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読書記録「増補 フランス文学案内」渡辺一夫・鈴木力衛著

岩波文庫別冊
2017

歴史の流れとその時代の雰囲気などもわかるので、作品を手に取るきっかけにとても良い一冊。
フランス文学が社会に強い関心を持ち続けてきたその歴史。サルトルはじめとした知識人のアンガジュマンへと繋がっていくその流れが分かった気がする。

十九世紀の批評家フェルディナン・ブリュンチエールは、イタリア文学の特徴は芸術家的であり、スペイン文学のそれは騎士道的であり、イギリス文学のそれが個人主義的であるのに対し、フランス文学の特質は、社交的で社会的な点にある、と述べております。すこし簡単に割り切りすぎているようなふしもありますが、フランス文学にこうした特徴があることは否定できません。

時代は中世から二十世紀、第二次世界大戦後まで。
詩から小説以外の哲学者などの著作、そして演劇まで幅広く触れられている。

これは興味が湧かなそうと思うものもあれば、面白そうとだなと興味を惹かれるものもあったので、これを手がかりにいくつか読んでみたい。

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