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海外ドラマ「フォーサイト家〜愛とプライド」Season1 ヴィクトリア朝時代のあるアッパーミドルクラス一家の物語

原題 The Forsyte Saga
製作 ITV
製作年 2002
原作 ジョン・ゴールズワージー
キャスト  ダミアン・ルイス 、 ルパート・グレイブス 、  ジーナ・マッキー 、コリン・レッドグレーヴ 他
評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆☆

原作はノーベル賞作家のゴールズワージの1922年の小説。
舞台はイギリス。1880年代からのフォーサイト一族の物語。

一族の中でも中心となるのが従兄弟同士のジョリオンとソームズ。
が、家族関係がとにかく難しい。子供たちの代ともなると縁戚関係がもうこんがらがってくる。
叔母などはどういう親戚か正直よくわからないままだったり。

魔性の女ともとれるアイリーニが好きかどうかで好みが分かれそうな作品。

(以下ネタバレ含む。)

対照的な性格のジョリオンとソームズ。
フォーサイトらしくないと言われるジョリオン。ドラマの冒頭から妻を捨てて家庭教師と駆け落ちする様子が描かれる。
一方のソームズはフォーサイト家を体現しているよう。フォーサイト家としての誇りを持ち、体面を気にし、そして他人には厳しい。職業は弁護士で、芸術世界とは馴染みがない。
そんなソームズは結婚が上手くいかなかったら自由にするという約束のもと、芸術を愛する女性アイリーニと結婚する。

想像は十分つくけれど、ソームズとアイリーニとの結婚は上手くいかない。
それでもアイリーニに執着するソームズ。自由にするという約束を守らず、アイリーニは自分のものだと言い続ける。

ソームズは別として、アイリーニの周りに現れる男性たちがそれぞれ魅力的。

はじめはボシニー。
ジョリオンの最初の妻との間の娘であるジューン(アイリーニからみると姪)の婚約者であるボシニー。若くて才能溢れる建築家。
出会った時の目から、ダンスシーンや2人で視線を交わす場面など、ボシニーがアイリーニを見つめる目にはすごく色気がある。
この2人が幸せになることはないだろうなという気配は最初からなんとなく漂う。

次がジョリオンの父。
ドラマの冒頭では、家庭教師を愛してしまった息子を勘当するなど、いかにもフォーサイト家の一員という感じで登場したジョリオンの父。
そんな彼が徐々に変わっていくところのなんとも可愛らしいこと。父の柔軟なところが素晴らしく、一族の他の者にはないところだというジョリオンの台詞があったが、まさにその通りだと思う。
息子の絵をこっそり買って生活を支えていた父。最初はいかにもフォーサイトの上から目線の態度で息子夫婦に接していたが、徐々にその態度も変わり、息子夫婦とも分り合うようになってゆく。
ボシニーが設計したロビンヒルの家で暮らすジョリオン一家。アイリーニにとっては思い出の場所で2人は再会し、ボシニーを事故で亡くしたあと家を出てひっそり暮らすアイリーニの心を少しずつ癒してゆく。
2人が心を通わせていく姿はちょっと感動的。

そして最後がジョリオン。
ドラマでは一瞬だが、アイリーニがソームズの家を出てから12年が経過している。ジョリオンは妻を病気で亡くしている。
ボシニーとの密会現場に出くわしたり、ボシニーの死で取り乱すアイリーニをソームズのもとに送り届けたりと要所要所でアイリーニと関わりはあったジョリオン。
父がアイリーニの心の安らぎになったように、息子も同じような優しさでアイリーニを包んでゆく。
2人が惹かれていくところをもう少しじっくり見たかったところではある。

はじめのほうは、ちょっとソームズに同情的にみていた。
ボシニーにだけ自分が見たこともない笑顔を向けられたら嫉妬してしまうよなと思ったり。しかし、回を追うごとにソームズがどんどん陰湿になっていく。
別居してもアイリーニへの執着は捨てられず、12年も経っていても久々に顔を見たらその想いは再燃してしまう。
相続の問題もありどうしても息子が欲しいと望むがアイリーニには拒否され、とうとう離婚を決意。フランス人女性と再婚し女の子を授かる。
しかし、自分との間には子供が出来なかったのにジュリオンとの子供(しかも男の子)を授かったアイリーニへの想いは更に増したように思える。

次のシリーズでは子供たちの世代へと話は移っていく。
登場人物の関係を整理しながら観るのが大変そうな予感…

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