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「サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ― 」感想
つい先日、スペインで公務員をしている先輩が帰国してきた。
ちょうど角川武蔵野ミュージアムでダリの美術展がやっていて、
(ダリはスペイン出身だから)本場を知っている先輩と行けば面白い感想が聞けるんじゃないかなと思って一緒に行ってきた。
◾️サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―
会期:2023年12月20日(水)~2024年5月31日(金)
会場:角川武蔵野ミュージアム1階 グランドギャラリー
<2024年3月31日(日)まで>
営業時間:10:00~18:00/金・土 10:00~21:00 ※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:第1、3、5火曜日
<2024年4月1日(月)から>
営業時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は開館)
※2024年4月30日(火)は臨時開館いたします。
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
アクセス:https://kadcul.com/guide/access
展覧所要時間:1時間
URL:https://kadcul.com/event/170
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第1会場:ダリを感じる「体感型デジタルアート劇場」と「言葉の回廊」
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ダリの作品たちがデジタルアートとして体験できる空間。全部で12幕あった。
会場一面がダリの世界感で、
来場者は歩いたり壁際の階段に座ったり床に置いてあるクッションに寝転んだりと自由に鑑賞できるようになっていた。
【各幕タイトル】
第1幕 プロローグ/Prologue
第2幕 カダケス/Cadaqués
第3幕 劇場美術館/The Theatre-Museum
第4幕 偏執狂的・批判的方法/Paranoiac-Critical Method
第5幕 召喚/Evocations
第6幕 ジュエリーとメイウェスト/Jewelery and Mae West
第7幕 映画と写真/Cinema and photography
第8幕 シュルレアリスム初期/The first Surrealism
第9幕 ダブル・イメージ/Double images
第10幕 原子核神秘主義/Nuclear Mysticism
第11幕 キリストとガラ/Christ and Gala
第12幕 新しい古典/The Neoclassic
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スペインにも美術館はあるけれど、近づいたり動いたり、こんなにもデジタルと融合したものは見たことがなかったそうで先輩も感動していた。
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特に船のアートがが動く姿は圧巻だった。
ずっと音楽が流れていたので先輩に「これってスペインの音楽なんですか?」と聞いたら全部が全部そうでもないようで面白かった。
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乾いた陸地はなるほどスペインらしいと先輩の一言。
海外に疎い私はただの岩とだけ認識していたのだけれど「乾いた陸地」という表現は実際に住んで気候を知っている先輩ならではの感想のようで良かった。
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劇場を抜けると「言葉の回廊」。
ダリの自伝から抜粋した言葉を空間全体に展示。奇想天外なダリの言葉を全身で感じ取ってください。
とのことで確かにダリの言葉は突拍子もなさすぎて解釈が難しいものもいくつかあった。
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これが一番面白いと先輩と言い合ったもの。
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個人的に一番ダリらしいと感じた言葉。
教室で、
天井にある雨もりの汚点を
じっと見つめるだけでよいのだ。
わたしは現実の形象を
任意に変形することができる。
それらは、まず雲になり、
ついでに形態をもち、
つぎには事物になる。
見たものを想像の中で変形させ、新たな事物として生み出す、
ダリの創造のプロセスをうまく言葉にしたものという感じがして好きになった。
第2会場:ダリを学ぶ「永遠の謎 ダリ!ダリ?」
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ダリ生誕の地・フィゲラスにある、彼自身が設計や内装を手がけたダリ劇場美術館や当時のパリの劇場をイメージした空間で、ダリの生涯をたどることができる年表を展示しています。
ダリの年表がずらっと並んでいた。
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一番読み込んでしまったパネル。
《生涯の伴侶ガリとの出会い》
ダリの恐怖症や、支えがなければ生きていけないような繊細さに人間らしさを感じて良かった。
《記憶の固執》
あの有名なぐにゃりと曲がった時計はカマンベールチーズが溶けたものから着想を得てたった2時間で描き上げたものだということに驚いた。反機械主義のようなものを掲げ、時計は曲がっていないといけないのだ、というようなことも書いていたので(うる覚え)少し極端だな、とも思った。
偏執狂的•批判的手法
•••理性ではなく、自分の意識がコントロールできない夢や催眠術、偶然性などが注目され、それを手掛かりにした作品が作られるようになりました。
ダリは連想や妄想などをなどを取り入れた偏執狂的•批判的方法を提唱しました。
•••このような手法で、目に見える現実を超えた本物に到達できること、それは「シュルレアル=超現実」だとダりは考えていたのです。
夢や妄想を現実に。
しかも夢で見たものに着色を加えるというよりは、見たものを見たまま描いているように見えるのが面白い。
私の妄想や夢もそのまま映し出したらこんなに幻想的になったりするのかな。
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左から二つ目「目を覚ます1秒前、周囲を一匹のを蜜蜂が飛び回ったために見た夢」は先輩が一番好きな作品だそう。
虎の黄色と柘榴の赤、背景の水色が鮮やか。
(おしゃれな先輩は昔からカラフルなものが好きで、帰国の際渡すプレゼントを選んでいたらスペイン製だった、ということにもなったので、
スペインという国は先輩が行くべくして行った国なのだろうとも思った。)
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(先輩っぽいなと手に取ったらスペイン製だった塩と胡椒入れ。)
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ダリのモチーフについての解説。
「死にゆく存在にたかる蟻」を死の象徴としているところがおしゃれでかっこよかった。
色んな漫画作品や絵画などでもよく蟻がでてくるけれど、どんなモチーフで蟻が出てきているのか気になった。もしかしたらダリの着想をオマージュしているものもあるのかもしれない。
第3会場:ダリを楽しむフォトスポット
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フォトスポット。大きな卵の中に入る勇気が出なかったけど、今思うともう少し童心に戻れば良かった。
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フォトスポット2。私が一番好きになった作品。象の足を細く長くすることで強さと弱さを表しているのだそう。
番外編:角川武蔵野ミュージアム
東所沢というなんとも言えない場所にある美術館にはじめはあまり期待していなかった。
しかし敷地に一歩踏み込むと
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隈 研吾の建築(角川武蔵野ミュージアムの外観)がとにかく壮大で自分に反省した。
この隈 研吾という方は日本で一番著名とまで言われる建築家だそうで、
国立競技場
高輪ゲートウェイ駅
角川武蔵野ミュージアム
M2ビル
水/ガラス
伝統芸能伝承館森舞台
那珂川町馬頭広重美術館
石の美術館
GREAT (BAMBOO) WALL
サントリー美術館
根津美術館本館
英国アンティーク博物館 BAM鎌倉
このような日本人なら誰でも知っているような建築物を手掛けている。
ダリを見に行ったつもりが一石100鳥くらい得をした気分になったので是非訪れてこの建築物にも思いを馳せて欲しい。
他にもエディットタウン-ブックストリート
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は写真映えしていて迫力があった。
先輩は普段本を読まないらしく、当初この光景に圧倒されすぎて「私はここには相応しくない」とまで言っていたがしばらくすると一番馴染んでいた。
センス抜群で高校時代から尊敬している先輩、また日本に帰ってきたら遊んでください!
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