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ケンワタナベの魅力とは/「ザ・クリエイター」の前に

私は、ケンワタナベが大好きです。

渡辺謙も好きですが、ケンワタナベ ー つまり、ハリウッド映画に出ている渡辺謙 ー でしか摂取できない映画的興奮があります。

本来すぐにでも、ケンワタナベ最新作「ザ・クリエイター」(10/20公開)
の話がしたいのですが、その前に、彼の魅力を紹介させてください。

ケンワタナベの独自性とは何か。

まず第一として、ガタイが良い。
調べてみると、ケンワタナベは、184センチ。
ハリウッド映画で、欧米キャストに囲まれても遜色のないスタイルの持ち主。
大谷翔平しかり、やはり身長の高さというのは、残酷なくらい「映え」に影響を与えます。かっちょいいのです。

第二に、大きな演技。
しかめっ面に微笑を含ませながら、目を細めるあの感じ。
挙動も、現実<ケンワタナベ<舞台演技 くらいの関係性で、ちょっぴりオーバーな身振り手振りが可愛い。

第三に、台詞回しの軽妙さ。
ケンワタナベの英語は、聞いていて心地良い。
ヒロユキサナダと同様に、ジャパニーズイングリッシュなのにかっこよさがある。
ヒロユキサナダと違う点は、声質でしょうか。
ケンワタナベって、こっちがイメージするより、半オクターブ(といっても、それってどんくらいの音階かは知りませんが)ほど、高低があるような。
叫んだりする高い声のときは、イメージより半歩高く。囁くような低い声の時は、少しだけ低く。
なので、台詞回しが軽妙になり、ユーモアが滲み出ている気がします。

今あげたこの3つの要素が、三位一体よろしく融合して発生する、ケンワタナベ独自の味わい。

大きい人間が、小さじいっぱいオーバーな挙動で、しかめっ面微笑細目の表情を作りながら、ジャパニーズイングリッシュを朗々と喋るのです。

結果、映画全編にもたらされる、異様な存在感。
登場した瞬間に観客に分からせる大物感。
詩でも朗読してんのかお前?ていう感じの台詞回し。

これが、ケンワタナベ映画の魅力であります。

よく、口さがない連中が、
「渡辺謙、(いつも通り)ただの脇役だったね。」「重要な役じゃなかったね」
的なことを言いますね。

私は申し上げたい!

違うんだ!

あれはマーケティング都合上の日本市場向け押し出しだったり、いやまぁ実際なんの意味もない役柄だったりすることはあるんだけども!

違うんです。

ケンワタナベに、役柄が追いついてないのです。

言い換えれば、ケンワタナベの過剰な存在感が、映画上のキャラ順位を、追い越してしまっているのです。
ケンワタナベの力量があり過ぎて、ただの脇役が「異様な存在感の脇役」に変化して、なんかアンバランスな印象をもたらす。

あれってそういう現象なのです。

そんなケンワタナベが堪能できる作品について、全作品紹介したいところですが、とりあえず2作だけ挙げます。

まずはA面として「インセプション」
レオナルド・ディカプリオ他、豪華俳優陣に並んでも、頭抜けた存在感を劇中にもたらし続けるケンワタナベ。

演じる「サイトー」というキャラ。こいつのバックグラウンドは謎なのですが、ケンワタナベの演技が説得力を生み、「なんかすごいやつらしい」てことを、観客に一発で分からせる。

おお!良いぞ今回のケンワタナベは!と思ってたら、途中で怪我してほとんど動かなくなる。
けども、寝込んでいても倒れこんでいても、それだからこそのしかめっ面細目が生きまくっていて、最高。
登場シーンは、全カットキメ顔なのも、高評価ポイントです。

名シーン)
序盤、カーペットの上に倒されるケンワタナベ。
地面を頬擦りしながらカーペットを手でさすり、
ウぅ〜ル(ウール。カーペットの材質)」
と呟くジャパニーズイングリッシュが至高です。
いつか言ってみたいよね、ウぅ〜ル。


嘘みたいな老人のケンワタナベも素敵

B面は、「GODZILLA ゴジラ」
ハリウッド版ゴジラですね。
この作品では、ケンワタナベの演技メソッドが大爆発。
役柄を凌駕する存在感とはこのことである。

ゴジラを追いかけながらあちらこちらで、大きな表情演技で驚愕顔をし続ける。
意味深顔で頷いてみたり、口をぽかんと開けてみたり、遠方を見つめながらメガネをゆっくり外してみたり。
そして映画終了後、気付くのです。

「あれ、、、ケンワタナベの役柄ってなんか意味あったっけ?」

確かに、この映画のケンワタナベは、全編驚いてるだけで、特に何もしない。

でも、意味なんか無くて良いのです。

なかなかゴジラが登場しないので、その代わりにケンワタナベを堪能すれば良いのです。

名シーン)
薄暗い部屋で、写真を投影しながら、
「We call him…ゴジラ(日本語発音)」
に決まってるでしょう。

ハリウッド映画で、日本人役者が、日本語で決め台詞を発するという、歴史的瞬間。

これがケンワタナベだ。

次作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」での、怪獣たちにはしゃぎまくるケンワタナベも好きだが、やはりこのシーンだけでも、ケンワタナベ映画としては軍配が上がります。

映画史に残る歴史的瞬間のケンワタナベ

以上、「皆に知ってほしいケンワタナベについて」でした。

そんなケンワタナベ最新作、「ザ・クリエイター」の話は、明日にしておきます。


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