月子の世界の月を探す旅 1
プロローグ 月子からの挨拶
わたくしはこの本の進行役の環月子(たまきつきこ)と申します。
苗字の「環」は、ぐるぐる回る、巡る、囲むなどの意味があるので、月が巡る、月に掛かる金の輪など。そんなイメージでしょうか。
「環」には他にもいくつかの意味があります。例えば古代の装身具の一種で、玉や鈴などを紐に通した腕飾りとか、弓を射るときに左のひじを覆う筒形の道具で、のちの弓籠手などの意味も持つもの、など。
ほらね、なんだか弓が出てきちゃうんです。弓は三日月に似ていて、月のイメージもあります。そしてこの主人公が長い間追い続けている「秦一族」の日本に渡ってきたリーダーの名前が「弓月君」。
ここにも月と弓があります。
環はそんなイメージからつけたのですが、下の名前である月子に関して。
この本を書いている遊月海央にも「月」があるように、とにかく作家も月子も月は大好きな存在なのです。
月の満ち欠け。新月や満月。月のサイクルとともに生きる。
遊月は中学時代の愛読書「ギリシャ神話」の中でも、月の女神のセレーネ、のちに夜の女神アルテミスと同一視されるようになりましたが、このセレーネ改めアルテミスが大好きでした。
赤毛のアンが夜寝る前に神に祈るように、毎晩窓を開けて(出ていなくてもいい)月に向かって「アルテミス様」と呼びかけていたとか。
そこ!厨二病とか言わない!
この「環月子」のその他の設定ですが、。
当然創作上の人物です。つまり遊月と同一人物ではないとします。
ですが、この本で語られる旅のレポートの内容全ては、実際に遊月が体験したものです。作者の取材を忠実に表現していると考えてください。
旅行スケジュールや体験を創作にするのが難しいというのが真相です(笑)
本当はタイトルを「遊月のスピリチュアル旅行記」にしようと思っていたのですが、旅を通して思ったことや、時には自分の体験と照らし合わせて思考していく中で、プライベートをすべて曝け出すのも問題があると思いました。
個人的な体験を赤裸々に語るのも恥ずかしいですし、何より登場人物も実在するしてしまうわけですから、傷つけたり、不要な迷惑をかけちゃうことになるかな、と。
だとしたら、家族構成、育ってきた環境、現在の職業などをオリジナルにしようと思いました。
本を書く上で、実際の乗り物や実在する場所、そこで体験したことなどは、そこに登場する個人情報を侵食しない限りはセーフだと思うのです。
そして、旅で体験したことがどうやら面白いらしく、「お話会を開いてください」とリクエストをもらうほどなので。
それは書いておかないともったいないかな、と。
そんなこんなで、月子さんなる人物を作りました。
実は遊月には、若干サイコメトリー能力があるようで、その場所や物に触れると、そこにかつていた人や持ち主などの記憶が、どーーっと入ってくる。
真実かどうか確認できない話もある中で、実在する遊月が、「こういうことがここで起きました!」と断言するのもやっぱり問題あるかな、と。
それに、サイコメトリーがある!と言い切るのって結構リスキーですしね。
よって、「サイコメトリー能力がある」とキッパリ設定した月子さんが、その場所で受け取った物語を旅行好きな友人に話していく形で、ファンタジーの物語として書いちゃおーっとなりました。
そんな感じです。
説明を読んでハテナ?となった方は、とりあえず、
「月子という人物が旅をして、そこでサイコメトリーしたことを、旅が好きでファンタジー好きな親友に、旅行談として語る物語」なんだと思って読んでください。
親友に名前はありません。
読んだ方ご自身が、「お話を聞いている友人」だと思って読んで欲しいから。
混乱しないように、月子が語る物語は別の章に独立して書いておくので。
月子の「不思議な旅行レポート」と、「パワスポや神社、遺跡で月子が受け取った、誰も知らないファンタジー要素満載の誰かの人生の物語」を、二重に楽しんでくださいね。
ではでは、さっそくはじめていきましょう。
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