「白蛇伝」について(2)

 それでは、お待ちかね?「白娘子永鎮雷峰塔」(以下、「白娘子」と略す)の内容に入っていきたい。

【あらすじ】幼い時に両親を亡くした許宣は姉夫婦に引き取られ、叔父(李将仕)の経営する生薬店で番頭をしていた。清明節に両親の墓参りに出かけた帰りに雨に降られたが、知り合いが船に乗せてくれた。少し行ったところで侍女(青青)を連れた喪服の美女(白娘子)にであい、同行することに。船を下りて、一度は別れたものの、許宣は李将仕の店から借りた傘も白娘子に貸してしまう。翌日、傘を返したいという彼女の家に行くが、ごちそうがふるまわれるのみ。その翌日に傘は返してもらえたが、結婚を申し込まれ、銀をもたされ返される。姉夫婦に話すと、義兄(李募事)がその銀が盗品だと気づき出頭。蘇州に流されることになった許宣はしかし、李募事が「銀泥棒を捕まえた」報酬をそのまま彼にやったり、あちこちに働きかけてやったりしたおかげで、王主人という人のもとで不自由なく暮らすことができていた。ある日、許宣の居場所を探り当てた白娘子が王主人の家を「言い訳」をしに訪ねてきた。初めは白娘子のことを妖怪と恐れ、部屋にあげようとすらしていなかった許宣も、次第に白娘子にほだされ、「言い訳」を信じ元の関係に戻る。二月の半ばにお寺へ臥仏を見に行こうと白娘子を誘った許宣は思いがけず反対され仕方なく一人で行くことになった。その帰りに雲游の道士に声をかけられ、話を聞くと許宣には妖怪がまとわりついているという。妖怪退治の方法を教わって帰宅し、さっそく試してみたが、白娘子を怒らせただけで終わる。翌日、白娘子は青青に留守をまかせ、許仙に前日の場所へ案内させ、道士に何か術をかけた。道士は白娘子の術で空中につりさげられ、術を解かれたとたんに逃げ出した。四月の始めに、お釈迦様の誕生日の祭りがあり、白娘子から渡されたはやりの服を着て出かけたところ、これも盗品であり、またも流罪になる許宣。今度も李募事が動いてくれ、流された先の鎮江では李募事の義兄弟の李克用が経営している薬屋で働かせてもらう。同僚と飲んだ帰りに許宣はまた白娘子と再会し、結局は許してしまう。それから何か月か経って、李克用の誕生日会に呼ばれた白娘子は用を足そうとしたところを覗かれそうになり、正体を見せる。帰宅してから、李克用が覗いてきたことを訴え、独立しようと許宣に提案。ふたりの店はうまくいった。七月七日に金山寺に行った許宣は、白娘子と交わした、方丈に入らないこと、僧と話をしないこと、行ったらすぐ帰ってくること、という約束を破って方丈の中へ。するとそこには徳の高い和尚がおり、あっという間に方丈から出ていってしまった許宣を追って外へ出てみると、向かい風にもかかわらず猛スピードでこちらに向かってくる船があり、船の上には白娘子と青青がいた。法海が一喝すると二人は舟をひっくり返して逃げた。おびえた許宣は次の日、李克用に相談に行き、彼の家に住まわせてもらうことに。二か月後恩赦があって姉夫婦の家に帰ると、そこにはすでに白娘子と青青がいて、今まで通り接してくれたら何もしないが他の心を生じるのであればこのまちを血の海に沈めるという。おびえた許宣が姉の部屋に行き、白娘子の様子を見に行った李募事が偶然白娘子の正体を見、翌日許宣にこっそり蛇退治の先生を紹介してくれる。しかし白蛇のあまりの大きさに何もできず先生はすごすごと帰って来てしまう。別居したらどうかと義兄がもたせてくれた別荘の証文をなくし、法海を訪ねても不在だったため一度は自殺を考えるが、助けてくれたのは旅から戻って来たばかりの法海だった。法海は鉢を許宣に渡し、これを白娘子に被せて力いっぱい押さえつけよという。帰宅後白娘子に鉢を被せていると、法海もやってきて、許宣の迷いを解いてくれ、さらに羯諦という神将を呼び出し、羯諦が探しだした青青と白娘子を雷峰塔の下に封印した。許宣は法海の弟子になった。

 どうだろうか?皆さまが東映の「白蛇伝」(1958)をご存じなら、比べてみるのも面白いかもしれない。



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