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ツナはマグロじゃない(こともある)

ときどき、「健康な食生活のためのヒント」といったような資料を翻訳させていただく機会がある。

米国や英国の栄養コンサルタントなどのプロフェッショナルの方が書いた原稿で、こんな食材がおすすめ、というなかに、「Salmon やTuna」があった。

これを「鮭やツナ」と翻訳したら、編集の方から「マグロにしては?」というご提案をいただいた。

でもこの場合、TUNA>マグロという置き換えは正しくない。理由はふたつ。

理由その1。
おそらく、これを書いた英国または米国の方が思い浮かべていたのは、マグロの切り身の刺し身やステーキではなく、「ツナ缶」だと思われるからだ。
米国でもおしゃれレストランに行けば「マグロのステーキ」は食べられるし、スーパーマーケットの鮮魚売り場に並んでいることもあるけれど、そういった鮮魚の食べ方は日本に比べて圧倒的に少数派だし、魚の切り身を調理したことのあるアメリカ人はかなり少ないのではないかと思われる。

理由その2。
ツナ缶にはいっているのはマグロとは限らない!
ツナ缶のうち、「ホワイトツナ」と呼ばれているのはAlcacore(ビンチョウマグロ)の缶詰。 一方で「ライトツナ」という名前で売られているツナ缶には、Yellowfin(キハダマグロ)、Tongol(コシナガマグロ)、BigEye(メバチマグロ)またはSkipjack(カツオ)が入っている。

マグロではなくてカツオ! なんと、カツオがツナだったなんて!

たぶん世の中ではよく知られている情報なのだと思うけれど、わたしはつい先週まで知りませんでした。。

ちなみにこの「ライトツナ」というカテゴリーのツナは、ビンチョウマグロのホワイトツナよりも魚肉の色が濃く、お値段は安め。色はダークなのにライトとはこれいかに。ちなみに、「ライトツナ」は色だけでなく味も「ホワイトツナ」よりも濃いめ、というかうまみが強いようだ。

というわけでいったいなにが「ライト」なのかよくわからないが、とにかく「ホワイトツナ」というラベルをつけてよいのはビンチョウマグロだけで、それ以外は全部「ライト」と呼ぶことになっているそうだ。

ごく当たり前だと思って気にもとめないような単語にも、知らないことがたくさんあったりするので気を抜けません!

参考:https://spoonuniversity.com/lifestyle/types-of-canned-tuna-and-their-labels-explained

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