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丸を描く

3月の満月は、「ワームムーン」と呼ばれています。

意味は「芋虫月」。

初めて呼び名を聞いた時には、芋虫と月が結び付かず、疑問に思いました。

芋虫の丸まった姿が満月に似ている?
そう思っていたら

“暖かくなって、虫たちも地面から顔を出す頃”

冬から春への変わり目である、この時期を言い表した呼び名だったと知りました。
日本でいえば「啓蟄けいちつ」と同じ。

満月の呼び名を意識する度に、海を越えた遠い国でも季節の移ろいを感じる心は共通なのだと、嬉しく感じます。

地球から見える月の姿は、毎日同じではありません。
満月でさえも、毎回全く同じ姿を見ているわけではありません。

月は約29.5日かけて地球のまわりを一周します。
月の満ち欠けは「月齢げつれい」で表し、満月を迎えた時の月齢はその半分なので、月齢14.7前後。

前後というのは、その時によって14に近かったり15に近かったり、ばらつきが見られるからです。

地球のまわりを回る月の軌道と、
太陽のまわりを回る地球の軌道と、
さらには公転する地球に合わせて月は余分に公転する必要があったりと
太陽、地球、月の位置関係から微妙な差が生まれるようです。

だから、満月になる瞬間も、その時々で異なります。
昨夜の満月の瞬間は、21時40分ごろ。

私が見上げたのは22時過ぎ。
真ん丸に見える満月も、実はほんの少し欠けている姿なのです。

ふと、昔見たテレビ番組で
「完璧な丸を作ることはできない」
と言っていたのを思い出しました。

どんなに丸に近付けても、100の丸を作ることは不可能だそうです。

少し調べてみたら、
“自然界において完璧な図形は存在しない” という内容をこちらの記事で見かけました。
興味深い記事でした。良かったらご覧ください。


ちなみに、地球でいちばん丸いものは
「鋼球」だそうです。
たしかそのテレビ番組でも、この鋼球を製作する会社にロケに出向いていた気がします。

「鋼球」とはその名の通り、「鋼(はがね)」を使って作った球のことです。一般的には、ベアリングに使われる球のことを指します。この球を、専門的には“転がり軸受用鋼球”と呼んでいます。
ベアリングは、機械の回転部分に取り付けられ、大小2つのリングの間に複数個の鋼球を挟んで回る部品です。鋼球のおかげで摩擦が少なくなり、非常になめらかに回ることができます。

鋼球は、とにかく「まるくて硬くて丈夫」であることが求められます。日夜研究が続けられた結果、今や「地球一のまるさ」を手に入れるまでに至っているのです。

株式会社 天辻鋼球製作所


昨夜の満月、綺麗でした。
月でさえも完璧な丸ではないのなら、私たちが完璧な丸を目指すのは、本当に難しいことなのだと思います。

でも、限りなく丸に近付けることはできる。

どうか多くの方の努力が、いつか実を結び、美しい丸を描けますように。


2023.03.08 朝

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