読了3.オーデュボンの祈り
こんにちは。大学4年生です。
友達がマルチ商法を始めました。下記の会社らしいです。
大学1.2年生の頃は、たまに誰かが怪しいビジネス・投資始めただの、結局詐欺られただの、よく聞いていましたが、、
この年になって周りに詐欺まがいのビジネスに手を出してしまう人がいるとは、かなり衝撃的でした。悲しい、、
もちろん、本人からその話を聞いた時には「本当に大丈夫なのか?」「やめた方がいいんじゃないのか」とほのめかしました。
多分、本人も薄々「おかしい」ことに気付いていると思うんですが、どんどんビジネスに引き込まれているその心中には何があるのだろうか、、
そして、どこか「おかしい」世界観と言えば伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」ではないでしょうか!!!
(ただこちらの話は「おかしさ」はファンタジー系であって、先述した話はウシジマくん系の方向かなと思い、ニュアンスは違うかなと(笑))
ではまず、本書を読んだ感想は「緻密できれい!!」終盤で今までの物語がきれいに紡がれていくので、気持ちがよかったです。あと、やっぱり伊坂さんが好きな勧善懲悪の物語であり、すっきりしました(笑)
勧善懲悪を感じるシーンが少ない現実世界を生きているので、小説の中だけでも、悪を倒してくれる物語が個人的には好きです(笑)
往々にしてやれリアリティがないだの、その考えはおこちゃまだの、言われるかもしれませんが、気持ちがいいのです。
また、私がいいなって感じたポイントがあります。
伊藤と日比野のひと会話です。
伊藤「自分の投げた矢が絶対、的に当たっているものだと思っていてさ、それがてんで外れた地面に突き刺さっていたら、寂しいじゃないか」
日比野「そういう時はだ。落ちた場所に自分で的を書けばいいんだよ。」
この何気ないひと会話にキラッと輝く言葉を発見することがまさしく小説の一つの醍醐味かと思います。
絶対このサークルは楽しいと思ったのに。絶対このバイトは楽だと思ったのに。絶対このゼミは良いゼミだと思ったのに。こんなはずじゃなかったって考えて、自分の生き方を修正していく人生もあると思う。
でも、僕は想像と乖離していても、続けることが多い。それは、そこに新しく良い所、好きな所を見つけて、意味がある生活に自分でしていくからです。
人から見たら、時間の無駄だとか、決断力がないとか、自分に信念がないとかって言われちゃうかもしれないですけどね(笑)
とにかく(笑) うまくいかなかったことに対して自分で他の良い意味を見つける能力は人生で大切だと思うんですよ。
まさに、矢が刺さった後に的を書くように。