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しさく/平和

  平和  ゆずりはすみれ

あなたを思うとことばをうしなうのは
あなたが 広遠だからではない
あまりにも 近すぎて
あまりにも ここにあるから

慣れ切ってしまっているのかと
問えば
そうかもしれないし、そうでもない
抱きすくめる ときもあれば
求めて探す ときもある

誰かや何かを
かげにして 踏み付けて
それに一切も気付かずに
こうふくに 暮らすこと

それを
わたしは「平和」だと呼べない
が、
しばしば
わたしの「平和」はそう言う風に出来ている
(きづかずにいることは
(きずつかずに いることで

たくさんのいのちを踏みにじった
目に見える/見えないかたちで
それを時に「戦争」と言った
「戦争」をするのは私たちなのだけれども

戦争には終わりはあるが
平和には 終わりがない
ここに あり続けるかぎり
いのちがこの星に あり続けるかぎり

この地面に立つ
わたしもいっぽんの はしらで
何かを 支えているのなら
あなたがいい
あなたもわたしを支えてくれていたらいい

この数週間、ニュースを見る度に胸騒ぎがして、昨日から何も言葉にならない。
それでも強く思うのは、今すぐにやめて欲しいと言うこと。
侵略を、戦争を、今すぐにやめて欲しい。

去年、「平和」と言う詩を書いた。
この詩に私の言いたいことは全部書いてあるので、言葉にならない今の私の代わりに載せる。

この詩は雑誌『ozouni』2021年号の特集「みんなの平和」に寄稿、掲載された。(SNSへの掲載許可をくださった海野さん、ありがとうございます。)
みんなの平和が少しも損なわれることなく、続きますように。
(2022年2月25日)

https://www.instagram.com/p/CaY9gzIJ1pS/