妬みの感情をどう扱うか?であなたの人生は決まってしまう
まだ若く、未来ある女子プロレスラーの木村花さんがSNSでの誹謗中傷で自殺するという痛ましい事件が起きました。
なぜ、そんなことが起きるんだろう?
ぼく自身もSNSの片隅で発信という表現を生業にしてるものとして、人ごととは思えない。
ただ、誹謗中傷を繰り返している人に対して「やめろ!」と正義を振りかざしても、向こうには向こうの正義があるようで、あまり意味があるとは思えない。
二度とこんな事件が起きない社会にするにはどうしたらいいのか?
あれから暇さえあれば、そんなことを考えているのですが…ある本から少しヒントを得ることができました。
この本に書いてあること踏まえて考えると…妬みという感情をどう扱うか?であなたの人生が決まるといっても過言ではありません。
SNSでの誹謗中傷を例に、どういうことか説明したいと思います。
有名税ってなに?
そもそも、なぜ直接自分の人生に関係ない人に、誹謗中傷というネガティブな形でそこまで時間を費やせるのか?
よく有名税という言葉も使われますが、この言葉の裏には「有名人はおいしい思いをしてるに違いない」という感情が隠れていると言えます。
たくさんおいしい思いしてるんだろうから、税金を多く払う(批判の的になること)のも仕方ないでしょってことなのか。
これらの根底にあるのは、羨ましいという感情です。
他にもいろんな感情があると思いますが、この記事では「羨ましい」から生まれるケースに絞って書きたいと思います
嫉妬と妬みの違い
羨ましいという感情があるから、無意識に引きずり下ろしたいという感情を常に心の中に持っている。
そこで起こるネガティブな感情が嫉妬と妬みです。
ただ、嫉妬と妬みは心理学上では異なった感情として扱われているということをこの本を読んで知りました。
どちらもネガティブな感情ですが、違いは次の通りです。
嫉妬:自分が持っている何かを奪いにやってくるかもしれない可能性を持つ人を排除したいというネガティブ感情
妬み:自分よりも上位の何かを持っている人に対して、その差異を解消したいというネガティブ感情
これだけ見ると誰もが持っている感情のように思えます。もちろん、ぼくだってこんな感情はあります。
特に、妬みの感情はものすごく当てはまるなぁと思うんですが…この本でおもしろかったのが妬みのネガティブ感情がプラスに働くこともあるという指摘です。
妬みはさらに細分化できる
妬みには「良性妬み」と「悪性妬み」があるんです。同じ妬みという感情でも、自分やまわりに与える影響がまったく違います。
自分よりも上位の何かを持っている人に対して、自分がもっと魅力的な人間になって、その差異を解消しよう!という感情が「良性妬み」
自分よりも上位の何かを持っている人がムカつくから、悪い噂をどんどん流して評判を落としてしまえ!という感情が「悪性妬み」
「良性妬み」は自分にとってプラスに働く。ネガティブな感情を抱くこと自体が問題ではないことがよくわかります。
一方で、「悪性妬み」はどうでしょうか?
相手を引きずり下して自分と同じか、自分以下の状態にしたい…うん、全く持って誰も得しませんよね。
悪性妬みが有効になる場合
本来であれば、引き下ろす行為には報復されたり、社会的な評価が下がるなどのリスクが伴いますから、いい手段とはいえません。
しかし、ある条件がつけば「悪性妬み」による相手を引きずり下す方法が有効になる場合があります。
それが、攻撃者の匿名性が保たれる場合です。
つまり、匿名によるSNSの誹謗中傷は、自分の中に渦巻いてしまった妬みの感情を「悪性妬み」として「リスクを負わず」満たすことができるわけです。
SNSの匿名性の恐ろしさ
本来であれば、リスクを伴うので有効でなかった「悪性妬み」が有効になってしまう。
これは考えてみれば不幸なことなのかもしれません。
妬みの感情を持つのは仕方ないことです。
妬みによってマイナスが生まれた心を満たす為に、自分の感情が「悪性妬み」側に揺れることは誰だってある。
でも、リスクを負うことになる実名であれば無意識にブレーキがかかるようになります。もしかしたら、ぼく自身もこのブレーキに何度も救われているのかもしれません。
SNSの匿名性というのは、ここのブレーキが壊れている状態です。
人というのは弱いものですから、手っ取り早く妬みの感情を解消できる方法があれば、それに依存してしまう事は無理ないことなのかもしれません。
匿名でSNSを使い、その世界が実社会と地続きになってなかったら…ぼくだってどうなっていたかわからないということです。
社会の目が気になるからこそ、妬みという感情をプラスに向かわせることができるのです。
「悪性妬み」に依存してしまうと「良性妬み」が生まれません。そうなると向上心が失われることを意味します。人間としてこんな恐ろしいことはないですね。
悪性妬みを無効にしなければならない
攻撃者の匿名性が保たれる場合は「悪性妬み」が有効になってしまうことがわかりました。
それが社会や誹謗中傷を受ける人にとってはもちろん、誹謗中傷をする人にとっても恐ろしくマイナスになることがわかりました。
ぼくらは「悪性妬み」を無効にしなければ、健全な人間から遠のいてしまうことになる。
これは、人間ができている、できていないというような…元々の性質とかは関係ない話です。
SNSで誹謗中傷を繰り返す人は、ブレーキの壊れた世界で妬みの感情を悪い方向に走らせているだけだと言えます。
SNSが登場する前は、匿名性を保ちながら直接攻撃できる場はありませんでした。いよいよぼくらは、ここを壊す必要があると思います。
もちろん、匿名でSNSを使っている全ての人に当てはまることではありません。匿名だからこそ、生み出せる良質なコンテンツやエンタメもあることは充分承知しています。
となると、方法はひとつしかない。誹謗中傷があったとき、情報開示を進めていくしかありません。
前澤さんを初め、多くの著名人が今後は被害届を出すことを明言しています。ぼくはこの取り組みに賛同します。
匿名性が保たれないというブレーキがあるだけで、妬みというネガティブな感情はプラスに向かう可能性を秘めてます。
「悪性妬み」を無効にしなければ、人間としての向上心も失われます。
ぼくは、それは残酷なことだと思う。匿名での誹謗中傷は相手にはもちろんだけど、本人にとっても大きなマイナスになっていると言えます。
無くすためには抑止力が必要です。どうか「誹謗中傷を受けたら情報公開する」という主張を「大人げない」とか「スルーすればいいのに」と思わないでほしい。
この記事のまとめ
今回、妬みという感情について深堀りすることでいろんなことがわかりました。
妬みという感情を持つのは人間として自然なことだと思います。問題は匿名性により、無意識に「悪性妬み」に寄ってしまうところにある。
「良性妬み」に変えて、自己成長のエネルギーにしてほしいと心から思います。
改めまして、考えるきっかけとなった木村花さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
今回の話に興味がある人はこちらの本がおすすめです。ここに書いたのはほんの一部分。まだまだ学べることがありそうです。
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関連:SNSでの誹謗中傷について
*わいざんの活動一覧
https://yzan.jp/
*わいざんTwitter
https://twitter.com/yzan_travel
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