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サボりんのご自愛

私はサボるのが得意だった。小さい頃から無理と思えばすぐ休む。仮病も得意だった。本当に身体が悪いと思い込み、本当はピンピンしている自分を押し込める。演技もなかなか現実味があって、本当に具合悪い時より休める確率が高い。だから小さい頃は、必殺技のように使っていた。


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りょかちさんの「ご自愛」記事をよんだ。そこに貼られたリンク先の記事も読んだ。『私達の「ご自愛力」が今、試されている。 #私のご自愛』(1)と、つっきーさんの『「ご自愛する」という戦い方』(2)。

頑張りすぎて体調を崩し、初めて気づいた「ご自愛」。仕事を優先しすぎない。身体を労る。今の大人は言う。大抵の“そういう大人”は、20代の多くを超多忙で過ごしていたという。
私は鵜呑みにしそうだ。危ない。まだ何も始まっていないのに、何も考えず呑み込みそうだ。少し考えたら分かるけれど、超多忙(量をこなした経験)があってこその余裕だろう。まだ何もしていない私は該当しない。


“そういう大人”に大きな声で言いたい。
「私たちがゆとりを持とうと思ったのは、培ってきた知見と経験がお金になり、それなりの働きで今までより多めに稼げる目処が立ったからです。」ときちんと言って欲しい。そうでないと分からない。ネットの情報には年齢が無く、危うく騙されそうに(?)なった(勝手に騙されたと思ってしまった)。

とはいえ、私には当てはまらないと気づけたのは大きい。頑張らないと何にもならないうちから、サボり癖が付いては困る。私は冒頭に述べた通り、サボるのが得意だからだ。AIが人の仕事を奪うだの叫ばれているけれど、一方で小物の移動などの単純な作業をコストの安い人間が行っている。人間的機械を待ち望んでたら、自分が機械的人間だったなんて、悲しすぎる。運ぶことしか得意じゃない30代にはなりたくない。だから、年齢制限的に警告を出して欲しいと思ってしまう。これから超多忙を迎える人に向けて。


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仕事で忙しいのってかっこいい。つっきーさんもそうやって超多忙の自分を楽しんでたそうだ。でももう見てしまったから「ご自愛」も捨てられない。なんか響きも可愛いし。

私にできる「ご自愛」は何だろう。
表現者になりたい身としては、noteは1つの「ご自愛」かもしれない。日記を書くというセラピーがあるように、noteにも自分に向き合う役割がある。少し前の鬱々としていた気分も全部noteに書いた。そして最近晴れてきた。「ご自愛」の成果だ。祝福したい。

ただ、晴れた後に感じたのは、鬱々している方が強い文章が書けるということだ。頭を熱している方が鋭い言葉が出てくる。殴り書きした下書きを、少しおいて丸くする。その過程によって満足noteが書けていた。

満足したのは他にも、貢献できた感じがしたからだ。自分に対して、他の人に対しても、何となく貢献できた感じがした。ノウハウまとめも経験まとめも、未熟な私じゃ役に立てない。それは “「ご自愛」先人世代” に任せるしかない。今の私にできるのは、この年代だからこそ、子供だからこその気持ちをぶつけることで、大人に気づいてもらうことだった。


少し頭が冷えた今、先の満足noteを読み返してみると、よく分からない塊になって見えた。周りから見てこんなにゴツい岩だったと思うと恥ずかしい気もする。でも、RADWIMPSの青春ソングを私が好むように、誰かのどこかに響いていれば嬉しい。そしてこの響きを、大きな声で叫んでも耳が痛くならないように、少しずつ曲作りの勉強を始めた。いつかここで披露したいなぁ。


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さて、勝手に文句を言った「ご自愛」記事。踏ん張り時に美味しい話はやめてよ!なんて言ってましたが、この話には続きがあります。

「ご自愛する」ことは「戦い」であるということだ。

まず、きちんとご自愛する暮らしは気を抜くとすぐに出来なくなる。ハードワークや深夜残業によって得られる自己肯定感は麻薬だ。「頑張ってる感」がお手軽に得られてしまう。

お手軽な「頑張ってる感」に惑わされず、効率的に健康を保ちながら働くのは、闇雲なハードワークより俄然難しい。でもどうせ戦うならこっちの技能を身につけたほうが良いに決まっている。社会人人生は思っているより長いのだ。

そして、仕事を効率よく切り上げ、家を清潔に保ち、栄養ある食事をとり、最低限の睡眠をとる暮らしを守るには強い心が必要だ。怠惰に負けない心、行かなくて良い飲み会を断る心、メイクだけは落として寝る心。

「ご自愛する暮らし」はゆるふわスローライフではなく、強い精神力とマネジメント力を要する戦いである。


この通り、美味しい話では無かったのです。女性誌向けの可愛い言葉選びに隠された、高いマネジメント能力。まさに私の目指す方向で、さらに記事自体もきちんと誤解を解いている(こういう真面目な役に立つ話が多いのでnoteが好きです)。

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今の私にできる「ご自愛」は表現。どんなに忙しくても、表現し続けなければ心が折れて「戦い」に負けてしまう。心を強くしなやかにするべく、身を引き締めた記事でした。

☺︎ 本記事のインスピレーション

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