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#読書感想文「AVALANCHE(アバランチ) 〜雪崩〜」

先日の3連休で、読んでみました。

話題の書、「AVALANCHE(アバランチ)〜雪崩〜」by 手越祐也

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私はファンでもなんでもないのですが、手越氏の一連の行動の怒涛なスピード感に面くらい、「こりゃこっちも躊躇してる場合じゃねえ」と、Amazonで速攻で予約注文してしまった次第。

先週末に届くと、まずは妻が、私の許可も得ずに、読み出した。
日頃より、うちの妻は、本の扱い方は荒い。
勝手に帯を捨てる。
一息つくときは、本のジャケットを引き伸ばして折り目を無視し、既読の部分を呑み込むかたちで、栞にする。
いつもであれば、「うぉい!」と、(私に珍しく)声を荒げたいところであるが、今回は許した。嫌味は言った。

読む前から大変失礼な話であるが、別に後生大事にとっておく類の本ではないと、無意識に判断していたのだろう。
妻の取り扱い方も、私のそんなテンションをうけてか、折り曲げを正そうともせず、カフェインレスコーヒーを飲みながら、結露した水を垂らしつつ、構わず読み進めていた。

夫婦のあうんの呼吸というやつかもしれない。

なにせこの本、OPに手越カラーグラビア、1/3付近にカラーグラビア、2/3付近にカラーグラビア、最後の数ページも当然カラーグラビアが掲載され、更に購入者全員に、手越氏の動画(デート気分だったり、胸キュン動画であったり)のQRコードがプレゼントされるという仕様である。

別にどれも(私には)必要ない。

しかも、AVALANCHE(アバランチ)ですよ、アバランチ。そんな言葉、使ったことあります?
浸透してない用語だからだろうか、表紙には、ご丁寧に、「AVALANCHE」「アバランチ」「雪崩」と、3種類の文字が記載されている。東京メトロ並みの、丁寧なご案内である。

手越氏が巻き込まれた「アバランチ」。急速な環境の変化。崩れ去った平穏。それを、「雪崩」と表現しているのか。
だったら、自業自得なんだから、「アバランチ」てよりも「ジェンガ」なんじゃないか。
なんつーことを思ったのですが、

書名「AVALANCHE」とは雪崩の意。「いつの日か、世の中に大きな影響力を与えたい」という強い意思を込めて本人がタイトルとした。

ということらしい。
先入観、失礼しました。
ただし、ちなみに、タイトルの意味の解説や、「雪崩のような影響力」てのがどんなもんなのか、そういう伏線回収は、本書内には存在しなかったと思う。たぶん。

自分でまとめるのもめんどくさいので、取り急ぎ、Amazonの紹介文はこちら。

NEWS、テゴマス、歌への思い、ジャニーズ事務所や大恩人、戦友、先輩、後輩への心からの感謝の念、トップアイドルとして駆け抜けた"ジャニーズ時代"の18年間を振り返るとともに、ソロライブ、世界進出の夢を語る。
初恋、女性芸能人との恋愛報道の正しい真相、結婚、『イッテQ!』内村光良らとの番組秘話、スーパーポジティブな生き方などが綴られた待望の一冊となっている。

意外に思ったのは、センセーショナルな暴露本でもないし、様々な騒動の「言い訳」本でもないということ。あと、「待望の一冊」でもない。

じゃこれは何か。
これは、「スーパーポジティブな手越」を堪能する、それだけのために存在する本でありました。

「暴露本」ではない。
なぜなら、ぶっちゃけ感心さえしたのですが、彼は誰の悪口も言っておらず、実名で登場する方々全員のことを、褒めまくっている。
「みんな、俺のサイコーの仲間たち!」
という、叫びに満ちています。
様々なスキャンダルを彼目線で語るのですが、誰も批判せずに、率直(それが、率直「風」の可能性はあるにせよ)に語っているのは、素直にすごい。

「言い訳」本でもない。
不気味な粟立ちすら覚えるほど、彼は自分を客観視というか、常時エゴサーチしているような客観視をしているのだ。
「みんなさ、こう思ってるっしょ?わかるんだけどさー」という前提で語られており、ツッコミの先手を打たれている状況に陥ります。

「暴露=人のせい」「言い訳=環境のせい」を超越し、全編にわたって、
・俺、スーパーポジティブ
・サイコーの仲間たち!
・すげえ楽しかった!勉強になった!
・でも、さすがにやりすぎたかもしれん
・迷惑かけてすまんかった
・さすがの俺も、凹んだ
・ちょっと反省もした
・でも、サイコーの仲間!

というノリで突き進んでいく構成で、爽快ですらある。

本の冒頭、カラーグラビアが終わった後、手書きのメッセージが掲載されています。

「この本を読み終えた時に、みんながスーパーポジティブになっていますように・・・」

と結ばれているのですが、特にそんな読後感はありません。

彼は、ポジティブになるための思考法は提案しないからです。
読者は、ひたすらに、まざまざと、「スーパーポジティブ手越」を見せつけられ、それが突拍子もなくあけっぴろげなので、一般的な日常生活上は、特に参考にする点がない。
手越のポジティブわんこそば状態、私はもうお腹いっぱいである。

スーパーポジティブにはなれなかったが、そうなりたいと願う心境にはなれた。

そういう意味では、非常に有意義な読書時間(30分くらい。たぶん、みんなそのくらいで読めます)だった。
読書前に先入観を持ちまくっていたこと、若干後悔しています。

以上、私の「夏の読書感想文」でした。


追伸
妻のせいで、くたくたになったジャケットを剥がすと・・・

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                           (左が表、右が裏)

タイトルと著者名は表側左隅に配置されているのに、更に、でかでかとお名前が。

僕も、これくらい自分を好きになりたいです。お世辞抜きに、爪の垢は欲しいかも。

これを発見できたのも、乱雑に取り扱ってくれた妻のおかげ。
ポジティブに捉えられたこと、サンキューです。


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