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「光る君へ」ファンミーティング(1):「わたし」のための物語

先日10年ぶりにあった友人に、「その全能感、変わってないねぇ」と言われた。ここで言う「全能」は、「何でもできる」という全能ではない。「私はほぼ何もできないが、おおかたのことは、私の認知を超えた何かがよしなにやってくれる」という、いわば無敵の無能感だ。

図書館も、スーパーも、家も、茶室も、山も、海も、「私のためにすみませんね」という気持ちで利用したり、眺めたり、味わったりしている。もちろん、これは他者を排除するものではない。ある意味では、すべての人が全能で、かつ無能なのだ。その発露が、私はやや偉そうで、暑苦しいのだろう。

なので私は大河ドラマ「光る君へ」も、私のためにやって頂いたと思っている。昨年、次の大河が紫式部になったと聞いた時に、私が手がける「ひとうたの茶席」の書家、根本知さんが文字を書いてくれればいいな、と思った。そのうちどなたかが根本さんをNHKにご紹介くださり、まずは書道指導から、その後題字を、根本さんがご自身の力で獲得した。

日曜8時に、冬野ユミさん作曲のメインテーマが流れ、タイトルバックの花が咲き、反田恭平さんのピアノの上に、あの美しい題字がばーんと出るたびに毎度うるっとし、同時に「ありがとね!私のために」と毎度思う。

3/18のファンミーティングにはきっと、「これは私のための物語」と強く思う人々が集ったのだと思う。

たくさんの人が「これは私のためのものだ」と思える創作は、受け取った人の中でその先の物語を描き始める。

続きはこちら!大石先生や冬野先生とお会いしましたよ!