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虎に翼 第68回 新聞記事の見出しから

【尊属敬重は人類普遍の原理(神保判事語る)】
まさに普遍や原理とやらを仕事でとっさにどう訳すか、自分の反射神経をいつも振り返って、死ぬほどあとから嫌悪する私はね。概念を単語で訳せば済む話なんだけど、いきなり「原理」とか「原理主義」とか訳したところで、そもそも自分がどこまで理解できているのかわからないことばは、果たしてそのまま誰か(おもに学生さんたちです。私のバイト仕事の場合)に丸投げしてよいのか、と。そこから気になってしょうがない。おっと、個人的な話はおくにしても。

「際時法(戦争中の尊属殺まで遡って裁けるか)」だけではなく「東大と中大でスト学生処分」とか、気になる見出しが並んでいる。時代のリアルを撮影や役者の演技だけではなく、こういう小道具(美術チームのレベルの高さにいつも感動する)→新聞やラジオの報道で生々しく伝える演出がすばらしすぎる。同じ昭和25年に大きく社会問題として人々の意識にあがったはずの出来事を、この記事の再現で伝えてくれる。

→尊属敬重 毒親や虐待やモラハラのトラウマに苦しむ人に声を上げることさえ許さない、というハラスメント用語に見えてしまう。が、始末に負えないのは、理不尽に苦しめられた弱者も成人すると自動的に「尊」のポジションに立たされるってこと。

これ、記事をスクショ(というのか)で眺めたときにメモしたのですが、星長官や穂高先生が寅子にとって「心の父」であり、今週はたてつづけに二人の父との別れ、そして決別。強い言い方をするなら「父殺し」という大きなイベントを、家裁で寅子が手がけたケースとあわせて浮き彫りにしてみせる物語でもありました。しかも来週の予告編では、寅子自身が尊属の「尊」としての試練に立たされるらしい、と仄めかしている。うおーーーーーっ。

#テレビドラマ感想文

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