あの頃の感覚を
幼稚園の頃、仲良く遊んでいたあの子。
彼とはいつも一緒にドッチボールする仲間。
球を投げるのが早くていつも私と同じチームだった。
ドッチボールの試合中私はいつも彼の隣にいた。
そして彼と同じ方向を見ていて
たまにこっそりと彼の横顔も見ていた。
子供ながらバレンタインのチョコを渡したくて渡した。
そしたらその夜、彼から電話がかかってきた。
『ありがとう』だって。
きっとお母さんに言われ電話かけてたんだ。
だけど嬉しくて胸がいっぱいになった年長さんの冬。
彼からの電話だと親から取り次いでもらい
受話器を耳に当てた瞬間を今でも覚えてる。
忘れもしないあの頃の気持ち。
また明日も同じチームでドッチボールやりたい。
幼稚園で彼と一緒にドッチボールする時間が
何より好きだった。
歳を重ねるごとに、恋で傷つくたびに
人を好きになることや、人と距離を縮めることに
臆病になる。
だけど人を好きになる感覚って
あの頃のあの感覚でいいんだよね。
その感覚を取り戻せたらなあ。
人に興味を持ち、
人の強さと優しさに触れて、人を好きになる。
幼かったあの頃の私が喜ぶような、そんな恋をしよう。
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