今こそ、「アイ・アム・レジェンド」
「アイ・アム・レジェンド」。
ご存知でしょうか。
知らない人は・・・、まぁいいやってことで、置いてきぼりにして話を進めます。
多くの人が連想するのは、これでしょう。
これ。
2007年/100分
もう13年は前の作品なのか、ってことにびっくり。
謎のウィルスにより、人類は絶滅。主人公ネヴィル(ウィル・スミス)は、たった1人生き残った人類として、ゾンビと化した感染者(名付けてダーク・シーカー)を避けつつやっつけつつ、サバイバルする。
廃墟と化したニューヨークのシーンは知ってる方、多いんじゃないでしょうか。
コロナ禍の今となっては、俄然厭な光景である。
ウィルスにより、人間がいなくなった人間世界。
アスファルトからは草木が突き出し、たったひとり生き残った主人公は、愛犬とともに、都会で鹿狩りの日々。
※あ、以下からネタバレが始まります
映画「アイ・アム・レジェンド」
中盤、ウィル・スミスの孤独を癒やしてくれた愛犬が、ダーク・シーカーの襲撃により、死ぬ。
ウィル・スミスは弔い合戦として、ダーク・シーカーを殺しまくる。
ここらへんまでは、面白いディストピアSF映画なのだが ー 。
中盤、出し抜けに、生き残った母と娘の2人が現れたり
なんなら、世界のどこかどころか、アメリカのその辺に、軍が統治するセーフティゾーンがあることが分かったり
なんやかんやでウィル・スミスは犠牲となったり死んだり
そんな感じで、拍子抜けする、ハリウッド底抜け超大作だった。
廃墟萌えとしては、好きな映画である。
「世界の終焉」を描く作品、好きなんですよね、私。
この「アイ・アム・レジェンド」ですが、原作があります。
リチャード・マシスンの「地球最後の男」という短編です。
この「地球最後の男」、とても示唆に富んだ話なので、紹介させてください。
※
以下、うろ覚え。細かい指摘は受け付けない。
原作「地球最後の男」
主人公ネヴィルは、地球最後の男である。
謎のウィルスのため、人類は死滅、もしくは「ダーク・シーカー」として、ゾンビ化してしまった。
ネヴィルは、周囲の人々、自分の愛した家族が、「ダーク・シーカー」によって殺され、時には「ダーク・シーカー」になっていく様に直面しながら、生き残っていた。
復讐のため、ネヴィルは、「ダーク・シーカー」を狩る。
そして、「ダーク・シーカー」を捕まえては、痛めつけ、実験を施し、彼らが「人間」に戻るための研究をする。
全ては、人類の復興のためだ。
ある日、とうとうネヴィルは、「ダーク・シーカー」の大群に捉えられる。
連行され、群れの前に引きずり出されるネヴィル。
そこで、ネヴィルは見た。
「ダーク・シーカー」が、自分を見つめる眼を。
彼らは、自分たちの家族を捕らえては還さないネヴィルを、憎悪し、警戒し、畏れていた。
彼らにとって、ネヴィルは、伝説の怪物だ。
ああ!「伝説って、俺のことじゃん!(アイ・アム・レジェンドぉ!)」
とまぁ、こんな話。
※
コロナは置いておいても ー 。
今こそ、含蓄のあるSF=科学的な空想話である。
SNS、匿名、誹謗中傷。
いろいろな言説に溢れている今日。
本当に、あなたって、被害者の一員でしょうか?もしかしたら、加害者なんじゃないでしょうか。
本当に、「死を悼む」側なんでしょうか。実は、「手を下した」側なんじゃないでしょうか。
私も含めて、全員が加害意識を持つこと、そこから問題解決が始まる気がしてならない。
自分に何ができるかはわかりません。 しかし!夢への第一歩として、一層精進いたします。 どのような形でも、読者の方々のリアクションは励みになります!