ホッとできる、癒しの短編集~伊与原新『月まで三キロ』読了
たしかどこかの読書ブログで見かけたのを覚えていて、ちょうど文庫化されているのを書店で見つけて買いました。
仕事で独立して失敗、離婚して実家の親とも折り合いが悪い中年男性・両親の不仲からストレスを抱える受験生・妻に先立たれ、娘の不眠に悩む父親etc…。
人生に行き詰まったり、何か問題を抱えている人物たちが、とある出会いを通して次のステップに進む決意をしたり、一筋の光が見えたりと、ほんの少し前向きな結末を迎える短編集です。
この短編集の特徴は、すべて、「月」「アンモナイト」「雪の結晶」「山」など、自然というか理系のものがモチーフとして使われていることです。これらが無理なく物語に絡み、とっても読みやすく、優しく面白い短編集でした。
連作ではないので、どの話から読んでも大丈夫です。さらっと読みやすい短編集をお求めの方に。秋の夜長にホッとできる、ほんのり癒される1冊でした!
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