後継者として生まれてきたら?

後継ぎサンの苦悩、、、
好きでもない家業を継がなければならない皆さんに、
私の経験が役に立てば良いな~と思い、記事を書きます。

祖父が税理士、父は二代目。
つまり私は三代目・税soul ひとりっ子。
(ココで笑わなかったらあと、笑うとこないよ。マジで。)

祖父は税理士制度ができた時から税理士で、
私の両親や伯父・叔母みんな、それが誇りらしい。

祖父は私が生まれる前に他界しているので
会ったことはないが、一族が誇る祖父という人が
いったいどんな人なのだろう、、と長年思っている。

私が生まれたとき、
「税理士の後継ぎができた!」
と一同大喜びしたが、女の子だったので
ガッカリしたという話も聞いた。
男の子だと期待して、
「寅年だから、名前は寅男か大寅ってつけようと思ってた」
かまぼこか?!

物心ついたときから、盆と正月に親戚が集まると
「あなたは税理士になるか、
税理士と結婚してお父さんの事務所を継ぐのよ」
と言われ続けて
「あー、またそれかー」
とうんざりしていた。

科学や数学が好きで、
自然の法則を見つけることが楽しいと感じていた。
だから理系に進んだ。
政治に左右されて毎年変わる税法なんて、
自分の好きなものと真逆にあるもの。
なぜ、そんなことを、
この!私が!勉強しなけらばならないのか?

「税理士の家に生まれたから」?

なんやねん。それ。
私の人生は私のものではないのか?
親を恨んだ。
祖父を恨んだ。

祖父はこんな気持ちで後を継いでもらって、
本当に嬉しいのだろうか???
高校生ぐらいから税理士になるまで
墓前で何度もたずねたが、返事はない。

だけど、不思議と何かコトあるごとに
祖父なのか何なのか、不思議な力に守られているような
そう感じることが多々ある。

私は常々、色々ラッキーなのだ。
祖父が頑張れと言ってくれてるんじゃないかと
思えることが、本当に多い。

夫は私によく話してくれる。
「りーなしかできないこと、それは
お父さんの後を継いで事務所を守ること。」
確かに。

事業承継で会社を他の人に譲って継いでもらうという
話はよく聞くけど、
長年、家族経営で細ぼそやってきたうちのような
小さな税理士事務所は、そういうわけにはいかないのだ。

高校生の私は、大好きな理科と数学をいっぱい勉強して、
親の希望とは違う理系の大学に進み、
コンピューターの会社に入り、25歳まで逃げ回った。

結局、25歳から税理士の勉強を始めた。
好きではない勉強は、ほんまにツラかった。。。

和菓子屋の家に生まれ、(お店の倒産後だけど)
パティシエとして成功された辻口博啓さんの存在は、
そんな私に少し希望の光を与えてくれました。
自分のスタイルでも良いのかな。と。

「とりあえず、税理士になってみるか~」
やっと前向きにとらえることができた。

得意ではない勉強は本当に大変で、
税理士になるまで13年もかかったけれど、、、

さぁ!
私らしい税理士のスタイルって、
どんなんかな~?ワクワク♪

そう考えた末、
いま、
松竹芸能で「税理士芸人」をやっています。
楽しいぞ♪

人生は長いんだ。

いったん後を継いでから好きなことをやっても良いし、
後を継ぎながら好きなことをする方法もある。

「嫌いな家業を継がなければー」と
絶望の淵に立たされている方がいたら、
そんな道も考えられるよ~、と教えてあげたい。

苦手なジャンルの仕事でも、
自分の得意なフィールドに引き込む方法もある。

生きていれば、大変なこともあるし
イイこともある。

私も何度も自分の宿命を憎んだり恨んだりしたけど、
「こんな家、イヤだー」と言って、
死んでしまってはいけない。

自分流のやり方がいくらでもあるはず。

いま、
個性が尊重される「風の時代」なんだって。
自分の境遇を諦めないで。
可能性は無限だ。

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