朝、自分と葛藤するおばあちゃんの話
誰も起きていない早朝
足早にトイレに向かう姿は
いつもの歩行器がなく前傾になって
スタスタよりセカセカとトイレに入った。
井上心の声:歩行器どうした?いってみるか?
井上:「すみませーん。大丈夫ですか?歩行器なくて…」
おばあちゃんは下を向いている
朝だから元気がない…ではなさそうだ
井上:「どうしたの?」
ババ「私もうダメだ。家さ帰って死ぬ」
!?
井上:「待って?どうした、何かあった?」
ババ「いっつも、いっつも垂れしてしまって、なんでこうなったべか。恥ずかしい、自分が自分じゃないようだ…皆さんに迷惑かけるから家に行く。そこで静かに死ぬ」
名前を呼ぶとニコっと笑い「いつもありがとね〜」「そうごめんね」と話すばあちゃんの違う表情。
言葉につまった。
今のばあちゃんに「大丈夫」は最適なのか
「そう言う時もある」は自尊心を傷つけないか
やったことは、言葉ではなく…
肩を2回軽く叩いて、ニッコリ笑ってみせた。
すると、いつもの表情に戻りニコってした。
そこから言葉をツラツラ話した。
井上:「トイレが間に合わない。汚してしまう。自分が自分じゃないようだ…トイレは早めに行きましょう。何回行ってもいいじゃない。汚れたら洗おう。ちっちゃい食べこぼしもおっきい汚れも洗えば一緒だよ。昔とは色々と多分違っている。動けなくなるところがあって忘れっぽくなってる。けどねそれも今の自分だよ。私は今のばあちゃんしか知らないけど、今のばあちゃんに会えて良かったよ」
元気づけるわけでもなく、失敗を責めることもなく、自分の気持ちを言った。
ばあちゃんは、静かに顔を上げた
ババ:「ありがとう」
その表情は自分と葛藤した顔
色んな感情が入り乱れた後に生まれた笑顔だった。
ありがとうございます! おいしいものを食べて、エネルギーにします!!