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なぜ、未亡人は美しく見えるのか? Chapter 3 毎日出会う色の「あ、そうだったのか!」を解明する(1)

白モノ家電の色の秘密

家電の白には理由があった

冷蔵庫・洗濯機・炊飯器。お馴染みの家電製品です。
実はこれらの製品は、通称「白モノ家電」と呼ばれています。
理由はもちろん白い色をしているからです。昨今、こうした家電製品でも、紺色、黒、グリーン系統や赤系統の暖色をラインナップとして揃えたものも見られますが、やはり圧倒的に多いのは、白や薄いグレーを基調としたもので、これは、冷蔵庫や洗濯機などが登場して以来、変わらない傾向のようです。
しかしなぜ、これほどまでに白系統の色が特定の家電製品では好まれているのでしょう。同じ家電製品でも、テレビやパソコン、ビデオなどは逆に白に配色された製品は珍しいくらいであるというのにです。
「大きいものを部屋の中に置くのだから、なるべく圧迫感を感じない色で!」
「長く使うのだから、飽きない色」
確かにそれも大切な理由の一つですが、他にも、変わらず白色であり続ける理由があります。
まず白は、汚れが発見しやすい色であること。
冷蔵庫・洗濯機・炊飯器といえば、どれも清潔であって欲しい、という願望が特に強い存在です。食品と衣料。いずれも汚れているだけで使う人たちは気分が悪くなりますし、もっとひどい問題を起こす可能性もあります。その点、白は、汚れを一番発見、予防しやすく「清潔さを保つ」という意味では、最高の色といえるわけです。真っ白であれば汚れていない!(見た目だけですが)というイメージから洗濯機、炊飯器などは白になっていることが大きいようです。逆にいえば、清潔なイメージの白がやっぱり一番売れているから、白い製品が多いということになります。
そしてもう一つ大きな理由は「温度」です。
白は、外からの光によって生じる熱を反射して、熱の影響を一番受けにくい色でもあるのです。逆に黒など暗い色は熱を吸収し、内部に熱を蓄積する傾向があります。冷蔵庫の場合ですと、同じ光が外から当たった場合、黒の方が温度が上がりやすく、庫内を同じ低さの温度に保つためには、白に比べてより多くの冷気が必要となります。
24時間、365日動いている冷蔵庫ですから、たとえそれが少しの差であっても、永い目で見れば大変な差となってしまいます。
ただ最近、住宅の部屋の密閉度が高まり、温度の変化も昔ほどではなくなってきたようで、さまざまな色を揃える製品は以前より増えてきたようです。

あなたの車は何℃?

この温度と製品の色の関係は、車のボディカラーについてもいえます。
白い車とそうでない車。炎天下を走ることも多い車ですから、太陽光によって生じる温度の差は冷蔵庫以上です。JAFが調べた直射日光の下での、車体の色ごとの表面温度の差のデータの例があります。

白…………51℃
黄色………53℃
赤…………61.6℃
黒…………71.5℃

白と黒の差はなんと20℃。当然、車内のエアコンの効き方にも、かなりの差が出そうです。
そんな目で街を走る路線バスの屋根を眺めてみますと、そのほとんどが白かそれに近い色に配色されていることに気付きます。人の出入りが激しく、夏など冷房の冷気が逃げやすい車ですので、中の温度を上げないためにも白にすることが必要なのでしょう。
白いヘルメット、白いカーテン、白い帽子、日傘。内部を陽射しの放射熱から守る仕事をしているものは他にもいろいろあります。
ただ「扱いやすいから」「無難な色だから」「圧迫感がないから」という理由以上に、白には大切な役割があったのです。


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