雨のよく降るこの星では
雨のよく降るこの星では、海は永遠で、この星で唯一、無限を抱えているの。きみの世界ではこんなこと有り得ないのかもしれないけれど。
海の水面が煌めき続けるこの世界で良かった。
海が無くなってしまう夜があるきみの世界のこと、
「 きみがいるから 」という理由だけで旅してみたいと思うけれど、やっぱり海がいない夜は少し寂しいから、この求めてしまう気持ちに応えてくれる___?
この空っぽなこころをきみの言葉でしゃぼん玉に変えてやさしく飛ばしてくれる___?
しゃぼん玉が見えなくなったあたりで、
小さな “ それ ” が割れて、雨となるの。
虹色の膜が飛び散って、きみの世界を旅するの。
だから海がいなくて寂しいのは
その瞬間だけ、わたしだけじゃなくなる。
それが、なんだか、堪らなく愛おしくて。
たまにね、小さな子ふたりが手をつないでいるのを見かける度に「 その手がどうか離れませんように、ずっとふたりでいられますように 」って祈ってしまう。
私たちはどうかな、いつだっけ、離しちゃったね。
わたしからだっけ、きみからだっけ、
もうどうだっていいか、
蜃気楼のように曖昧なわたしたちの話、
またきみに話してしまってごめんね
それでもきみは、今でもわたしにとっての彗星
どうか私の為に一瞬の光を煌めき続けて
わたしだって流れ星になって
この色褪せた想いを煌めかせてみたいのに、
きみばかりずるいよ
まだまだ子どもなのかもしれない、
ごめんね、きみは立派な大人なのに。