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色彩の教科書(2)「色相」は進出と後退

さて、色を見分ける3つの基準の中で最初に登場した「色相」。この「色相」は、何色をしている?という色の違いを表すものだが、実はそれぞれの色が私たちにそれぞれ異なった心理的な影響を与えている。
この「色相」の違いの中で、一番大きな影響力を持つのが、色の暖かさ、寒さの印象の違い。色は赤やオレンジ色に代表されるような、温かみを感じさせる「暖色」と、青や緑のように冷たさを感じさせる「寒色」というグループに分けられる。
この2つの印象の違いによって暖色は「進んでくる」ように見え(進出色)、寒色は「後退している」(後退色)ように見える。両者からはまったく反対の印象を受けるのだ。
つまり赤などの暖色は、そこに静止していたとしても、なんとなくこちらに進んでくるように感じ、その反対、寒色は、同じ場所にあっても、なんとなく遠くに後退しているように感じる。
 こうした印象の違いは、私たちの生活の中で「印象の強さ」「迫力」といった部分にも影響してくる。例えば信号の色の中で、赤がもっとも強く感じる理由の一つも、赤が代表的な進出色(暖色)であるためだ。


信号の色の中で、赤がもっとも強く感じる


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