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社会人にとっての資格取得の価値

私は新卒入社後数年で15以上の資格を取得しました。但し、今となってはその努力は一部を除いて無駄だったと感じています。

この記事では、社会人にとって資格取得の価値と注意点を整理して、社会人が資格とどう向き合えばよいのか解説してきたいと思います。

ちなみに、弁護士や税理士などの業務独占資格と呼ばれる、ある特定の業務を行うにあたってはその保有が必須となる資格がありますが、そういった資格はここでは扱いません。その業務を仕事にしたければ取得するしか無く、考察する余地が無いので。

私の経験

まずは私の経験を語りたいと思います。新卒の頃に以下を取得しました。

・基本情報処理技術者
・応用情報処理技術者
・ITストラテジスト
・中小企業診断士
・ファイナンシャルプランナー
・Oracle Master
・LPIC
・JAVA Programmer
・ITIL
・TOEIC
etc...

TOEICは合格は無いので良く勉強したという意味です。その他IT系(いわゆるベンダー資格)を多く取得しました。
で、この中で今でも取得して良かったと思う資格はこの2つです。ちなみにファイナンシャルプランナーは3級(一番簡単な級)です。

・中小企業診断士
・ファイナンシャルプランナー

まずは資格取得の特徴を解説し、その後、上記の結論に至った理由を1例として解説していきます。

結論

資格取得の価値と注意点を先にまとめると以下のようになります。

資格取得の価値
・昇進・転職条件を満たす
・箔がつく(若い場合 or 未経験領域)
・知識を体系的に学べる
資格取得の注意点
・”取得”自体は実務にほぼ役に立たない
・自己満足・承認欲求を満たすだけとなりがち

それぞれに付いて説明していきます。

価値.1 昇進・転職条件を満たす

昇進や、ある企業や職種への転職には資格要件がある場合があります。そういった場合には、資格を取得しないとそもそも候補者になれないので、こういうケースはウダウダ言わずに取得するしか無いですね。

価値.2 箔がつく(若い場合 or 未経験領域)

社会人経験が浅い時期というのは、経験でその人を評価することが難しいので資格のような分かりやすいものを持っていると箔をつけることができます。

転職する場合、社内で評価される場合どちらでも、資格取得したということは、知識は持っている/学ぶ姿勢は有るとして評価してもらい易いです。

また、未経験領域にチャレンジしたい場合にも資格取得は有効です。例えば、別の部署に移動したい場合やキャリアチェンジしたい場合です。

社会人経験が浅い場合と同じ理由ですが、経験では評価できない/アピールできない場合に、最低限の知識は持っていることや意欲が有るということで一定の評価を得ることができます。

価値.3 知識を体系的に学べる

大抵の場合は資格が作られると同時に知識体系も整理されています。ですので、資格取得の勉強をすることで、その領域の知識体系を理解することができます。

知識体系を理解することで、経験や学習した内容が部分であるかを識別できますし、自身が不足する知識も識別できるようになります。

そのため、経験を効率的に取り込めるようになったり、各知識のひも付きを理解することで知識を応用しやすかったり、不足知識を勉強することで隙きの無い知識を獲得するのに役立ちます。

実務だけで知識を得てきた人というのは、その会社業務においては高いパフォーマンスを発揮できるものの、他の会社に移ったり、イレギュラー対応が発生した時にうまくパフォーマンスが出せない場合があリます。

新しい領域で仕事を始める時に、資格取得の勉強をすることで知識を体系的に身に着け、成長スピードを加速させるためには有効だと思います。

注意点.1 ”取得”自体は実務にほぼ役に立たない

資格で勉強することというのは教科書的、つまりは一般論を学ぶわけですが、実際の業務はもっと複雑です。なので、資格取得で学んだ知識というのはそのままでは役に立たないことがほとんどです。

なので、資格を取得したから仕事ができると勘違いすると危ないです。あくまでもスタートラインに立っただけだと認識して、実務を通して使える知識に変えていくという捉え方のほうが正しいです。

注意点.2 自己満足・承認欲求を満たすだけになりがち

特に難しい資格を取得したときには周囲からよく見られがちです。優しい先輩などは頑張りを評価してくれるかもしれませんし、同期から羨ましがられることもあります。

それが楽しくなって、次々に資格習得をする人がいますがそれは完全に時間の無駄になるので注意が必要です。ココまで書いてきたとおり、資格取得すること自体の価値はそれほどなく、資格習得をスタートラインとして、そこから勉強したり、実務を積むことで価値が生まれてきます。

また、箔をつけるために資格取得する場合でも、一貫性無く資格を取得していると、かえって評価を落とす場合があります。資格が多すぎると、資格取得自体に興味があるだけで実務経験をおろそかにしていないかと疑われる場合があるためです。箔をつけたい部分にピンポイントで資格を取得する(もしくは見せ方を変える)のが効果的です。

また、資格をあまりにも多く取得すると、資格習得が趣味として認識されてしまい、周りの反応も「また資格取ったんだね」となってくるので自己満足・承認欲求すら満たせなくなってきます。

私の経験振り返り

ここまでの整理に基づいて私の場合について振り返りたいと思います。

資格取得していた当時、私はSIerに所属していました。まだ経験が浅かったため、箔をつける意味や、体系的に知識を理解する意味ではIT系の資格取得は一定の意味がありましたが、取得しすぎたため箔をつける意味ではあまり役に立ちませんでした。沢山取得した結果、資格取得が趣味、結局何に興味があるのかよくわからない。という評価でした。

また、そもそも取得した資格がいわゆるベンダー資格と呼ばれるものが多く、これらはかなりニッチな領域の資格だったため、体系的に理解するという意味でも効果が低かったです。

一方で中小企業診断士やファイナンシャルプランナーの取得はIT系の資格よりも役に立ちました。中小企業診断士試験では財務会計や法務も扱います。私にとっては全く未知の領域(そもそもそういった知識体系が有ることしらしらなかった)でしたので、知識体系を理解することはその後のキャリア形成において役に立ちました。

そのSIer卒業後、私はコンサルティング業界に転職するのですが、財務・会計の知識や、法務の知識は一定必要でしたので、実務に必要な知識を獲得していく際に、資格習得で得た知識体型は非常に役立ちました。

イメージとしては、資格習得で幹だけはできていたので、実務で必要な枝葉の知識をつけて行くだけで良かったという感じです。

ファイナンシャルプランナーについては実務というよりもお金や税金の考え方について学べたので、人生設計や独立時に役だったかなと。

箔をつけるという意味ではコンサルティング業界にはMBAなど持っている人も多いので役には立ちませんでしたが。そもそも実力主義の業界ですし、、、

まとめ

社会人にとっての資格との向き合い方について解説しました。

社会人経験の浅い人や、新たな領域にチャレンジする人が箔をつけたり、知識体系を学ぶには有益ですが、資格取得だけを目的にしたり、承認欲求を満たすだけに利用すると時間をムダにしてしまうことについて解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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