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✨花火✨


〜夏休みだったある日の夜〜
 (7歳ぐらいかな…?)

外の賑やかな声が部屋の中まで聴こえてくる。
外では家族連れが楽しそうに花火をしていた。

そんな楽しそうな声を聞いて窓に向かう妹。
そして、その様子を窓からずっと眺めている…。


その姿に気づいた近所のおばさんが
妹に声を掛けた。
「一緒にする?」

⁡妹の暗かった顔が
一瞬でパッと明るくなり
「うん」
そう答えた。


そして、気を遣ってくれたのか
その優しいおばさんは
わたしにも声をかけてくれた。
「お姉ちゃんもおいで…」と。


少し離れた場所にいるわたしに妹は聞く。
「なみちゃんも行く?」


「うんうん…」
わたしを首を横に振った。


そして
楽しそうに出かける
そんな妹の背中を見送った…。


-おわり-

大切な“あなた”に贈る…
わたしの物語のほんの1ページのお話… 📖✏️



〜後書き…〜

楽しそうな声が聞こえると
妹はいつも窓から外を眺めていたんですよね。
そして、昭和の頃って
昼や夜に働くお母さんって
ほんとうに珍しかったんですよ。


わたしと妹は、平日の夜はいつも二人だけの
留守番でした。
8時になると二人で並んで寝るのが決まりで
夜中に母が帰ってくるのを寝ながら待つ…
そんな毎日を過ごしていました。


母からは何度も言われていました。
知らない人が来ても玄関を開けてはいけないこと。
そして、外には絶対に出てはいけないこと…。


だから、妹が「外に行きたいなあ…」
そうやって言う時は「ダメだよ!」
そんな風に答えていたと思います。

そして、部屋の中でできる遊びを一緒に考えて
寝る時間までずっと遊んでいました。


だけど、花火のときは
さすがにダメとは言えなかったですよね。
だって…
妹の気持ちがすっごく理解できたから…。


そして、その瞬間わたしは思ったんですよね。
わたしが家で留守番をしていたら
母との約束を破ったことにはならないかな…
そんな風に感じたんですよね。


だから、わたしは家で待っていました。
そして、窓を少しだけ開けて
妹が楽しそうに花火をする様子を眺めていました。


もちろん、行かないと決めたのもわたしだし
自分で決めた行動には全く後悔はないです。


だけどね
わたしとは違っていつも明るい
天真爛漫な妹には…
花火を経験させたかったんですよね…。


あっ、いつものように
最後の言葉を言わせてください😊

はい、🤗
決して怪しい者ではないですからね😎


そして
これからも書いていきます✏️

最後まで読んでくれてありがとう。
Yuzu.yuzu.. “なみ”

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