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ITど素人が10分でAIを完全に理解するための記事。

今回はITど素人の方がAIの本質を掴めるように極限までわかりやすく書きました。私はIT系の仕事をしていましたが、AIに触れるのはここ最近。AIに関する書籍を20冊以上読んでつかんだことを皆さんにわかるように書いていきます。AIを理解したい現場の担当者さん、AIがアツいと何となく知っているけどよく理解できていない学生さんなどのために書きました。

1.そもそもAIって何?

―AIとは知的なふるまいをするソフトウェアのこと
AIというとどんなイメージを持つでしょうか。ペッパー君のような目に見えるロボットでしょうか。「知的なふるまいをするソフトウェア」の総称としてAIと呼ばれているだけです。知的なふるまいをしているソフトウェアなら何でもAIと呼べます。ではどういうことなのか詳しく見ていきましょう

例えば、スマホについているGoogleアシスタントやSiriは人間の声を聞いて応答できるのでその姿を人間は「知的ふるまい」ととらえて勝手にAIと呼んでいるだけなんです。なのでぶっちゃけ、あなたが知的なふるまいをしているな~と思うソフトウェアがあればそれは全部AIと呼んで構いません

―何が「知的なのか」の明確な基準はない
何が「知的なふるまい」なのかという議論は多々あるようですがここに決着がつく様子はなく、個人の主観で知的だと思えばそのソフトウェアはAIなんです。

それぐらいAIという言葉は、広い意味で使われています。個人の主観によって何が「知的なふるまい」なのかは変わってしまうというところに注意したいですね。AI搭載○○という商品は数多く存在しますが、そこに明確な基準はありません。空気のよごれを自動感知したり人間の位置を把握したりする機能を「知的なふるまい」として捉え、AIを搭載していると宣伝することも可能です。

―AIは概念でしかない、明確な基準はない
このように「何が知的なのか」という基準がない以上、何がAIなのかを明確に判断する基準はありません。AIというのはあくまで「知的なふるまいをするソフトウェア」という概念でしかないということです。残念ながら「This is AI!」ときっぱりとお伝え出来ないということです。
まずはAIという言葉が大きな曖昧さを含んでいることを理解していただきたいのです。

別の例でいうと「日本人」とは何ぞやと聞くのと近いと思います。日本人というのに明確な基準はありません。海外に住んでいる日本人はたくさんいるし、人種的には外人でも自分自身を日本人だと思っている人もいます。
どこからどこまでが日本人と明確に定められているのではなく、自分は日本人だと個々人が勝手に思うことで日本人という概念(考え方)が存続しているだけです。

このようにAIというのも、目の前のソフトウェアをみて各々が知的なふるまいをしているな~と思えばもうそれはAIと呼んでOKなんです。

長ったらしく書きましたが、一番重要なところなので強調したいところです。AIとはという明確な基準がないということを理解できたでしょうか。これがわからないと、いつまでたってもAIがなんだかわからないというゴールの無い「AI探し」をしてしまうので注意です。もう一度言います、AIとは、「知的なふるまいをするソフトウェア」です。



2.AI、機械学習、ディープラーニングの違い

AIが概念だとわかっていただいたところでお次は、AI・機械学習・ディープラーニング(深層学習)の違いについてお伝えします。どれも聞いたことぐらいはあるワードではないでしょうか。ちなみに機械学習はマシーンラーニング、ディープラーニングは深層学習と別名で呼ばれることがありますが全く同じもののことを差しています。

3つの単語の関係を図で表すとこんな感じです。

人口知能 機械学集 ディープラーニング

AIは一番広い概念で、その中に機械学習があり、さらにその中にディープラーニングが位置しています。詳しくは以下で説明しますので、一旦はこの3つの単語は意味的に並列なのではなくAIという広い概念の集合の中に入っているイメージだということだけ理解してください。

ちょうど、食べ物、果物、リンゴの関係図のようなイメージです。

図1


ではそれぞれの単語の意味を見ていきましょう。

―機械学習とは何か
まず機械学習とは、AIを作るための手法の一つです。しかし従来型のプログラムと一味違う所が、コンピュータ自身で学習をしていくという点です。
今までのシステムでは人間が条件分岐などのプログラムを書くことでコンピュータが命令通りに動き判断をするのが一般的でした。しかし、機械学習では人間が従来型のプログラムを書いてやらなくても、データをたくさん学習することで自分なりの基準を作って判断できるようになります。

従来型との違い


例えば、犬と猫の違いを分類するソフトウェアを作りたいとしたときに従来型のプログラムではめちゃくちゃ難しいことがわかると思います。猫と犬のあのような微妙な違いを言語化して条件分岐に反映させるのは至難の業です。

そこで、機械学習では大量の猫と犬の画像を用意して、その画像に正解ラベルを付けておきます。そしてその正解ラベル付きのデータをコンピュータに学習させるのです。イメージで言うと子供に対して「これは犬だよ~、これは猫だよ~」と写真を見せながら一個一個教えていく感じです。ただしさすがはAI、必要なデータ数は非常に多く数万枚~数十万枚の画像で教え込みます。

このように機械学習とはコンピュータに、従来型のプログラムとは全く異なる仕組みで判断させる試みのことなのです。

ちなみに機械学習には3種類あり、教師あり学習、教師無し学習、強化学習です。それぞれ適している場面が異なりますが機械学習について本気で興味を持った時に調べてもらえれば大丈夫です。ここについてはわかりやすいサイトがあるので詳しく知りたいかたは以下のリンクからチェックしてみてください。機械学習について

ただ、今回分かってほしいのは機械学習によりロボット自身がデータの特徴を見つけ出して判断できるようになったということと、コンピュータがより一層知的なふるまいをするようになったのだということです。

―ディープラーニングとは何か
続いてディープラーニングについてです。これもAIを作るうえでの手法の一つです。

2013年の画像認識コンテストにて、ディープラーニングを用いたチームが圧倒的な結果を残したことでこの手法の存在が有名になりました。
詳しい仕組みなどはここでは割愛しますが、機械学習の精度と効率を飛躍的に向上させることとなった手法の一つなんだとなんとなく理解しておいてください。

例えるなら周りが自動車で競争に挑む中、突如ジェット機で参入してきたみたいな状態です。それぐらいすごい学習効率の良い手法が見つかったんだと理解してくれれば大丈夫です。ディープラーニングは機械学習の分野に革命を超すような既存の枠を超えた画期的な学習方法だということです。
ディープラーニングの詳しい仕組みが知りたい方はコチラのサイトをチェックしてみてください。ディープラーニングの仕組み

3.なぜ今になってAIが過熱しているのか

近頃、既存の会社が自社の業務やビジネスにAIを用いて注目を集めることが増えました。なぜAIは今このタイミングで注目されているのか。それは技術の進歩によりAI活用の環境が整ってきたからです。さて、何が進歩したのでしょうか。

ーAI活用に最も貢献した3つの進歩
AI活用の環境を整えた技術進歩は以下の3つです。
1. 利用可能データの増大
2. コンピュータの計算能力の向上と低価格化
3. ディープラーニングの登場(アルゴリズムの進化)

―➀利用可能データの増大
まず、AIにとってデータは命です。データをたくさん“食わせる“ことによってAIは成長し精度の高い判断をできるようになります。我々と同様、たくさん勉強したら優秀になるといったところです。

そしてこれらのデータはインターネットから取ってくることになりますが、ネット上のデータ量は常に増え続けています。そして、データの種類、量、繁栄速度などが巨大なデータのことビッグデータと呼びますが、まさにこのようなデータを蓄積したりネット上から取得する環境が整ったのが要因の一つです。

もちろん、どんなAIを作るのかによって必要なデータは異なります。犬か猫かを判断するAIをつくるなら犬と猫の大量の画像が必要ですし、構造物の異常を検知するAIを作るなら正常時のデータと異常時のデータが必要になります。これらはIoT機器やドローンなどでデータを集められます。

ちょっと話がそれますが、IoT機器やドローンにはセンサーが内蔵されていますが、このようなセンサーはとりわけスマホに使われています。そしてスマホの普及がセンサーの大量生産を促し、センサー価格の押し下げにつながりました。スマホの普及が、ドローン普及やIoT機器の製造に大きく貢献しているのです。

話を戻しますが、このような環境要因からデータを集めやすくなったのが、AI導入が過熱している1つ目の原因です。

―②コンピュータの計算能力の向上と低価格化
実はAIを作る際には膨大な計算量を必要とします。昔からAIの構想はあったものの膨大な計算量を必要とするうえに計算能力の高いコンピュータは高価でとても一般市民が扱えるものではありませんでした。

例えば1000万円のマシンを購入したのに計算し終わるまでに2か月かかるみたいな状態だと、だれも進んで研究なんてしないですよね。6回試すだけで1年経ってしまいますから。

しかしながら、コンピュータの計算能力は日進月歩で進化しておりここ最近になって、AIを開発するのに役立つコンピュータを広く一般の人が扱える時代になりました。今後もコンピュータの計算の能力は向上し、低価格が進んでいくはずです。間違いなくAI利用のすそ野は広がっていくでしょう。

―③ディープラーニングの登場
そして極めつけはここです。ディープラーニングの登場によりAI開発は飛躍的に向上します。おさらいするとディープラーニングはAIを作る機械学習の方法の1つで、これまでの学習効率を凌駕する手法だとお伝えしました。

コンピュータの計算能力云々の前に、取ってる手法が違うので他者は立ち打ちできなかったようです。つまりどんなに良い車用のエンジンを作ろうと、空を飛ぶジェット機には勝てないのと同じです。既存の枠を外れた手法を持ちだしてきて圧倒的な結果をたたき出したのでした。
この手法を目にした人たちはAIの育成にディープラーニングを多用するようになり、翻訳や会話理解などへの自然言語処理、画像認識などの識別をするAIの精度が上がっていきました。

ある時からGoogle翻訳の精度が一気に上がって使いやすくなったのを感じたでしょうか。これはディープラーニングによってGoogle翻訳を行うAIが賢くなったからにほかなりません。

―AIはさらに民主化される
このようにAIを取り巻く環境は刻々と誰もが使いやすい状態へと変化しています
。今後高性能なコンピュータが誰でも買える価格まで落ちてくることは間違いないですし、ネット上のデータ量や、周辺の未使用情報を集めるIoT機器もたくさん登場することでしょう。

最近ではプログラムをしなくてもAIを作ることができるGUIツールもたくさん登場しており、より多くの人がAIの開発、利用に携われるようになることは間違いありません。


4.AIは何に使えるの?できることズバリ3つ

続いてAIの用途についてです。実際AIは何に使えるのかこれからお伝えします。総務省のレポートにはAIでできることは大きく3つに大別されています。これがめちゃくちゃ重要で、ほぼすべてのAI活用例はこの3つの中に納まります。これからAIを使ってビジネスをするぞ!と思っている人こそこの3つを確実に抑えてください。

3つの使用方法とは、識別、予測、実行です。AIは用途に合わせて個別に開発していく必要があります。そして開発されたAIの機能はだいたいこの3つのどれかに分類されるということです。ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

コメント 2019-12-26 213837

出典Cisco Visual Networking Index Global IP Traffic Forecast, 2016-2021” (Cisco), “ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database 2017” (ITU)

ー➀識別(音声認識、画像認識、動画認識、自然言語処理)
識別はディープラーニングと相性の良い分野です。猫と犬を識別したり、人がいるかを感知することもできます。要は人間が見て理解することをコンピュータも同じように理解できるようになりました。

この特徴を使ったビジネスはたくさん考えられます。例えば監視システムや不良品検知、生産ラインの自動化などなどほかにも多岐にわたります。Google翻訳は自然言語処理に該当され、人間の言葉を識別するAIということになります。

ー②予測(数値予測、需要予測、マッチング(個別最適化)
予測は非常に多くの分野で活用されています。単純に将来上がる売上を予測する数値予測から、市場のニーズ予測する需要予測、顧客に個別単位でマッチしたサービスを提供するマッチングのために使われるなどします。

まず、単純に将来の予測ができるとメリットは大きいです。需要を見越して価格を調整したり、市場のニーズをとらえて在庫の回転率を上げたり、未来がわかるだけで打てる施策はたくさんあります。逆に未来予測を見ずに商売をするのは、天気予報を見ずに漁に出かけるようなものです。

つづいて個別最適化の話です。言葉は難しいですが言いたいことはシンプルです。顧客のニーズは多種多様ですが、その個別のニーズに合わせたサービスを提供することを差します。そんなことできるの?と思うでしょう。AIを使うとできるようになります。

例えば、マッチングアプリでは人それぞれ好みの顔が違います。個人が今まで”いいね”してきた履歴から好みの顔の特徴を抜き出してオススメに表示するなどが考えられます。あとは、アマゾンの「これを買ったあなたにはこの商品がオススメ」というレコメンドシステムもそうです。これはあなたの購買情報をもとに、今何をお勧めしたら買ってくれるか裏側でAIが考えているからこそ実現できています。そして生体情報から保険の価格を調整するなどのアイディアも個別最適化です。人によって病気リスクは違うはずなのに保険料が一律なのはフェアではありません。これからは個人の生体情報は簡単に入手できるようになるはずなので、健康な人の保険料を割安にするといった保険料の個別最適化も進んでいくでしょう。

このように、個別のニーズに対応するサービスはこれからもたくさん出てくると個人的には思っています。今までは大量生産&大量消費の世の中で画一的な商品を市場にばらまいて儲けることが可能だったわけですが、これからは顧客1人1人と向き合ったサービスが求められてきます。

その際に顧客のニーズを自動でくみ取って適切なアクションをするという役割を、AIが担っていくことは容易に想像できます。そういう視点で見るとサービスの個別最適化は非常に多く見受けられるのでぜひ世の中のサービスをみるときに注目してみてください。

予測AIは統計学と密接な関係があり、統計学的な知識やアプローチは大変重要になります。目的を達成するためにどれだけのデータが必要なのか、本当に全数調査をする必要があるのか、AIを開発するための設備投資は果たして適切かなどなど統計学の知識がないと間違いをおかしてしまします。

予測系のAIでビジネスをしたい方は統計学の勉強をすることをおすすめします。ご興味がある方はコチラの記事もチェックしてみてください。

参考記事:「投資対効果の高い予測AIを作る方法。お金をかけすぎはもうやめよう。」

ー③実行(作業の自動化、デザイン、行動最適化)
つづいては実行です。代表的なのは自動運転です。外界の情報を正確に認識したあとアクセルやブレーキ、ハンドリングの操作をAIが行います。ここにもAIが使われています。考えてみれば当たり前で認識した後、何かしらのアクションをすることまで求められる分野では実行AIがたくさん登場することとなるでしょう。

既存の絵や音楽を学習してオリジナルの絵画や音楽を自作するAIも存在します。将来的にはWEBサイトのレイアウトや室内のインテリアデザイン、広告のクリエイティブの自動作成などは容易に実現していくことでしょう。


5.AIは敵か味方か

ここまでAIの特徴をざざっと解説しました。しかし根本的な部分でAIに仕事を奪われるんじゃないかと不安に思っている方が多くいると感じそこについてもお伝えします。

結論、AIに仕事を奪われて不幸になることはありません。AIは完全に人間の見方です。というより単なる道具です。

例えば包丁は使いようによっては人を傷つけますが、明らかに人間の生活を豊かにする道具です。それと同じでAIも人間の生活を豊かにするための道具に過ぎません。もっというと人間ができないことや人間がやりたくない仕事を置き換えてくれるアイテムです。

このようなアイテムの登場を怖がるのではなく、どうやって使ったらよいか理解してあげることが大切です。過去にも人類は機械化により多大な恩恵を受けてきました。

例えば農業においてトラクターが導入されることで大規模な農業が少人数で可能になりました。これにより農業従事者の数自体は減ったかもしれませんが、生産性が飛躍的に向上し農家の所得水準は上がったに違いありません。そして第二次産業が多くの雇用を産み経済はより豊かになりました。極めつけは、機械による置き換えで単位当たりの生産物の価格が下がっていることです。極論、長期的にはすべての生産物の価格は下がっていくため生活水準が悪化することはありません。

AI化を恐れて拒否するのではなく、AIという道具をどうやったら自社のビジネスに生かせるのか考えるほうが得策ではないでしょうか?トラクターを導入して大規模に農業する人の横で、せっせと手作業で田植えをするわけにはいきません。そんなことするならトラクターの勉強をして道具を利用する方向に努力したほうが100倍マシです。

ということでAIによってある程度の仕事はなくなるかもしれませんが、ちゃんと変化に適応できれば全く問題ありません。むしろその場をやり過ごしていてもいずれAIを導入した競合他社に駆逐される未来は見えているのでどちらにしろ利用していくしかないのではないでしょうか。

つまり、AIを仕事を奪う敵とみなして敬遠するのではなく、どうやったらこの便利アイテムを利用できるのか、勉強して考えていくことが何よりも大切なんだと思います。

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はじめまして!松田悠馬と申します。 サイバーエージェントの子会社AI Shiftで働いています。 横浜翠嵐高校卒、慶応大学理工学部を中退。 趣味はスノーボードとトレード(14歳から株式投資を開始) AIで世の中の無駄と非効率をなくす仕事をしています。 Twiter→@I5uRh9
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