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井上弦。秋田展。集め本、全文公開。

2019年に開催した「井上弦。秋田展。」にて作成した本をnoteに公開します。

こんな人に読んでもらいたい

・撮りまとめた写真を形に残したいと思っている人
・写真に収めた思い出を大事な人に渡したいと思っている人

公開する意図。

私は、しまうまプリントのフォトブックを使用し2019年11月に100冊の本を作りました。「個展やる!本作る!!」と、はじめは本を、いちから手作りでと思っていたのですが準備期間が9ヶ月、渡したい人が多く「ちょっと…無理だ」と早々に挫折。「何かいいものはないか」と友人に聞いた時に「しまうまプリントいいよ!」と聞き「これならできるかな」と試行錯誤を重ねながら本作りをスタート。

フォトブックはFacebookとも連動しており、写真の出し入れ、編集も簡単でわかりやすい。私の場合はFacebookで投稿していた写真を基本とし雛形(集め本)を1つ作り、組み替えることによって一人一人に贈る本(贈る本))へと変えていきました。

こちらのnoteでは1.私が本を作った理由2.井上弦。秋田展。集め本、全文公開。3.本を作って、個展を開いたら…の順番で進めていきます。理由だけを見たい人、本だけ見たい人は目次からの移動をおオススメします。


1.私が本を作った理由

2016年より秋田へ移住して・・・

井上心の声:いや〜もう3年だ。秋田来てよかった〜!たくさんの人と地域に出会えてめっちゃ毎日が楽しい!けど、この出会いを何かの形で返したいなぁ〜。何か良い方法はないものか…自分だったらもらって嬉しいことってなんだろう?

ざっくり流れを4コマ風に書き出し…

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と言う事で、井上弦。本作ることにした。

好きな人に本を贈る
そんな文化があっても良いよね

加えて、ただ出会った人。好きな人に本を贈るだけも良いけど

もうちょっと何か良い案ないかなぁ〜と考えて・・・

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「まずは会場を探さなきゃっ!!」と動き出したら秋田県五城目町にある「ものかたり」のオーナーさんが「良いよ!」って言ってくれ会場が決定(ありがとうございます!!)

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好きな人を集めて本を贈る。

良いタイトルが浮かばなかったのでひねりもなく、井上弦。秋田展。を開催決定!

とりあえず日にちだけ、(2019年)11月2日・3日の2日間を借りた。

はじめのきっかけのFacebook投稿↓ 2019年2月14日に啖呵をきる

井上は今年、こんなことを思っています。④
秋田に来て3年間をまとめた場を作りたい。
知り合いが1人もいなくて、初の東北。訛り、食生活。寒さ・雪…体験したことがない環境の中、飛び込んだ田舎暮らし。ズンズン進み気づけば3年目…
秋田で出会った、たくさんの人と地域。
知り合いがいなくたって友達はできる。人には出会える。秋田弁がわからなくってノリと雰囲気でなんとかなる。塩っぱい味噌汁は薄めれば飲める(今は慣れた!)寒さは…慣れない!!日々、戦ってる!
そんな3年間を何か形にしたい!!そう思い…
絵本にすることにしましたー!!
どんな絵本になるかはまだ、全くの未知数だけど
秋田で出会ったたくさんの人と地域をありのまま
絵本にできたらと考えてます。
加えて…
井上、秋田で個展やります!
どっか素敵な場所を借りて、個展やります。
お世話になった人、みんな呼んで
ごちゃまぜに、個展します。
とりあえず、日にちだけ決めました!
11月2日(土)、3日(日)空けといて〜!!
膨大で壮大な夢物語だけど…
秋田の人と地域ならできるハズ!!
やるぞ!!!!!!!!!!!!!!

そこから試して、直してのくりかえし

まさか、自分が個展をやるとは思ってなかった。(ホント、それ!)

コンセプトってなんだろう…モヤモヤと考えちょっと長くなったけど

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こんな場所が良いな〜と文字を書き、はじまる本作り。

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文字に起こして

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見える化して(グラレコをしてもらって)偏愛マップ作って

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サンプル本(無印の絵本キット使用)を作って、書いて、直して、作ってのくり返し。

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やっとこできた本が2つ。秋田の3年間集め本(秋田での思い出をまとめた本。雛形で作った本。

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好きに人に贈る本(個人向けに贈る本。雛形を組み替えて作るオンリーワンの本)

会場準備、本作りも無事終わり開催した個展は最高だった。

3.本を作って、個展を開いたら…に当時の様子が載っていますので合わせてお読み頂けると嬉しいです。


前置きがすご〜く長くなりましたが私が本を作った理由は以上になります。ここから私が作った好きな人に本を贈る本=秋田の3年間集め本の全文を公開します。

こんな人に読んでもらいたい

・撮りまとめた写真を形に残したいと思っている人
・写真に収めた思い出を大事な人に渡したいと思っている人

2.井上弦。秋田展。集め本、全文公開。

フォトブックの本誌→補足の順に書いています。(全ページ48)

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表紙

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はじめに…
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大事なのは"ゆるさ"これは会場の目立つところにも起きましたが来てくれたみんなが「ゆずるんらしいね〜」と笑って言ってくれました。

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グラレコができる友人に描いてもらった相関図。人から人へ伸びる矢印の分だけ私の秋田の輪が広がっていきます。

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書ききれなかった人もたくさんいて、知り合いが誰もいなかった秋田でたくさんの友人ができました。繋いでもらった皆さんに感謝です。

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秋田での偏愛をマップに

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秋田に来てから(2016.8〜2019.8)の3年間Facebook場での投稿を追って自分史として書いてみた。

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自分史の中から「より思い出深い」ものを選んですごろくにしてもらった。

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ここからは2016年11月〜秋田に来ての思い出を写真と言葉でツラツラと書いてます。

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東京で知り合った友人がマラソンに参加するために秋田に来てて休日が重なったので応援しに…実際の紅葉はこれの100倍綺麗だった。

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日本酒飲んだおっちゃんたちが「ウォリヤーーー!!」と言いながら長い竹持って反対の(北と南に分かれて)おっちゃんたちに突っ込んでいく様は圧巻…勝敗がどこで決まっているのか全くわからないお祭り。

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秋田に来て初めに言われたのが「怒っているようにいってるけど、そうじゃなくて元々だから…だんだん強く聞こえると思うけど真剣に伝えようとしてるだけだからね」って社長に言われた。今でも秋田弁の理解度は良くて2割ぐらい。あとは表情と雰囲気と仕草でなんとかしてます。

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海との縁が少なかったけど、秋田の海は綺麗で静か。

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「小舟に乗って採るるんだよ」聞いた時はチンプンカンプン。水が綺麗なところではないと育たない「じゅんさい」は秋田名物。食べるだけではなく小舟に乗って摘み取りからやると尚良い。

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田んぼにも縁がなく25年を過ごしていたけど秋田は「お米のくに」いたるところに田んぼが広がり時期になると朝早くから人の姿を見かける。青々とした稲は次第に金色へと変わりたわわになった稲穂へと変わる。

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北は大館、南は横手からおばあちゃんのごはんを食べに10人が集まった。食べた分若者だからできることを手伝う。昔は当たり前だった形を集落を超えてつなぐ。

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秋田へ来て、人の最期に関わった様子。

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朝の4時に起きて車を走らせ朝日をみる。6時から朝風呂に入りにいくことって都会ではできない贅沢。日曜日の朝が一番混むのが田舎らしい。

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2017年にやったイベントでは半分以上の人が「はじめまして」だったけどこれだけの人が集まるって「力」を感じたイベントだった。

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5月にBBQ 10月はなべっこ

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人の最期に関わるとその人に関わった人やその人の人の成りが見える瞬間がある。

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おばあちゃんの誕生日には山菜を、新米の時期はお米を贈る。物流が贈り物になる瞬間って人が幸せになる瞬間だと思う。

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秋田は四季がはっきりしていてどの季節でも楽しめる

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知り合いが1人もいない土地でも自分の行動と気持ち次第で色んな土地、人に会える。角館のラーメン屋に東京の友達を呼んだり、秋田のゲストハウス同士を繋いだり「これいいな、やりたい」と自分の心が思ったことに素直になり「やるためにはどうすか?」を考える。すると溢れんばかりの笑顔と対話が生まれる。

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日本酒の原料である酒米を作っている集落にいくと360度が自然で人と動物が共存している。だけど「あと10年すれば、農家がいなくなる」そんな現状に強い思いと覚悟で取り組むちょっとおっちゃんの背中は大きく、熱く、輝いていた。

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やりたいことリストを書いた。どれも思いがある私のやりたいこと。「これやりたい」を今後も声にして口から出し頭と手と足を使って形にしていく。

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この本をつくりにあたって多大なるお力を貸してくれた秋田で活躍しているグラフィックレコーダーの平元美沙緒さん。本の制作でアドバイスをくれた竹田牧子さん。美大のみんな。会場を快く貸して頂きた、ものかたりオーナーの小熊さん。秋田に連れてきてくれたうるしさん(漆畑さん)「個展やる、本作る!」と話したら「頑張れ〜」「買う〜!」「行く〜」と井上弦を応援してくれた人、当日きてくれた人、私に関わってくれている全ての好きな人たちに心よりの感謝を。

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結果、集め本は68冊。贈る本は32冊の計100冊は2日間で完売。集め本は1冊500円で販売し贈る本は贈りたい人に手渡しをした。集め本に関しては「2冊買う」「3冊買う」と複数買う人もいたし、「これも買う!」と贈る本を贈った人も買ってくれた。贈る本は「これすご素敵な本だし1日目になくなるのはもったいない。他のみんなにみてもらいたい。個展やってる時、飾ってて!終わったら直接渡しに来て!!」とたくさんの人が当日に自分の本を手にして帰ることなくその場に置いて来てくれた人に共有していくれた。(本自体、その人への思いを書いてあるのでちょっと恥ずかしかったけど)

しまうまプリントで作った自分の本が誰かの手元に渡る。

集め本は、自分が関わった人、地域の思い出や思ったことふんだんに入れた。誰のためにでもない自分の事柄をそのまま書いた本。「こんなに作ったけど誰か買ってくれたりするのかな?」の言葉とは裏腹に「買う!」「買う!!」「買う!!!」と気づけば2日目の夕方にはなくなっていた。買ってもらえた喜びより「誰かの手に本を贈ることができた」喜びが段違いにあった。


3.本を作って、個展を開いたら…

良い感じにごちゃまぜで、愛に溢れていて、好きな人が好きなように好きな人と好きな時間を過ごす。とってもゆるい空間だった。

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秋田を紹介してくれた友人、秋田で出会った友人

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グラレコを書いてくれたママさんと、子供と姪っ子。

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1日目はよく行くコーヒー屋さんとナッツ・ドライフルーツ屋さんが出店してくれてワイワイと同世代の友達もたくさん来て楽しかった〜!

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2日目は神奈川の実家から両親と弟、兄夫婦が来てくれ遠路遥々長野からもお世話になっている人が来て、秋田入りして間もない実習生も来てくれた。朝一番で東京で活躍している地元歌手の塚本タカセさんがギターを持って颯爽と2曲歌ってくれて・・・もーわや。最高。

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2日目はちびっ子連れが多く「ここだ!」と思った時に写真を撮った。

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作った本100冊、全て渡すことができた。

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最後に…

動くことによって返せるもの。贈ることによって返せるもの。

本って良いよね〜!人の記憶にも記録にも残る。

本作り、進めて行きたなぁ…って実感した時間。

個展の振り返りをFacebookで↓

【 御礼 】
井上弦。秋田展。2日間終わりました〜!
たくさんのご来場ありがとうございます。
秋田で出会った大好きな人たちが
あたたかく、ゆる〜く、つながる瞬間がたまらなく好き。
あの場がこうしてできたのも、秋田の皆さん
井上弦に関わってくれた皆さんがいたか…
ありがとうございます。
遠方より来てくれた人、小さい家族を連れて来た人、
ふらっと来てくれた人、家族みんなで来てくれた人、
井上弦の個展を目的に、色んな人とつながる。
知ってそうで初対面な人、
知ってるけど深く話したことない人、
話してみたかった人が目の前にいる、
聞きたいことを聞くのに大人も子供も関係ない
それができるのは他でも
皆さんのあったかい人柄があってこそ…
人って本当にあたたかい。
地域って本当に素晴らしい。
秋田は最高で、最幸だ。
この3年間をどこか厳重な金庫に大事に閉まって置くのではなく毎朝、近所の人に「おはようございます〜!」と挨拶するように人から人へと伝えていきたい。
少しでも多くの方に知ってもらいたい人の可能性。
それに関わる地域と暮らし。秋田だからできることを…
秋田に関わる人が今よりちょとだけ
幸せになりますように井上弦は動いていきます。
p.s.
・今回作った本の作り方を本にします。
・好きな人に本を贈る…以上2点の進捗を可能な限り共有します。何かあればお気軽にお声かけ頂けると幸いです。

この3年間をどこか厳重な金庫に大事に閉まって置くのではなく毎朝、近所の人に「おはようございます〜!」と挨拶するように人から人へと伝えていきたい。少しでも多くの方に知ってもらいたい人の可能性。
それに関わる地域と暮らし。秋田だからできることを…
秋田に関わる人が今よりちょとだけ幸せになりますように井上弦は動いていきます。

(好きな文なので2回書いちゃう…笑)


と書いたのが2019年…あっという間の1年だった。

おかげさまでありがたいことに「私も本作ってみたい」と個展に来てくれた人から声をもらい数冊の本をしまうまプリントで一緒に作ったり。勤め先の介護施設で「最期を迎えた人の看取り本」を施設内で担当して作る機会をもらっています。

好きな人に本を贈るを、文化にしたい。

私は、しまうまプリントだったら「できる」と思う。

そのために自分の人生かけて、挑戦していきます。

最後まで読んでくれたあなたに感謝、ありがとうございます!











ありがとうございます! おいしいものを食べて、エネルギーにします!!