恋の意味も手触りも 相対性理論も 結局よくわからない

れん-あい【恋愛】
(loveの訳語)男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情。こい。
広辞苑

パートナーがおり、幸せな状態の人は、読まない方がいいかもしれません。自分がなぜその相手を選んだのか。何故好きなのか。自分の中の、純粋でない気持ちに気づかされてしまうので。

「傲慢と善良」辻村深月

結婚を目前に控えていた架の前から、婚約者:真実が失踪した。真実の行方を捜していくうちに、架は、今まで知らなかった真実の過去に触れていく。彼女は何故姿を消したのか。
好きとは?恋愛とは?結婚とは?
自分自身の心と向き合うきっかけをくれる恋愛ミステリー


今恋人がいる方、その人と結婚したい気持ちは何パーセントくらいですか?50%?80%?それとも、100%?

その数字はそのまま、自分が相手につけている点数そのものだそうです。

架が真実につけていた点数は70点。それを知った真実は、傷つき、姿を消してしまいます。

仮に自分がパートナーに点数をつけるなら、、、
明言はしません。

ただ、それでいいのだと自分に言い聞かせてきました。恋愛的に100%好きでなくても、仲良く、気楽に付き合える方が、長くいい関係を築けるはず、と。

でも、最近その気持ちに迷いが生じているんです。

相手はこんなに素晴らしい人なのに、なぜか心の底から没頭できない。この人でいいのか、と考えてしまう。絶対にこの人だ!この人しかいない!と決めきれない。

この本は、その原因はその人の中にある傲慢さだといいます。

ぐうの音も出ない。本当にその通りです。相手が自分の元からいなくなるとはみじんも思っていないからこそ、今の相手を手元に置いた状態で、他の人と比べたり、気持ちが移ったりしてしまう。相手の気持ちを利用した卑怯な行為です。


ただ一方で、このまま進んでいいのか迷い、悩んでいること自体が、「大恋愛」だとも言っています。

自分に恋愛感情があるのかどうかで悩んだり、それによってパートナーと喧嘩をしたり、傷つけたり傷つけられたり、そういうことも含めて恋愛だ、という考えは無かった。

この一文に、何か救われた気がしました。

自分は恋愛的に好きでなくてもいい、と思おうとしていましたが、心の底からそうは思えておらず、恋愛がしたかったんでしょう。だからこそ、恋愛している、と他者から認められたことで思わずほっとしてしまいました。

「恋をしている状態は脳がバグっているから、正常な判断ができなくなっている。普段の状態でもいいと思える人が本当にいい人なはず!」

論理的に考えたらこうだと思うんですが、恋というか、愛というか、人を好きになる、一緒にいたいと思う感情は、頭で考えてもどうにも抗えない力を持っていますよね。


みんな恋をしていきましょう!(なんだこの終わり方)

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