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永住権申請を視野に入れてカナダの田舎に住むということ

カナダBC州 バンクーバーでカレッジを卒業した私ですが、自分の学歴、職歴、年齢、現在の職業等いろんな要素から考えて、留学生やワーホリで人気のバンクーバーで自分のビザ期限内にカナダ永住権を取ることはほぼ不可能という状況から州を跨いだ引越しをしました
私が住んでいる街はその州の主要都市ではなく、その州でも僻地と言われるぐらい田舎です
北米の田舎町らしく「隣町まで車で1時間」というような感じのところです
今回その隣町まで休みを利用して行って来て、改めて「これがカナダの田舎暮らしかー」と思いました
私はBCの田舎町と現在の住んでいるエリア近辺のことしか分からないので「カナダの田舎」と書くと主語が大き過ぎるかもしれませんが、私が経験した範囲でカナダの田舎町で暮らすイメージを少しでも感じてもらえるかもということで、田舎町の生活について書いてみようと思います
ちなみにここで言う田舎という表現は人口が1万人未満レベルの地域のことです
(人口が1万人超える町は私がいるエリアから見ると都会です、、、)


移動交通手段は限られる

日本も同じで、交通手段のメインは車になります
公共交通機関はあったとしても非常に限られる(本数が少ない、曜日運行等)ので、私のように車がない人は限られた範囲での移動を余儀なくされます
私は運良く住んでいる地域に友人がいるので、都合が合えば車でいろいろと連れて行ってもらえますが、もちろん自分の好きなときに好きなところに行ける訳ではありません
Uberもないし、Evoのようなcar shareなんてサービスもありません
とりあえず車を買っちゃう人もいますし、保険料金等を考えると本当にこのエリアに根付けるか確信を持ててからしか決断できない人もいると思います
私は基本的に仕事中心の生活になので、基本の交通手段を自転車にしています
(なので行動範囲は自転車圏内)
自転車で30分かけて移動とか普通にこなしてます
日本では田舎だったとしても電車が通っていたりするので、不便かつ時間がかかったとしても、自家用車を所持しない人が最寄りの繁華街に出る手段があったりしますが、カナダの場合それさえ困難な田舎町は結構あります
車購入を厭わないタイプは田舎に気軽に引越してもそれなりに移動できると思いますが、車の購入を躊躇するタイプは事前調査をしっかりしてから引越しすることをお勧めします

携帯の電波が入らないエリアがある

基本的に住宅があるエリアはカナダの田舎でも携帯の電波は問題なく入ります
ただ、隣町まで1時間以上のような場合、その隣町までの道の途中では携帯の電波が入らないことは結構あります
サテライトサービスは飛んでいるので、Emergencyで911等の電話はかけられますが、データ通信はできないです
「Google  mapsは電波の入るエリアで検索しておく」「移動に関して調べておきたいことは電波がある間に検索しておく」等の注意が必要です
私の出身地は日本でも田舎と言われる都道府県でさらにその山奥に入ると現在住んでいるエリアと変わらないレベルの田舎町はありますが、流石に携帯電波が入らないことはないです
とは言え、そういうド田舎エリアも携帯会社がメンテナンスしてくれているから電波が入る訳で、改めて日本は便利な国だなと実感できました

お馴染みのチェーン店がないこともある

これも日本と同じ
田舎に行くと都会ではお馴染みのチェーン店がないことは多々発生します
私が住んでいる街はカナダの都会ではお馴染みのPC Oputimumが使えるブランド(Shoppers Drug Mart、Real Canadian Superstore、Loblaws等)はありません
ファストフードチェーンや銀行の支店も限られています
またチェーン店があったとしても品揃えが悪いこともあります
隣町にWalmartがありますが、バンクーバーでは生鮮食品も売っているのに、隣町の店舗にはありません
そして、物流が限定されていることもあり、物価は高めです
その分家賃が安いかというと、そうでもありません
ただ、娯楽が少ない分、出費は少ないと思います
欲しいものが簡単に手に入らない、もしくは定価で買わないといけないというようなことは多々起こるので、Amazonに頼ることが多いです
ウィンドウショッピングが好きな人にはド田舎は精神的に厳しいかもしれません

娯楽の種類が違う

都会だと娯楽の種類は多いと思います
バンクーバーだと映画、Dine out、クラブ等のCity Lifeも楽しみつつ、ハイキングやBike等のアウトドアも気軽に楽しめます
田舎に行くとアウトドアの楽しみが主流になり、映画館に行くとかオシャレなレストランを食べ歩き等は難しくなります
アウトドアやwinter sportsが好きな人や動画視聴/読書が趣味等の完全なインドア派の人であればド田舎暮らしを十分楽しめると思いますが、ある程度都会の楽しみ方が好きな人であれば長く住むのは難しく感じるかもしれません

家探しはコネ重視

バンクーバーだと部屋探しはCraigslist、KijijiもしくはJpcanadaの掲示板が主流だと思いますが、CraigslistやKijijiが活用できないエリアもあります
私が住んでいるエリアはそのあたり典型
そういうエリアで部屋を探す時はどうするかというと

  • Facebook marketplaceで探す

  • Facebookのそのエリアのコミュニティページで探す/自分を売り込む

  • 地元の人からの紹介

がメインになります
他州から部屋を探す時、一番手っ取り早いのがMarket Placeですが、上記の3つの選択肢の場合、一番主流なのが地元の人からの紹介、その次がFBのコミュニティページになるので、別の土地から知り合いもなく引越してくると家探しに苦労する人も多いです
場所によっては職場が家を紹介してくれることもあるので、知り合いもいない田舎に行く場合は先に仕事を決めて、職場に家探しを相談するのもいいかもしれません

仕事探しもコネ重視

仕事はIndeed等で募集を見つけることはできますが、小さいコミュニティであればあるほど、採用過程でコネがある人の方が強くなります
私の職場もコネで入って来ている人が多い印象です
田舎過ぎることで思った環境と違ったと感じる人も多く、離職率も高いことから現地に実際住んでいる人からその土地のメリット/デメリットも事前に説明を受けて納得して移って来てくれる人が優先されている傾向を感じます
また引越し前提で雇う場合、面接はオンライン、都会ではトライアルがあるような職種でもトライアルはありません
そういう環境下ということもあり、自社内で信頼を得ている社員から紹介受けて面接している人とオンラインから応募しただけの人を比較した場合、前者が自然と有利になるという現実はあります
そのエリアに知り合いもいない、ネットで応募してもなかなか連絡を貰えないけどどうしてもその土地で働きたい場合は旅行がてらにその土地を訪れて、仕事探ししてもいいかもしれません
その土地に根付きたい気持ちが伝わることもありますし、事前に足を運んでその地域を体験することで「思ったのと違う土地/生活スタイルだった」と引越した後に後悔するのを避けることもできるかもしれません
旅行は出費かもしれませんが、自分に合わない土地に調査なく飛び込んで、想像と違ったとまた引越しするようなことになればそれこそ大きな出費と時間の無駄になります
私自身、バンクーバーからインターネットを通じて応募しているだけだったら、今の仕事を得られたとは思えないです
実際に現地に入り、選考過程時に運良く上司と会うチャンスを得て自分をアピールできたからこそのご縁だと思ってます
絶対事前に現地入りすべきとは言いませんが、永住権狙いで数年滞在する予定であれば一度見に行っても損はないかなと思います

永住権申請条件を満たす仕事を見つけるのが難しい

最近都会では永住権を狙うのが難しいのは事実ですが、実は田舎もそんなに簡単ではありません
田舎特有の難しさとしては以下のような点があります

  • そもそも募集自体が少ない

  • 事業者も少ないので、採用された雇用主と合わなかったとき、同じ職種で別の雇用主を探す機会が限られる (最悪もう一回別エリアに引越しということも)

  • 永住権狙いでいろんな国出身の人がどんどん小さい町にも移って来ていて一部職種では競争が激しい

  • 希望者全員が雇用主からサポート受けられる訳じゃない

  • コミュニティが小さいので雇用主の出身国の人を採用したがる雇用主がいる

  • 地域によってはシーズナル採用が主流でフルタイムのJob Offerを得るのは都会より難しい

  • フルタイムで採用されても閑散期にフルタイムの条件である週30時間以上のシフトを保つのが難しい

これらは私も実際に引越して働き始めて気づいたことです
最近都会では永住権を狙うのが難しいということで、私と同じように別の州や街に引越しを検討する人もいると思いますが、田舎は田舎なりの難しさがあるので、その辺も注意した上で検討されることをお勧めします
田舎に引越せば有利と期待しない方が得策です
また、上にも書きましたが、私が紹介している内容はあくまで人口1万人未満とかのかなり小さい町になるにで、主要都市ではないけど1万人以上は人口があるというレベルの街であればまた傾向も変わると思うので、十分リサーチされることをお勧めします


私は今回引越ししたことは後悔していませんが、「今の土地で永住権申請が無理ならもう諦めよう」と思っています
田舎にいけば永住権が取りやすいなんて安易なものじゃなかったなというのが実感です
永住権への変な執着が今回の引越しでなくなったことは反対に良かったと思ってます
私はこの土地に友人もいるし、今の職場で上達できるように頑張りつつ、もし縁が繋がれば永住権申請も視野に入れるつもり、ぐらいの気持ちでいます

多分引越す先や職種、雇用主との巡り合い等で状況は変わると思いますが、永住権狙いで引越しを検討される人はあまり気負わず、自分を犠牲にし過ぎず、十分リサーチした上で自分に合った土地を見つけて行動されると良いかなと思います


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