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痛みも、喜びも、在り方も。わかりあえないからこそ、一緒に。

また、素敵な本に出会ってしまった…。。
読み終えたあと、色々考えたので忘れないうちに書いておきたく、
とりあえずキーボードをカチカチと。

読んだ本は、今年の本屋大賞9位にランクインした『川のほとりに立つ者は』。

あらすじ

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

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結構自分は本を読む時に、あらすじを見ず表紙だけ見て読むことが多い。

今回もあらすじは全然読まず読んだのですが、
良い意味で予想と違って、良い出会いだ…と感動しました😭

最初は、表紙からなんとなく綺麗な物語的なものを想定し、
バレリーナの女の子が白鳥と一緒に頑張っていく話かな?🦢」と、
超絶雑な予想をしてました。

結果、バレリーナは出てきません。
なんなら白鳥も出てきません。
期待させてすみません。(?)

読んだ感想


「当たり前」という考え方を、真正面からぶった切られた。

もう、読んだ一番の感想としては、これですね。

ほんと気持ちよく、視界を良好にしてくれました。

この話に登場する主要人物たちは、それぞれ何かが出来て何かが出来ない。
物語だからすごくわかりやすく書いてくれてるけど、
実際の日常生活でも、きっとみんなそうで。
大なり小なり、不安や苦手を抱えながら生きている。

そこに、きっと本当の意味での理解は存在しないんだと。


今目の前にいる人はどんな人か?
何が得意で、何が出来なくて、何に喜んで、何に悲しむのか。

身近な人だったら、もしかしたらわかるかもしれない。
でも、それは自分が知るその人の一部であって、
自分が見たい部分だけを見ているだけかもしれなくて。

すべてを理解することは出来ないし、
する必要もない。

痛みも、喜びも、その人の在り方も、
わかりあえないからこそ、一緒に話をして、
時にはぶつかりあって。

そうやって、「一人ずつ」という関係を「二人」にしていくんだろうなあ、と。

作中、主人公のイカした友人"篠ちゃん"(推しメン)がこんなことを言う。

本当の自分なんていない。
気分やその時のコンディションによって、
何をして、何をしないかなんて決まる。
頑張る自分も、怠惰な自分も、全部ただの自分だよ。
(ザクっとなので、このまんまではないです)

ほんとそうで、「この人はこういう人」って、
勝手にカテゴライズされたくないし、自分もしちゃいけない。

人間なんだから。

その時その時で、きちんと向き合うことが大事😌

最後に

自分の当たり前は、自分だけのもの。
決して相手に求めてはいけないし、押し付けちゃいけない。
むしろ、当たり前と思っちゃいけない。
それは、それぞれが持つ特性であって。

この本を読んで、改めて強く思ったことです。

あとは、必要以上に相手を理解しようとしない!!w

それぞれが気持ちよくコミュニケーションできるその距離感をきちんと測れることこそが、大人になることなのだな〜と。

いやあ、良き本でした!
おすすめです。

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