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吉川トリコ『余命一年、男をかう』読了


こちらも友人からの薦めで読んだ1冊。話題にもなっていましたよね。

とにかく質素に、節約して資産を積み上げてきた独身アラフォーの唯。がんで余命があとわずかと知り、「どうせ死ぬんだし」と有り金でホストの男・瀬名を買うのです。

ずっと主人公の唯の目線で語られるのかなと思いきや、後半は、「男」側からの目線で語られていきました。個人的にはそこが良かった。唯の育った家庭環境の影響がとても大きいのはよく理解できますが、ちょっと唯はあまりにもこじらせすぎでは?!と突っ込みを入れたくなりました…。金で買われたホスト・瀬名のほうがよっぽどすがすがしかったです。

まぁ最後は落ち着くところに落ち着いたという感じでした。ようやく、唯もかたくなだった心が少しほぐれて、瀬名にも甘えることができたし、唯は瀬名と出会えて本当に良かったと思います。余命いくばくかの主人公を支えるけなげなパートナー、というお話ではない、ざらりと何かが残る物語でした。

とにかく、僕は唯のこじらせすぎた性格に少々ついていけなかったな、という感じ。瀬名のキャラクターに救われました。

男女でも、読み終えたあとに抱く印象がわかれそうです。他の人の読んだ感想を知りたい、そんな一冊でした!

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