アラフォー男が学ぶシスターフッド~柚木麻子さん『らんたん』読了

少し前にサイン本を入手して読了しておりました。

柚木さん渾身の大作でした。恵泉女学園を創った河合道と、道とシスターフッドの契りを交わした一色ゆりの物語です。史実をもとにしたフィクションとのことですが、大正~昭和にかけての歴史上の人物もたくさん登場し、かなりの分量でしたがとても楽しく読み終えました。

恵泉は柚木さんの母校だそうです。大変な時代の中で、女子に学びの場を、という一心で動く道のバイタリティがすごかったです。読んだ皆さんが言っていますが、これは大河か朝ドラか、というほどの一代記でした。

この本では、「シスターフッド」を、血縁関係のない女性同士の強いつながり、としています。道とゆりとの強い絆も印象的でした。

女性読者が多いであろう柚木麻子さん。僕は『ランチのアッコちゃん』シリーズで知ってファンになりました。どの作品でも、女性同士の、なんともいえない関係や心情が見事に描かれています。アラフォー男の僕がなぜ柚木作品に惹かれるのか?とふと考えてみたところ、やはりこの女性の世界を知りたい、覗いてみたいんですね。男からはなかなか想像のつかない世界です。ま、普段妻も娘も一緒に暮らしていますが…笑

柚木作品、アッコちゃんシリーズから入って、軽いものであれば『王妃の帰還』『嘆きの美女』、ずっしり重い読み応えのものであれば『BUTTER』『ナイルパーチの女子会』がおすすめです。とにかく柚木作品にハズレなし!




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