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紙からデジタルへ/ぷちキャリアチェンジの振り返り(前半戦)

どうも、初登場です。

SansanでMobile版アプリのデザインを担当しております”ゆずる”です。
今回はエディトリアル・グラフィックデザイン畑でスクスク育った紙まみれの私がUI・UXデザイナーにぷちキャリアチェンジして苦労した話を共有したく、ペンをとらせていただきました(古い)

Sansan入社時、コーポレート専属のグラフィックデザイナーとしてブランドコミュニケーション部(現:ブランドエクスペリエンス部)に配属されていた私ですが、半年後にひょんなことから、Sansan Mobile版アプリの担当デザイナーになっておりました。

印刷物をトリムマークにそって断裁するスピードが異常に早いデジタル原人だった私が、UI・UXデザイナーとして逞しく成長していこうとするも、しくじりまくる前半戦にどうぞお付き合いください。


1.未知との遭遇
「エンジニア」との出会い

私がこれまで仕事をする上で関わった人たちは、下記職種の方々でした。

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印刷業者編集カメラマンイラストレーターライターアートディレクタークライアント..etc
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ここに新しく「エンジニア」が追加されたのですが、最も密に連携をとる彼等とのコミュニケーションスキルがなんとOだったのです。

# コミュ力0Point

##会話する上での共通言語を知らなかった
-UIパーツの用語やここら辺の言葉(弊社mossanの記事)は大体耳馴染みがなく会話でつまづくことが多々あった

##簡単にできそうに見えることが実は難儀だということを知らなかった
-設計途中に軽微なものでも仕様変更があるとジェンガのようにコードが崩れていくことがある

-新しい素材を編集から途中で差し込む要望があると、全てのレイアウトのバランスが崩れてしまうエディトリアルデザイン(雑誌の誌面デザイン)をしていた時と重なる部分を感じた

##Slack上でのコミュニケーションを知らなかった
-直接会話するのももちろん大事だが、各々集中するタイミングも違う。そんな時、Slack上でのたわいもないやりとりがお互いの距離を近づけ、心理的安全性の担保に一役買う場合があることを知らずにホイホイことあるごとに席まで伺っていた。今でさえリモート業務も増えたのでわかるが、当時は席が近いのにオンラインでやりとりをするヌルッとした違和感に包まれていた

-異動直後にエンジニアの人柄などパーソナルな部分の情報が0だったのでSlack上にエンジニアの個人のツイートチャンネルがあることは早めに知っておきたかった(早く言ってよ)
個人ツイートチャンネルを発見してからエンジニアとのコミュニケーションが恐ろしく活性化した(相手の土俵にお邪魔して会話するのが良いんだきっと)

そんなポンコツだった私もエンジニアと
Color StyleやText Styleを決めたり、一緒に仕事をしていく中で徐々に対等に話せるようになっていきました。

時間が解決したと言えばそれまでなのですが、当時も今もとにかくアプリのスクショを取りまくり、デザインの引き出しを増やし、伝わらない時はスクショや画面録画を見せて会話し、つたないコミュ力を補っていました。

ぷちキャリチェンジ直後、
分からないなりにどこかに進んでる自分です

2.それ美味しいの?
「デザインガイドライン」

Mobileアプリを設計する上で必ず抑えておきたいのが下記ガイドライン。

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Human Interface Guidelines
(Appleが設けたガイドライン)
Material Design
(Googleが設けたガイドライン)
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グラフィックデザイナー「ならでは」の矜恃を無邪気にUIの世界に持ち込んだ私は、これらガイドラインを無視した細かいオーダーの数々でエンジニア達を困らせていました。
0.1mm単位のレイアウトへのこだわりは必要ではあるものの、基礎工事を疎かにした大工が建てるお家は危険ですよね。

# 当時知っておきたかったこと

##ガイドラインに準拠しながら設計すれば操作性は最低限担保されること
-実装観点もユーザ体験への配慮もない、ビジュアル重視の独自UIを提供しそうになっていた(闇)

-UIという言葉が生まれてから長年蓄え続けてきた知見がてんこ盛りの素晴らしいガイドラインを個人の価値観でカジュアルに塗り替えようとしていた(恐ろしい)

##全く新しいUIを提供する事へのコスト
-新しいUIは実装する側にもコストが生まれ、場合によるとメンテナンスのコストも加わる。オマケにお初UIに遭遇したユーザには学習コストまで発生する

-ガイドラインから激しく逸脱する際は上記コストを払ってでも達成したい体験なのか検討もしなかった

初歩の初歩でつまづいた私は、田中一光・皆川明・葛西薫・宮田識・佐藤可士和…お守りのように抱えていた職人達の本をそっと引き出しにしまい、Web上に美しくまとまっているガイドラインにお世話になることになるのでした。


3.〆

以上、5年前の話ではあるものの、プチキャリアチェンジの振り返り前半戦終了になります(悲しい過去ですね)
本当にイージーな配慮ができなかっただけの話なのですが、見知らぬドカンに入って別のステージに連れていかれたデザイナーのリアルにつまづいた箇所をつらつらと書き殴りました。次回も引き続き苦労話メインでお届けできればと思っております。
さよなら・さよなら・さよなら


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