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ベルトコンベアー・エブリデイ

ベルトコンベアーから流れてくる荷物を見届ける。これが仕事だ。勤続三年、半年前の”エスカレーターに乗る人を見届ける仕事”が評価され、昇進となった。ベルトコンベアーの次はエレベーターになるらしい。

「おっ今日も働いてるねえ!」

昇進をあきらめた同期の山本が僕の肩を叩く。つい、荷物から目をそらしてしまいそうになった。

「おはよう」

心の中は山本への呪詛が巡り巡っているが、そんなことをやっていては仕事に支障をきたす。こぶしを握り、ベルトコンベアーに乗った荷物を延々と見つめる。ここで、赤いリュック。これはいけない。すぐさま回収し、隣のコンベアーに流す。

僕の監視しているベルトコンベアーは、黄色と緑色の荷物限定となっている。利用方法を良く分かっていない客が、やたらめったら流した荷物をこうして整理しているのだ。

疑いはない。就活で会社資料を見たとき、この会社だと思った。長く続ければ、大金を稼げる。老後は安泰、完璧な人生を歩める。

家に帰って現金を数える。今日は七万弱の収入だ。将来の夢を思い描きながら眠りにつく。

翌日、いつものように荷物を監視していると、同期の山本が方を叩いてきた。

「対して稼げないのによくやるねえ」

エスカレーターの人間を狙うより、ベルトコンベアーから金品を抜く方が簡単だ。山本は真面目にベルトコンベアーを見つめていた。

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