またつまらぬごみを増やしてしまった…

 広島に住んでいると一度は耳にする(?)平和記念公園折り鶴問題(仮称)。要は、平和記念公園に毎年いくつもの千羽鶴が届けられるが、処分しようにもしにくく困ってしまったということだ。
 私の場合は、もっとちっちゃい、たった二羽の折り鶴のことだが、最悪の場合、めっちゃはずいやつになる恐れもある、重大な事件を引き起こしてしまったのだ――

 私はもともと幻覚体質?らしく、幻覚をよく見るのだが、特に病院などの緊張を強いられる空間に寝泊まりしているともう毎晩のように見るのだが、久しぶりにはっきりしたのを見て(影だったが)得意になって(というのも変な話だが)看護師さんに報告したのだ。そう、お分かりの通り私は入院している。そして、前回と違うところはWi-Fiを味方につけていることだ!ああ、なんと幸せなことよ。即刻”誰かとつながれる”のは!それともう一つ、違うところがあった。それは、目標があること。目標は、「千羽鶴二分の一(要は500羽)」を作ること、に決めた。

 さて、ここで話は前日の午後にさかのぼる。私にはどうしても仲良くなりたいバーさんがいた……こういうと誤解を生じそうだが、何のことはない、同室のバーさんたち、というだけなのだが。そのうちの一人がたまたまリハビリ室にいらっしゃってしかも休憩中だったから、いろいろ迷惑をおかけしました、の意味で折り鶴を手渡すと、なにこれ?とのこと。突き返さんばかりの勢いだった。すると、陣内智則さん似のリハビリの先生がスッと近づいてきて、何事かささやくと、急にバーさんは涙ぐみ、折り鶴を突き返すどころかありがたい仏像でも拝むかのように大事そうに両手で受け取り、深々と頭を下げ、「ありがとう」といったのだ。一体似非陣内さんはどれだけ「かわいそうな子」を作り上げ、あのバーさんに吹き込んだのだろうか。まあでも、それだけだったらただのいい話か、私の自慢話で終わるだろうが、そこで終わらないのが私の私たるゆえんだろう。


 その日は似非陣内さん(バーさんのリハビリの先生)のせいで(おかげで?)丸く収まったのだが。次の日、つまり今日。「得意になっ」て幻覚の報告をした後、ふと気づいた。あれ・・・?隣のベッドのバーさん、朝早くから毎日体操してなかったか…?と。妙に行動的な私は隣のベッドのカーテンのところへ。すると、半分ほどカーテンが開いていて、「いつでもいらっしゃい」状態に。私は吸い込まれるように入っていく。すると、「昨日はありがとうねぇ」と先手を取られ、「大事に飾っとるよ」と言われてしまう。後攻になると弱い私は「はあ・・・」としか言えず、「幻覚見たって言ってもバーさんの影におびえたわけじゃないからね」とも言えず、いや言ったとて聞いてくれるかは問題だが、とりあえず手に持っていた二羽目の弦を置いて帰ったのだったが、似非陣内が言った内容が内容だった場合、「寂しさが高じて」とか、「私があげた折り鶴を捨ててないか確認したくて」カーテンの向こうに行ったと思われる気がする。しかも、場合によっては幻覚の報告だけはきかれていた恐れもあって、そうなればさらに厄介だ。「こいつ、幻覚の話をして鶴持ってきやがるなんて、マウントとったつもりか…?」とか思われそうな気がする。なんだか(宮下草凪の)草薙くんみたいになってしまったしここらへんでお開きに。

 さて、ここで話は前日の午後にさかのぼる。私にはどうしても仲良くなりたいバアさんがいた……こういうと誤解を生じそうだが、何のことはない、同室のばあさんたち、というだけなのだが。そのうちの一人がたまたまリハビリ室にいらして休憩中だったから、いろいろ迷惑をおかけしました、の意味で折り鶴を手渡すと、なにこれ?とのこと。すると、陣内智則さん似のリハビリの先生がスッと近づいてきて、何事かささやくと、急にばあさんは泣きだし、折り鶴を突き返すどころかありがたい仏像でも拝むかのように大事そうに両手で受け取り、深々と頭を下げ、「ありがとう」といったのだ。一体似非陣内さんはどれだけ「かわいそうな子」を作り上げ、あのバーさんに吹き込んだのだろうか。まあでも、それだけだったらただのいい話か、私の自慢話で終わるだろうが、そこで終わらないのが私の私たるゆえんだろう。

 その日は似非陣内さん(バーさんのリハビリの先生)のせいで(おかげで?)丸く収まったのだが。次の日、つまり今日。「得意になっ」て幻覚の報告をした後、ふと気づいた。あれ・・・?隣のベッドのバーさん、朝早くから毎日体操してなかったか…?と。妙に行動的な私は隣のベッドのカーテンのところへ。すると、半分ほどカーテンが開いていて、「いつでもいらっしゃい」状態に。私は吸い込まれるように入っていく。すると、「昨日はありがとうねぇ」と先手を取られ、「大事に飾っとるよ」と言われてしまう。後攻になると弱い私は「はあ・・・」としか言えず、「幻覚見たって言ってもバーさんの影におびえたわけじゃないからね」とも言えず、いや言ったとて聞いてくれるかは問題だが、とりあえず手に持っていた二羽目の弦を置いて帰ったのだったが、似非陣内が言った内容が内容だった場合、「寂しさが高じて」とか、「私があげた折り鶴を捨ててないか確認したくて」カーテンの向こうに行ったと思われる気がする。しかも、場合によっては幻覚の報告だけはきかれていた恐れもあって、そうなればさらに厄介だ。「こいつ、幻覚の話をして鶴持ってきやがるなんて、マウントとったつもりか…?」とか思われそうな気がする。なんだか(宮下草薙の)草薙くんみたいになってしまったし(「もうええわ」という宮下くんの声も聞こえてきそうだ)ここらへんでお開きに。


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