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中村医師のこと

もう何ヶ月も前になるが、中村哲医師のドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』を観に行った。本当に素晴らしかった。
ある人物の生き様や生き方に強く心が揺さぶられる時の感覚は、とても独特のものだ。涙を流すほど感動するとともに、焦りを感じる。駆り立てられる。
自分はこのままでいいのだろうか。
強い意志や信念をもって生き抜く人は本当に美しく見える。
自分はちゃんと生きているのだろうかと問いたくなる。
居ても立っても居られなくなる。自分も全力でやらなければと思わされる。
そして、力が湧く。
人々を突き動かしていくパワー。
それを持っている人物を偉人というのだと思う。
僕にとって、中村医師はまさにそういう人物だ。

この映画を観たり、中村医師の著作を読むたびに
彼のような人物こそが国や社会に不可欠の人物なんだと心から思うと同時に、
そうした人がまた一人いなくなってしまったのだということが本当に残念だ。
彼が発する人間や社会に対する怒りや絶望の言葉と、それでも負けずに貫き通していく姿を見るたびに、人間への諦めや怒りを感じて悶々としているだけの自分に鞭が打たれる。
人間がどうしようもない存在であることなどとっくにわかっている。
このままでは滅ぶだろう。それもわかっている。
その上で、お前はどうするのだ?
何をするのだ?
偉大な人たちは、いつもそういう問いかけをする。

この映画を観た時、監督の谷津賢二さんが劇場の外で一人一人に挨拶をしていらっしゃった。僕は作品への感謝の言葉と共に、「英語版を作る予定はないんですか?」と質問した。
どうしても、この作品を世界中の人々に観てもらいたいと思ったからだ。
そう思っていたのは僕だけではなかったようだ。
その願いが叶うかもしれない。
今、下記のリンクでこの映画を世界に届けるべく支援を求めるクラウドファウンディングが行われている。
僕もささやかながら支援させていただいた。
興味を持たれた方は是非支援していただけたらと思う。
他人のために生きる。働く。今となっては見向きもされないようなそんな生き方に命を懸けて貫いた中村医師に、僕は感謝の言葉しかない。
そして、少しでも恥ずかしくないように生きていたいと思う。


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