【ボランティア編】先入観を一度脇に置くと、視野が広がることもある。その2
そもそも、世の中の皆様はボランティアに対して、
どのようなイメージをお持ちなのだろうか。
わたしは、当時、残念ながら良い印象を持っていなかった。
まず、
他者に対する親切心や手助けの行為は、
多少なりとも本人のエゴや自己満足や、
あるいは、憐れみという名のマウンティングが存在して成り立っているのでは、
要は偽善ではないのか、
ということが考えのベースにあった。
そう思いながらも、当時のわたしは、自分のためにどう生きればいいのか、全く分からず、ただ、欲望のままに他者に手を差し伸べ、
その後、また偽善をやってしまったと、
自己嫌悪に陥ることを繰り返していた。
その観点からいくと、ボランティアは、どうしてもエゴの塊の集団に見えてしまっていて、
失礼な話だが、正直アレルギーを持っていた。
だが、この時のわたしは、その先入観は一旦脇に置くことにして、
思い切ってボランティアの世界に飛び込んでみることにしてみたのだ。
完全に未知の世界への冒険だった。
そして、今はコロナで参加は出来ていないが、所属させていただいている組織の代表とお話させていただいたときに、
ボランティアに対する印象は180度変わってしまった。
女性の方が運営されているのだが、
まず所属にあたり、面談があった。
わたしはずっと疑問だったことを、この時にぶつけた。
どういう思いで、どうして、ボランティアをやっているのか。
そして、わたしも、なぜ参加しようと思ったのかをお伝えした。
わたしは、今回、自分の為に参加する。
コミュニケーション能力の向上、人脈の形成、視野を広げるため。
なので、こんな奴がボランティアをやっていいのかと。
彼女の回答は非常に分かりやすいものだった。
端的にまとめると、
「私はこの地域に、安心して住むためにやっている」
ということだった。
外国籍の子供たちは、家庭は母国語、学校は日本語という特殊な環境で育っている。
この子たちのケアが出来なければ、将来どうなるかなんて、
明白でしょ?
というのだ。
わたしはこの話を聞いたときに、自分はなんて視野が狭いんだろうと本当に心の底から思った。
彼女の理念にエゴや憐れみなどは一切ない。
純粋な危機感だけがそこにあったのだ。
なので、わたしの参加理由を聞いても、
「大歓迎です、参加してください」
の一言で終わってしまった。
自分たちが暮らしている社会について、
地域について、住環境について、
わたしはそれまで、あまり関心がなかった。
というか、関心がなかったことに、この時初めて気が付いた。
そして同時にこうも思った。
もしかして、自分が生きる環境というのは、
自分の手で変化させることができるのではないか。
少しかもだけど。
もともと、小さいなことをコツコツと積み上げていくことしか、
それしか強みのないわたしだ。
能力なんて本当にないし、センスもない。
ただ、日々、積み重ねる、淡々と。
それしかできない。
しかしながら、始めるなら早い方がいいことだけは、よく知っている。
やってみよう、今からでも遅くはない。
そういう風に思えるようになったのは、
この女性に出会ったときからだった。
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