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#8 くるり / TEAM ROCK(2001.02)

くるりの3rdアルバム。アルバムごとに作風が変わるのが魅力のくるりですが、今作ではラップやダンスミュージックなどの要素も取り入れています。

○全曲レビュー
M1: TEAM ROCK
ピアノやボイスパーカッションを織り交ぜたくるり流HIPHOPなタイトルトラック。もうこの時点でこれまでのくるりとは何か違う感じを醸し出している。

M2: ワンダーフォーゲル
6thシングル。サビの"ハローもグッバイもサンキューも言えなくなってこんなにもすれ違ってそれぞれ歩いていく"という歌詞は切ないが、曲はダンスミュージック。このアルバムを象徴する曲ともいえる。

M3: Lv30
歌詞はボーカルの岸田さんが好きなドラクエを元に作られている。曲調はMy Bloody Valentineの影響を受けている。シタールのような民族楽器の要素もある。

M4: 愛なき世界
逆にこのアルバムでは異質なストレートロックナンバー。同じ97年世代のバンドであるSUPERCARの3rdアルバム「Futurama」に収録されている「Fairway」のアンサーソングとなっている。

M5: C'mon C'mon
歌詞は"カモンカモン"と終始連呼している実質インスト。曲はDaft Punkのようなハウス/ダンスミュージック。

M6: カレーの歌
John Denverの「Country Roads(タイトル省略)」に似ている岸田さんのピアノ弾き語り曲。
なんか実家のカレーが恋しくなる。

M7: 永遠
M5同様のダンスミュージック。歌詞はあるがどちらかというと音を重視した曲なので実質インストっぽい。

M8: トレイン・ロック・フェスティバル
前作の「図鑑」を彷彿とさせるロックテイスト。ここまでのアルバムの流れを一気に変え、次曲への繋ぎの役割を果たしている。

M9: ばらの花
7thシングル。くるりの代表曲のひとつ。メロディーもさることながら歌詞の描写が秀逸。
"雨降りの朝で今日も会えないや
何となく でも少しほっとして
飲み干したジンジャーエール 気が抜けて"の部分とか。コーラスはSUPERCARのフルカワミキが参加している。ドラマ「オレンジデイズ 」の劇中歌としても知られている。

M10: 迷路ゲーム
穏やかではあるがどことなくサイケ要素もあるような曲。迷路ゲームにはもう飽きた"に強いメッセージを感じる。

M11: リバー
後にシングルカットされた8thシングル。カントリー調なポップソング。こういった曲でアルバムの最後を締めることが多い。終わり良ければ全てよし的な?(最初から全部いいわ)

このアルバムには代表曲「ワンダーフォーゲル」「ばらの花」が収録されています。それだけで価値がありますが、他のアルバムとは一線を画するダンスミュージック系のサウンドが展開され、岸田さんの深みがかかった歌詞でさらに価値のある名盤です。ベストアルバムの次に優先するべきかも。

#くるり #音楽レビュー #音楽 #邦楽

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