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送り出し機関から感じた大企業の在り方と日本の未来

2024年3月29日、特定技能の対象分野に「自動車運送業」が追加されました。

しかし、詳細の要件はまだ決まっておらず、不透明な部分が多くあります。

そのため、ドライバー人材を受け入れ方など具体的な方法を探るためにミャンマーの送り出し機関を巡ってきました。

ドライバー人材の受け入れについては別途レポートを作成しております。作成後に公開しますので興味のある方はそちらもご覧ください。

今回のnoteではミャンマーの送り出し機関を巡る際に感じた、「大企業の在り方」と「日本の未来」の2つについて書きます。

大企業の在り方

*ここでの大企業には明確な基準はなく、社員が多めの企業をざっくりとイメージして頂くために「大企業」という書き方にしました

前提として、ミャンマーでは(日本の)受け入れ先企業が決まる前から日本語を学び始める方が多いです。そのため、送り出し機関が受け入れ企業の紹介を行うほかに日本語教育も行っており、送り出し機関は日本語学校の側面も持っています。

今回のミャンマー滞在では、すでに受け入れを開始している送り出し機関も含めて、4つの送り出し機関を巡りました。規模は様々で小さいところから大きいところまで様々ありました。

規模が小さい送り出し機関では先生と生徒の距離がかなり近く、一人一人に寄り添った日本語教育ができてました。
その機関の日本語教育先生に心がけていることを聞いたところ「授業中は先生と生徒という立場になるけど、授業が終わったら上下の立場はなくフラットに接するようにしている」とおっしゃってました。
実際に、生徒やスタッフ・授業の雰囲気を見ていると、学校に日本語を学びに来ているという雰囲気よりも、みんなが楽しそうに時間を過ごしている雰囲気に近かったです。
これは、小規模な送り出し機関であるがゆえに、みんなの目が届く範囲で運営をされてきた結果だと感じました。

ヤンゴン中心地の屋台

規模が小さい送り出し機関を見た後に、規模が大きい送り出し機関を見に行きました。これまで、送り出し機関についてあまりいい噂を聞いてこなかったので、規模が大きい送り出し機関は画一的に教育/指導し人材を大量生産することが目的になっているのではないかと勝手な先入観を抱いてました。

しかし、今回訪れた規模の大きい送り出し機関の一つは、生徒と先生の距離が近くみんなが楽しそうにしていました。
送り出し機関のスタッフにその秘訣を聞いたところ「代表の性格にある」とおっしゃっていました。
ミャンマーに行く前に、代表とオンラインミーティングをしたのですが、オンライン上でも非常にフランクな雰囲気が伝わってくるような方でした。また、弊社メンバーが先方の代表と連絡を取り合ってる際には、話がかみ合わなかあったり、予定を忘れたりしていたのですが、「あの人なら仕方ないね」と許せる雰囲気を持った方です。
また、その代表は、定期的に日本を訪れて、技能実習生が日本で働き始めた後も、「生徒と会って話をするのは楽しいから」という理由で、生徒に合うようにしているそうです。日本での対応は日本の管理団体が行うのですが、楽しいからとの理由だけで送り出し機関が日本でのケアまで行っているのは素晴らしいと感じました。

一方で、やはり、大量生産が目的になっている送り出し機関も中にはあるそうです。本当に文字通り「日本語で仕事ができるミャンマー人という機械」を製造している感覚に近いそうです。
日本企業から大量の要望が来ており、その要望に応えるためには合理的であると思います。合理的というか、運営として「楽」といった表現が近いかもしれません。

生産する対象が「機械」だったら大量生産していても違和感を感じることはないと思いますが、対象が「人」であると違和感を感じると思います。

前置きが長くなりましたが、企業規模における会社の在り方にも同じことがいえると感じました。
会社の規模が小さいときは、全員の顔が見え一人一人に寄り添った会社経営ができると思います。しかし、規模が大きくなると、みなの顔が見えなくなり、画一的な会社運営になりがちです。規模が大きくなると一人一人に対応する時間が無くなるため、画一的に経営をした方が「楽」です。

しかし、「楽」だからという理由だけで画一的なやり方をするのではなく、規模が大きくなっても「一人一人に寄り添うやり方」をどうやったらできるかを常に考えながら行動していきたいと思いました。
非常に難しいことですができないことではないと思います。
このように、難しいけどやりたいこと、譲れないことには積極的に取り組んでいこうと感じました。

日本の未来

ミャンマーの送り出し機関を巡っていて、将来的には立場が逆になり、海外の言葉を一生懸命学んで、日本人が出稼ぎにいく時代が来るのではないかと感じました。

実際に、全てが出稼ぎ目的ではないと思いますが、ワーキングホリデーを使って海外に行く人が増えています。実際に、半年前にオークランドを訪れた際は、お土産屋さんのほとんどで日本人の方が働かれていました。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/888000/

しかし、ワーホリでの仕事探しは難しく、数十件面接に行っても決まらないことがあるそうです。

実際に、自分も留学した際は、片言の英語で仕事探しをしていたことを思い出しました。
東南アジアの方が日本に行くことと同じ構造が、日本とワーホリ許可国(カナダ、オーストリア、ニュージーランド)との間にできています。

一方、日本国内に目を向けてみると、外国籍の方による観光地(北海道や京都)、水源、森林などの土地購入が年々増えてきています。
近い将来、住みやすい地域は外国資本に奪われ、日本人は住みにくい土地しか保有できなくなっているかもしれません。

また、直近2年は為替レートによる円安が叫ばれていますが、為替レートに限らず自国と他国の財・サービスの相対価格、つまり「通貨の実力」を表す実質実効為替レートは10年ほど前から悪化しており、日本円の弱さは今に始まったことではないことが分かります。

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=71027?site=nli

今は、経済的な豊かさの違いにより、東南アジアの方が日本に来て働いてくれていますが、逆に日本人が東南アジアの企業や国々に職を求めるようになる将来が近いかもしれません。

おわりに

2度目のミャンマーでしたが、今回も学びのある訪問になりました。
現在の豊かさは永久に続くとは考えず、難しくてもやりたいと思うことに積極的に取り組んでいきたいです。

p.s.
PLUS IMPACTの新オフィスを訪問し、オンラインでしか話したことなかったメンバーとも話せました。これからも成長しそうだなと感じました。


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