見出し画像

2024年1月の振り返り

去年まではブロックチェーン業界にいたのですが、今年一月から父が経営する物流業の会社に入りました。
入社して1か月目の振り返りをします。
(バナーの画像は市と協力したPRトラックになります。全国各地を走る予定なのでどこかでみかけるかもです)

やったこと

免許や試験

フォークリフトの試験や、ドライバーの点呼を行うための運行管理者基礎講習、ドライバーになるために必ず必要な初任診断などを受けました。小さいころから見ていたフォークリフトに実際に乗れて楽しかったです。

また、今までは簡単にドライバーになれると思っていたのですが、国から定められたいくつかの試験や項目を実施する必要があり、ドライバーとして働き始めるまで一週間ほどの時間を要します。また、国で定められている項目とは別に、企業単位でもドライバーさんに対する投資は求められています。
本社でも新年初日から、外部講師を招いて安全運転に関する講義を開いていました。

中小企業からしたら大きなコストではありますが、トラックの運転は一つ間違えば取り返しのつかないものになるので、安全に対する施策は絶対に妥協できないと改めて認識しました。

銀行と営業所回り

社長と一緒に取引先の銀行に入社のあいさつをして回りました。銀行ごとにそれぞれの色があり、接し方も大きく変わるなと感じました。また、どの銀行もとてもよくもてなしてくださったのですが、業績が悪くなるとよくあるドラマのように態度が急変するのかな、とも思いました。皆さんの期待を裏切らないように精一杯仕事をしていきたいと感じました。

また、本社近くの営業所を数か所回りました。同じ会社で似たような業務をしているにも関わらず、それぞれに特徴の違いを感じ取れ、在籍する人で雰囲気は変化するんだなと感じました。加えて、従業員400名ほどいるものの、営業所単位や事業部単位で細分化されており、全体像と細かいところの把握はやりやすそうだと感じました。

社内業務・状況把握

本社での勤務は実質一週間ほどでしたが、社長が参加するミーティングほぼすべてに招待してもらい、社内の状況の把握に努めました。大枠の情報は社長のところに集まってくるので、社内の動向を効率よくつかむことができました。

また、隙間時間では試算表や総勘定元帳 を見て、大きな乖離がある数値や数値だけでは判断できない項目はリストアップしておいて、その理由を一気に社長に聞くようにしてました。

わかったこと

良くも悪くもギャップがあった

これまでいたインターネット業界や、アトツギの先輩方から聞いていた話などから想像していたことより、プラスにもマイナスにもギャップをかんじました。

このギャップは、「社外(=産業)」に関してと「社内」に関しての2つに分けて話します。

まず、社外=産業に関するギャップです。こちらは、プラスとマイナス両方のギャップがありました。

まず、マイナスのギャップからです。自分がこれまでいたインターネット業界では成長産業であることから多くの資金が流れ込み、これから産業が形成される機運があり、多くの人が業界に対して明るい未来を抱いている印象でした。しかし、日本の人口減少は明らかで日本経済の成長もゆるやかになってきているので、運送業の金回りは渋く、稼ぐことが大変で、産業自体を明るくとらえている人は少ないです。実際に、取引先などに行っても厳しいですね、という声が多く、自分も入社してみて想像してた以上に厳しい業界だなと実感しました。
例えば、インターネット業界だとWebサイト作成で100万ほどを簡単に稼ぐことはできますが、運送業の場合は福岡から関東に運んでも15万ほど(燃料や高速代込み)にしかなりません。

しかし、プラスのギャップもあり、産業自体が出来上がっており運送業の事業モデルは非常にシンプルです。基本的にはものを運ぶだけですので、製造業のように多くの材料を仕入れ在庫を管理する必要がなく、帳簿もとてもシンプルです。(一部請求書や伝票など複雑なものはありますが….)
そのため、これまでいた業界と比べて、どのくらいの投資をすれば、どのくらいの収益が上がるかなど、事業の予測がやりやすい産業だと感じています。

次に社内の観点からです。こちらは、想像してたものよりかなり良かったです。
先輩アトツギの話を聞いていると、これまでいた社員から嫌がらせを受けたり、先代と馬が合わなかったり、といった経済合理性のない争いが起こるのかなと予想していました。まだ、出社してから2週間ほどしかたっていないからかもしれませんが、これといったよくわからない争いが起こりそうな気配は感じていません。
それどころか、日次・週次・月次で主要な数値の共有が全社でなされており、会社の雰囲気もとても明るく、上から目線な言い方になりますが非常に気持ちのいい職場だなと感じました。特に数値に関しては、スタートアップで働いていた時はあってもないようなものだったので、地方の中小企業がここまで全社的に数値に対して向き合っているのは軽い衝撃をうけました。
現社長(父)も先代(祖父)から継承する際に、苦労したとの話を聞いており、その苦労をまた起こさない組織をつくってきたのかなと感じました。
この点に関しては、率直にすごいと思ったのですが、なにをどうしたらこのような組織が作れるのか、一緒に仕事をしてみてまだつかめていません。この点に関しては、継続的に解像度を上げていきたいです。

アトツギとして最初にやること

これまで多くの成功されたアトツギにインタビューをさせて頂き、すべての方に「入社して最初に何をされましたか?」と聞いていました。自分が入社してからなりをすればいいか想像もできなかったので聞いていたのですが、回答はそれぞれ違っていて明確な答えを得ることができていませんでした。
しかし、実際に入社してからいくつかの解が見えました。

・社長についてまわること
・財務諸表を見て数値の裏側にある事象を理解すること
・社員一人一人と話すこと

この3つが解だと感じました。この3つについては長くなるのでリクエストがあれば別途記事を書こうと思います。
是非、これからアトツギとして入社する方にはこの3つを実践してほしいです!

やること

今月の目標は「見るべき箇所、数値を把握し、課題をみつける」ことを掲げていました。

利益率の向上

まず、見るべき数値は「利益率」だと判断しました。現状、1~3%の利益率になっています。売上がどれだけ大きくなっても手元に残る資金が少なければ意味がありません。同じ運送業界でも5~8%の利益率を出せているところがあり、利益率を上げるのは不可能ではない話だと思っています。

利益率を上げるためには、「直荷主の獲得」「輸送サプライチェーンの垂直統合」が鍵になってくると考えています。

https://www.suzuyo.co.jp/column/scm.html

「直荷主の獲得」に関しては、運送業では、3次受け、4次受けなどは当たり前で多重構造になっており、下請けになればなるほど頂ける運賃は小さくなります。従って、利益率を上げるためにもなるべく荷主を直に繋がれるような施策が必要になります。
また、「輸送サプライチェーンの垂直統合」に関しては、「輸送」の前後の工程までサービスを拡張することです。輸送前には仕入、在庫管理、流通加工など、輸送後には開梱設置、回収、廃棄などがあります。一気通貫して案件を獲得できると、顧客にとっても取引がシンプルになるし、こちら側としても利益率が高い案件になります。
特に輸送後に関しては、よりtoC向けの展開が必要になります。これまでもtoC向けの展開は実施したのですが、価格競争や取扱量不足により撤退してきたそうです。しかし、流通全体で見てみると輸送量は横ばいだが、取扱量は増えているそうです。つまり、toBよりtoCの輸送が伸びているということになります。アマゾンでも取扱量が累計10億を突破したそうです。

https://www.neri.or.jp/www/sp/contents/1458715036131/index.html

「直荷主の獲得」「輸送サプライチェーンの垂直統合」「T型戦略」と名付けました。

T型戦略のイメージ

業務効率化から営業強化

T型戦略を実施するためには営業を強化する必要がありますが、オフィス社員は日々の業務に追われており新たな取り組みに充てる時間が確保できていません。
そのため、まずは社内業務の効率化を図る必要があります。幸いGoogle Work Placeの導入や運行管理ツールの導入などIT化はかなり進んでいます。しかし、細かいところまで詰め切れておらず、あと少し改善を加えれば大きく業務の負担は減らせると感じています。本当にあと少しです。業務効率化がうまくいけば、時間に余裕ができるのでその分を新規営業や新しい取り組みの時間に充てていたけらと考えています。

コストダウンからの売上アップ

利益率を上げるさせるための要件をもっとシンプルにすると、「コストを下げ、売上を上げる」ことになります。
売上に関しては、自社内で完結せず、顧客にゆだねられる部分が多いです。また、営業となると、各営業所の業務、各種トラックの台数、トラックの動き、業界の構造、会社の資本や業務関係など、かなりの知識が必要になります。従って、すぐには成果を出すことが難しいと感じています。
しかし、コストダウンに関しては、自社内で完結する物事が多く、業務の効率化を図るだけでも相当のコストカットになると思います。そのため、まずは、コストダウンに注力していきたいと考えています。

2月やること

やることが、2~3年くらいの長期の話しになってしまいましたが、2月は「賃金表作成業務の削減目途を立てること」を目標にします。
賃金表とはドライバーさんの給与計算に必要なもので、多重チェック体制、手作業による入力、各システムの分断など、事務業務の中でも一番解決策が見えていない箇所になっています。この業務の改善に向けて取り組んでいきます。

まとめ

あとちょっとテコ入れすると状況が好転しそうだと感じており、やれそうなことが多くとてもワクワクしています。

p.s.
1年後振り返る時にどのくらい改善できたか測るための指標が欲しいけど設定が難しい
3月は営業関係が目標になるかな

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?