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推しがあなたの手を引いて♪

さてさてさてさて〜、セミファイナルが近付いて参りました。昨晩は台風前の月を眺めつつ、クラシックを聴く、とは・・となぜか根源的な問いに思いを馳せておりました。

普段クラシック音楽に触れない人にとっては、コンサートもコンクールもどこか遠い存在です。私が飲めないワインに今ひとつ興味を持てないのと同じような感覚でありましょう。憧れはあるものの、ぼんやり遠い蜃気楼。

そういったところから、人はどうやってクラシックという大海原に恐る恐る、あるいはざぶざぶと足を踏み入れていくのか。それはやはり、扉を開いてくれる推しの存在のように思います。

演奏家

まずは演奏家。これは以前に十分語りましたし、公式レポーターの寿すばるさんカイネ♪あのんさんのページを覗けば、いかに推しが人生を広め、また深めてくれているかの、リアルタイムかつ劇的な現状を目撃することができます。

曲(または作曲家)

推しは演奏家に限りません。自分にとっての導入となる一曲、またはその作曲家。小学生の頃の下校の時間に流れていた「別れの曲」。あれはショパンという人の曲だったのか。じゃあショパンの別の曲も聴いてみよう・・。あ、こんなに素敵な曲が他にもあるのね。ショパン、好きかも・・。

紹介者

意外に大切なのが、紹介者です。気になっている無理めな相手にデートに誘われたら、たとえそれがムエタイ大会だろうが微生物同好会だろうが二つ返事で行くでしょうが、それがたまたまクラシックのコンサートだった場合。その時に聴いたシューマンがすごく良かった。その人と次に会う時お話するために、もう少し聴いてみようかしら・・。こんな素敵な導入が他にあろうか。否。
お父さんがよく聴いていた曲、友人が発表会で弾いた曲なども、素敵な紹介者の存在によるきっかけと言えるでしょう。

でも正直デートきっかけが、いいよね。そんなこと言っても誘ってくれないしな、と思っているそこのあなた。想い人がいるのなら、あなたが誘えばいいのですよ。セミファイナルは8月14日、日曜日。第一生命ホールです。

ともあれこの、演奏家、曲(または作曲家)、紹介者、この黄金トリオのどこかに存在する推しの存在が、人をクラシック音楽の海原に誘うということが言えそうです。いずれの要素においても思い出成分は強い味方です。

今当たり前のようにクラッシック海をたゆたっている人にも、思い起こせばきっと、そんな存在がいたはずなのです。そしてもしその存在がなかったら、あなたの人生は今と全く違ったものになっていたのではないでしょうか。そういった意味では、今までそう思っていなかったとしても、それはあなたのその時点での「推し」なのでしょう。推しに手を引かれて、あなたの人生は知らず知らずに新たな局面へと導かれていたのですね。人生の神秘は何気ない日常に散りばめられています。

私もまだまだ波打ち際あたりでちゃぷちゃぷしておりますので、普段のコンサートでは、「何の感想も持てない」という曲に出会うこともしばしば。そんな時には「すごいね〜」「きれいね〜」以上の言葉が浮かびません。でもその時々の推しピアニストを追ううちに、少しずつ好きな曲が増えていき、作曲家のことや曲が作られた背景なども調べ始めたりして、いつの間にか「聴く力」みたいなものがついて来ているのかな、と思うことがあります。昔はあんなにつまらないと思っていた曲にも、面白さを感じ始めたりすることにふと気づいたりもするのです。決して年齢を重ねたせいとかではないです。

このピティナ特級が、新たな曲や演奏家との出会いとなり、新たな扉を開くきっかけとなれれば、そして我々公式レポーターが「紹介者」として少しでもお力になれることがあれば、これ以上の喜びはありません。

では次回は、セミファイナルの曲の中から、出会いのきっかけとなりそうな曲についてご紹介したいと思います!

ピティナ特級 セミファイナル

日時:8月14日(日)午前の部10:30開演 午後の部14:45開演(予定)
会場:第一生命ホール

セミファイナル直前の8月13日(土)10:00~は、「セミファイナリスト出演!クライマックス見どころ大紹介」の配信も予定されています。
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(画像提供:ピティナ)