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林さんの意欲作~『小説8050』読了

林真理子さんの最新刊『小説8050』を読了しました。NHKのあさイチでも取り上げられていたらしく、話題にもなっていて、妻も興味を持っていたので紙で買いました。

この“8050”というワード、80歳の親の年金をアテにして暮らす50歳の無職や引きこもりの子どもを指すのだそうで、今とても問題になっているのだそうです。僕は恥ずかしながらこの本で初めて知りました。

この本では、設定を50代の親と20歳前後の子どもとして、息子のいじめからの引きこもり、裁判を通して父子、夫婦、家族の関係が展開されていきます。息子をもつ父として、なんだか読んでいて試されるような、しんどいけど読むのを止められない、そんな一冊でした。とにかく続きが気になって一気読みでした。

きちんと子ども達と、妻と、向き合えているだろうか?そんなことを考えさせられる重い一冊です。

林さんといえば、雑誌連載のエッセイが大好きなんですが、ここ最近、小説はというと個人的にそんなに刺さらないものが続いていました。少し前に読んだ『愉楽にて』なんて、まるでバブルを引きずっているかのようないい大人たちの色恋沙汰でこれはファンタジーか?!と思うほど。文学賞の選考委員も務められているほどの、作家さんの中ではもはや「大御所」クラスですので、今作のような、ずっしり重い読み応えのある大作、問題作を書いてほしいと切に願います!




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