対談ということで、まずは高田さんから事業概要やプロダクト、それから、このプロダクトを持って何を成し遂げたいのかを伺えますか。

高田
私たちは企業とユーザーが融け合うカスタマーサクセスプラットフォーム「commmune」というサービスを提供しています。commmuneは、企業とユーザーのコミュニケーションを集約統合・双方向化することで、企業とユーザーの間にある距離や垣根をなくし、LTVを最大化させるサービスです。

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BtoBからBtoC、エンタープライズからベンチャー企業まで幅広いクライアントがいますが、そのほとんどに、LTVを最大化させるための手段としてcommmuneをご利用いただいています。
今の時代、カスタマーサクセスによってLTVを高めるというのは、BtoBの企業はもちろん、BtoCも含めた全ての企業において重要であり、日本が最もその重要性が高いと思っています。
日本は人口減少によりマーケットも縮小しているため、他国と違って、多くの企業は海外事業部を立ち上げて海外市場に行くか、国内で一人当たりの売上を高めるかしか成長の選択肢がありません。海外市場を狙いにいくというのは新たな会社を立ち上げるくらいハードルが高いこと。そこで、いかに国内でLTVを上げるかが重要になります。これは日本ならではだと考えています。

一方で、日本の企業とお客様のコミュニケーションは必ずしも効率的ではない状況にあります。
消費者同士のコミュニケーション手段は、昭和の頃には家に電話が一個あるかないかという時代から、今やLINEのようなサービスができて、コミュニケーションはどんどんなめらかになっていますが、企業と消費者のコミュニケーションは、ここ50年ぐらいずっと手紙や時間の限られたコールセンターなどで、変わっていないんですよね。
思いついたようにメルマガを配信して、顧客向けのカスタマーページ作ってみたりするケースもありますが、それもチャネルがバラバラに分断されているので、お客さま体験は全然よくない、というのが多くの企業の実態です。
本来、企業とユーザーのコミュニケーションの質を高めることでカスタマーサクセス、LTV向上につなげられるはずなのに、コミュニケーションのやり方が、あまりにもあるべき姿とかけ離れているがゆえに、それが実現できていないのが課題です。
その課題を、commmuneを使って解決する、というのが我々のやりたいことです。
具体的には、バラバラだったお客様との接点を集約・統合し、さらに双方向化することで、カスタマーサクセスをより効率的、効果的に実現し、LTVを向上させます。

都(doh)
LTV経営の話を高田さんから聞いた時、着眼点がものすごくいいと思いました。
スタートアップもそうなんですが、 LTV は一般的にほぼすべての企業において重視されていますよね。
GAFAMも最初にスタートアップとして特徴的なプロダクトを通じてユーザーと接点を持って、そのユーザーを育成しながら、他のプロダクトも立ち上げて、ユーザーのライフスタイルやニーズに合わせてLTVを向上させています。これらはGAFAMが得意とする分野ですし、楽天もそういう経営をやっています。
そうした場を全ての企業に提供していくというのは、グローバルのトレンドでもすべきことだと思いますし、凄い発明だと思っています。

顧客と企業の垣根をなくす

都(doh)
プロダクトの開発についての考えをお聞きできますか。

高田
我々がどういう機能を提供すべきか、というのは、大きなフレームが三つあって、一つ目の価値は、コミュニケーションを集約するということです。

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機能レベルでできることを増やすことで、一つのサービスでコミュニケーションが完結するということが重要だと考えています。熱量が高いユーザーもいれば低いユーザーもいる中で、熱量が低いユーザーはわざわざ複数のチャネルにまたがってコミュニケーションを取ってくれないため、それを解決することが目的です。
集約することのもう一つのメリットは、コンテンツ価値の最大化です。一つの場所に複数のコンテンツがある利点は、例えばイベントのお知らせを見に行ったとき、偶発的に新しい機能についてのお知らせを見ることができて、「この機能を使いたい」というアップセルを検討していただけるケースが起こりうると思います。
あるいは Q & A でアンサーをしていただいた熱量が高いユーザーに対してイベントを案内するなど、一つ一つのコンテンツ自体は変わっていなくても、それが集約されることで価値が最大化できると思っています。そうしたユースケースが生まれるので、コミュニケーションの集約は重要です。

二つ目が双方向化です。我々は「企業とユーザーが融け合う社会を実現する」というビジョンを掲げていますが、現状多くのカスタマーサクセスの施策では、企業とユーザーの距離が遠く、未だ垣根があると考えています。本当はもっとより近い距離で、 工数やコストがかからずコミュニケーションがなされることが理想的です。
企業とユーザーが直接コミュニケーションを取れるようになると、ユーザーの声が容易に取得できるようになったり、ユーザー間の意見交換を通じた課題解決も可能になります。
例えば家電メーカーの場合、家電量販店が間に入って販売を行うため、ユーザーの課題を直接聞けず理解しきれていないケースがあります。しかしcommmuneを使うことで、コミュニケーションをユーザーと直接取れるようになり、お客様がどういう人で何のために使ってどういうところが不満に思っているかが、解像度が高くわかるのです。
これまでは市場調査会社に依頼していたり、家電量販店にお願いしていた事が、自社でデータを持っているため不要になります。
BtoCの事例で申し上げましたが、BtoBのケースでも、多くの企業でマンツーマンのハイタッチなサポートができないケースがあります。これも、ノウハウ共有をはじめとしたお客様同士の情報交換などがcommmune上で実現できて、課題解決ができるようになります。そうしたユースケースに基づいて、双方向化の機能開発も進めています。

三つ目が、データ集約と、アクションの最適化です。
お客様のコミュニケーションデータがcommmuneに集約されることで、お客様それぞれに対してのアクションの最適化(ユーザーへの見え方やレコメンド)ができるようになります。
「イベントに参加した人にこのトレーニングを案内したい」とか、「このアンサーをした人だけにメールを送りたい」といったカスタマーサクセスの施策は、やりたいとは思っても実際は効率の観点から難しいケースも多いです。そうしたこともcommmuneで効率よく実現できるようになります。
これらを、自社のプロダクトに与えるインパクトと、お客様のニーズの大きさから優先度を決めて開発しています。
コミューンは、クライアントには月次の定例でニーズのヒアリングを行ない、定量でもデータを見ながら意思決定を行なっています。
定量・定性両面でエンドユーザーと企業のニーズを正しく吸い上げて機能に反映するというところを一生懸命やっています。
今回の資金調達の大きな目的はプロダクトの非連続の進化です。スピード感を持って、一つ一つ新しい機能を実装していきます。

都(doh)
投資検討のための顧客インタビューを重ねて思ったのは、御社は国内海外含めても圧倒的な力を持っている、ということです。
クライアントの声で共通していたのは「とにかくコミューンのカスタマーサクセスがすごい」ということで、本当に誰もが褒めちぎっていました。
プロダクトが素晴らしいだけでなく、御社とクライアントがしっかり向き合えているからこそのお褒めの言葉であり、顧客ヒアリングデータのクオリティの高さには本当に驚きました。

グローバルでカスタマーサクセスの勝者になる

都(doh)
プロダクトの非連続的な成長という話がありましたが、中長期で実現したい世界観を教えてください。

高田
最終的に目指しているのは既存顧客における「I want what I want when I want it(欲しい時に欲しいものが欲しい)」が達成される世界を実現することです。
未顧客向けのコミュニケーションは割と科学されてきていると思うのですが、既存顧客向けのコミュニケーションってそんなに科学されていなくて、デファクトスタンダードは未だにグローバルでも存在していません。
commmuneは、この領域でデファクトスタンダードになりたいと思っています。
未顧客向けの勝者はセールスフォースですが、カスタマーサクセスの領域はグローバルを見渡しても、まだ勝者がいません。セールスフォースが時価総額25兆円くらいですが、カスタマーサクセスはまだユニコーンが出てきたくらいのレベルで、勝者が出てきていません。そこで勝ちに行きたいと思っています。

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具体的にはカスタマーサクセス3.0という、カスタマーサクセス×マシンラーニングの仕組みを作ることで、それを実現したいと思っています。現状のカスタマーサクセスは、データをもとにコミューンのカスタマーサクセスマネージャーが仮説を立てて分析したりと、人に依存している部分が大きいです。ですが、自動的にお客様にあるべき体験を提供できるプロダクトにcommmuneがなれると、グローバルに類似する企業もないですし、カスタマサークセスのゲームチェンジになると思っています。これは絶対にやるべきだと思っています。
CRMの領域は、SFAもMAツールもなんでも基本的にはユニバーサルの課題を解決していて、日本固有の課題を解決しているわけではないので、多くの企業がグローバルSaaSを使っています。
なので、自分たちがやらなかったらグローバルのどこかの会社がこの領域に手を出し、日本に進出してくると思っています。この領域で勝っていくためには必然的に、グローバルSaaSをベンチマークにお客様の課題を解決していかないといけません。

都(doh)
すごく自然な流れだと思います。既存顧客とのコミュニケーションに様々な選択肢がある世の中で、既存顧客との関係性をハックしないといけないと思いますし、ここをハックしたのがP&GやGAFAMといった企業ですよね。その成功モデルが民主化されて、全ての企業が実装できる世界を作っていくというのがビジョンという訳ですよね。既存顧客のためのグローバルプロダクトが日本から生まれるというのは、自分の中でイメージが湧いていて、すごく今後が楽しみです。

グローバルで勝つには組織が大事

都(doh)
グローバルの大きな課題を解決するためには、きっとその会社のカルチャーや体制も重要になってくると思います。
どんな方々が集まって、どのように会社を経営されているのかを教えてください。

高田
この領域はプロダクト作りも仮説作りもめちゃめちゃ大変な領域なんですよね。これはグローバルに行く、行かないは関係なくて、日本でやるにしても大変なのだと思います。
理論上BtoBとBtoC、管理者画面とユーザー画面で4プロダクト開発しているようなものなのでビジネス側も大変で、機能説明だけでなくお客様の既存顧客とのコミュニケーション、カスタマーサクセスをどうやっていくかや、ワークフローをどのようにするかから検討することも往々にしてあります。
こういう難しさがあり、人数も必要な領域で仕事をしている以上は、いかに素晴らしい方々に弊社が選ばれるかが重要だと思っています。我々は選ばれる立場なので。そのため、いかに選ばれ続けられる会社でいられるかに基づいて、基準を作っています。
会社の評価制度やOKRの仕組み、給与のテーブル、ランク制度はかなり早いタイミングから作っていて、いい人に選んでいただけるよう努力をしています。
その上であえて、ご一緒したい人をお伝えすると、コミューンには大きく二つのバリューがあって、それぞれがご自身に合う思う方とぜひご一緒したいです。
一つ目は「超本質主義」というバリューです。「超本質主義」は合理主義とは異なるもので、中期の事業成長を最大化する、そういった意思決定が正しいと評価されることを指しています。
ゆえに、それがメンバーのレベルでも実現されるようにするために、いろんな仕組みを作っています。
例えばメンバーの労働時間が長ければ長いほど、チームのマネージャーの評価は下がります。あくまで成果が大事なのですが、その成果をどれだけの投資で作り出せたかというのも大事。
ミーティングについても、全社MTGでさえも一度決めたものをあとから削除したりと、本当に必要かどうかを常に考えています。

都(doh)
素晴らしいですね。

高田
朝令暮改を是としていて、必要だと思ったら逆に足したりもします。働き方もコアタイムは4時間かつフルリモートにしていて、それも成果が一番出るなら良くて、何が本質かというところで制度設計しています。
あと、超本質主義的会社だと、例えば上下とか肩書きによる気遣い、忖度が発生しないように全員がさん付けでフィードバックができるようにもしています。

都(doh)
超本質主義な意思決定を行う際は、議題に挙げたり、テーブルに上げる役割はどなたが主にされているんですか?

高田
全員ですね。コミューンでは、各メンバーが超本質主義な意思決定ができるようにしたいので、そのために持っている情報がすべて一元化されていて、全員同じ情報をベースに意思決定できるようにしています。
わかりやすい例だと、株主報告で我々はすべての数値を株主に開示するのですが、その資料をそのままメンバーにも共有します。よく経営視点を持って欲しい、という企業課題が上がると思うのですが、少なくとも持っている情報が違うと正しい視点も持てないと思っています。
なので、経営情報も、口座の残高も、あと株主から経営チームへのフィードバックや、マネージャーMTGの議事録まで、全てメンバーに開示されています。あと、メンバーからもし意見があれば、コミューンには聖域がないのでなんでも言ってくださいと言っています。
一応、仕組みとしてそういう場所も設けていますが、どちらかと言えば、組織に染み付いているものに近いです。

都(doh)
すごいですね。みんな前向きで、説明責任のようなものをみんなが持っている環境が作れていると思います。しかも、それが組織に染み付いているというのはすごいいい環境ですね。
今後、事業成長に伴って組織が10倍、20倍に大きくなっていくと思います。そうなったときに、高田さんが重要視している制度や、コトがあれば教えてください。

高田
今のカルチャーを強化していきたいとと思っていますが、我々のバリューには「超本質主義」と「チームコミューン」というものがあって、その中で「超本質主義」はコトに向かうためのバリューです。
ただ、人間的な関係性ができていない中でコトの暴力みたいなものが発生する可能性もあるので、そのために「チームコミューン」というバリューが存在していて、人への向き合いを意識しています。
我々はコミューンを、発達指向型組織であるべきと定義していて、それぞれの人が自身の弱さや、課題を見せ合うことができて、それを前提に成長課題の改善をみんなでやって行こう、という組織の考え方をしています。
そのためには、一人一人の関係性が、心理的安全性を担保された上でコミュニケーションをとって、仕事ができるかどうかというのが大事だと思っていて、「心理的安全性プログラム」という仕組みを創業期に取り入れました。
これはそれぞれの人生を振り返り、自身の弱みや課題などを一緒に仕事をする人に伝えるための、コミューン独自のフォーマットがあります。
お互いに人となりをわかった上でコミュニケーションを取れるのは、あるのとないので全然違うので、こうした取り組みは組織を大きくしていく上でも継続していきたいです。心理的安全性を担保するためにここまでやっている会社はなかなかないのではと思っています。

都(doh)
企業のコミュニケーションで面白い研究結果があって、4名で行う会議だと、二人だけが60%喋り、会議の参加者が6人になると3人が70%喋って、という風に人数が増えれば増えるほど少数の人が喋りまくって、残りの人は何も話さなくなる、ということが多くの企業において発生するらしいです。
基本的に経営者は、自分が正しいというバイアスがかかっている状態でメンバーと話をするので、これが徐々にメンバーの意識を蝕んでいって、メンバーは自発的に発言しなくなっていくらしいんですね。そこで重要なのが、メンバーと親身になって話し、お互いを知り合うというコミュニケーションなんですよね。企業の意思決定もダイバーシティという観点でも多様な意見を反映していく必要があります。
ステージがアーリーでスピード感が求められる中で、こうしたことを実行しているというのは凄い先進性のある組織文化だと感じました。

最後に、資金調達を経て更なる成長に向けて、採用を強化していく中で、どんな方を募集している、というものはありますか?

高田
全職種募集しているのですが、カスタマーサクセスという概念がより多くの企業で進むべき、という考え方に共感される方や、日本から世界で戦えるSaaSを作っていきたいという所に興味を持っている方とぜひご一緒したいです!

都(doh)
日本発で、グローバルに代表するホリゾンタルSaaSを作る会社は、上場企業を見渡しても少ないので、そうした方には本当にコミューンはお勧めしたいですね。
高田さん、今日はインタビューありがとうございました!

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