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海外ドラマ「ハウス・オブ・カード」Season3 キプロス和平協議に目をつけたアーカートの行く末は

原題 The Final Cut
製作 BBC
製作年 1995
原作 マイケル・ドブズ
キャスト イアン・リチャードソン、ダイアン・フレッチャー、イスラ・ブレア、ポール・フリーマン他
評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆

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前作の最後で新たな若い国王となり、アーカートも首相として10年以上。
長期政権への不満が国民からも議員の間からも出始めている。

アーカートがレガシーとして目をつけたのがキプロス。
キプロスは1960年、イギリスから独立。その後はギリシャ系とトルコ系との間で紛争が絶えず、74年に南北に分裂。
そんなキプロスの和平を仲介し、更にトルコ側にある油田から利権を得て退任後の生活の安定も得ようという計画。
ただ、アーカートのキプロスでの個人的な過去は唐突に出てきた感が否めない。

議事堂の前にはサッチャーを記念する像ができ、嫌でも目に入る。最長在任を記録し、支持率の低下もフォークランド戦争で支持を盛り返したサッチャー。
在任期間が長くなるにつれ、そのサッチャーを超えてやるという呪縛のようなものが大きくなっていく。そして再び支持を取り戻すため、自分たちもフォークランドの時のようにやってみせるという思いに駆られてゆく。

ちなみに、原作のマイケル・ドブズは冒頭のサッチャーの葬式シーンに激怒したとされる。その結果、原作というクレジットは外され、based onとの表記になった。このドラマの製作が1995年で、サッチャーが実際に亡くなったのが2013年。

メイクピースが政敵として登場するが、最後の敵は自分自身だったということだろう。
途中までは国会答弁などで頭の回転の速さとその健在ぶりを見せつける。
だが、自分は何が何でも辞めない、首相の座に留まるために状況を変えてみせるという思いに囚われ、最後はどうしようもないところまで追い込まれる。

最後にコーダーに頼み妻のエリザベスがとった行動。エリザベスはアーカートを心から理解し、愛していたのだろう。


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