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組織と個人

最近、組織とは何か考えることが多くなっている。

自分自身決して人を率いるような立場ではないが、末端なりに思うことがある。というのも、現在企業のビジョンに基づいて戦略立案をしているわけだが、この上ない違和感を感じている。

果たして、経営層はこのビジョンに対してフルコミットしているのだろうか?

ビジョンや価値観といった内外部に発信している内容自体は否定しない。むしろ、本当にこのビジョンを一人ひとりが自分ごと化して、同じベクトルで進んだとしたら、ハッピーな世界を築けるだろう。
しかし、そのビジョンが全従業員に浸透しているとは到底思えない。
ビジョンなんてないかのごとく、各部の利益を上げるために目先のことに奮闘することで必死である。それ自体、仕方ないことだと思う自分もいる。数年前までは、わたしもそっち側の人間だったからだ。

戦略立案をする立場になり、会社を俯瞰して見られるようになった。そして、自分の知らない世界に一歩足を踏み入れた瞬間、気づいてしまったのだ。
このままではビジョンは絵に描いた餅になってしまうことに。
みんなが達成したいものと会社として達成したいものが結ぶついてないことに。
経営層自身が目先の勝ち負けにしか目もくれず、持続的な社会の発展に対して本気でコミットしていないことに。

そんな思いを抱えている時、Allbirdsから心に刺さるメッセージをいただいた。

もともとAllbirdsはサステナビリティに関する競合他社として捉えていたが、それはあくまでサステナブルプロダクトの側面にしか過ぎなかった。しかし、リサーチするにつれて、Allbirdsの本質はそこではないことに気が付いた。

Allbirdsの最大の武器は、組織力なのでは?

Allbirdsはパーパス、すなわち存在意義を大事にしており、企業は何のために存在するのか、社会においてどのような責任を果たすのかを明文化している。Allbirdsの掲げたパーパスは、「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」である。

ここからはわたしの想像になるが、このパーパスが一人ひとりに自分ごと化され、一個人がリーダーシップを持ってコミットしているのではないだろうか。その熱量の結集がプロダクトと化しているように思える。

最近、ティール組織と呼ばれる組織論が注目されているようだ。詳細はこれから勉強するが、一言で言うと、個人が自立しつつ、組織体としての共通の目的に向かっていく組織である。
パーパス経営―30年先の視点から現在を捉える」では、童話「スイミー」をメタファーとして挙げていた。大きな魚に食べられない(パーパス)ために、1匹だけ黒いスイミーが目の役割を担うことを提案し、自分の容姿によく似た赤い小魚たちと集団で自由に海を泳ぐという話だ。Allbirdsならぬ、Allfishである。

組織も生きている。



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