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フィボナッチ数列は無理数とお友達!?


1 フィボナッチ数列とは

1,1,2,3,5,8,13,21,・・・のように、隣り合う2項の和が、その次の項の数になっている数列です。また、1番目と2番目の項の数は、両方とも1と決まっています。

例えば、
1番目の項の「1」と、2番目の項の「1」を足すと、3番目の項の「2」となります。

2番目の項の「1」と、3番目の項の「2」を足すと、4番目の項の「3」となります。

2 無理数とは

 無理数とは、$${\sqrt{2}}$$や$${\sqrt{5}}$$のような、分数の形で表すことができない数です。

3 フィボナッチ数列の一般項

もう一度、フィボナッチ数列を確認します。

1,1,2,3,5,8,13,21,・・・

数学では、添え字(文字の右下に書いてある数字)を使って、数列の何番目の数かを表します。

$${a_1=1}$$ ※フィボナッチ数列の1番目の数
$${a_2=1}$$ ※フィボナッチ数列の2番目の数
$${a_3=2}$$ ※フィボナッチ数列の3番目の数
$${a_4=3}$$ ※フィボナッチ数列の4番目の数

では、読者の皆様に質問です。

フィボナッチ数列の$${n}$$番目の項の数(一般項)は、$${n}$$を使ってどのように表されるでしょうか?



答えは、次の通りです。

フィボナッチ数列の一般項

 証明は、記事末の参考に示します。

 例えば、この式に$${n=4}$$を代入すると、

 $${a_4=3}$$なので、正しいですね。

3 フィボナッチ数列の不思議さ

 フィボナッチ数列の各項は、すべて自然数です。
 分数や無理数は一切ありません。

 それにも関わらず、一般項を求めようとすると、分数や無理数が登場します。

4 最後に

 このように見ると、分数や無理数の登場は必然ですね。
 フィボナッチ数列は、ウサギのつがいから連想されるように、日常生活の中から生まれやすい数列です。

 「じゃあ1000番目の項は?」と言われると、1つ1つ計算してもよいですが、一般項を求めて、$${n=1000}$$を代入した方が効率的です。

 そのためには、分数や無理数の概念が必要になってくるというわけです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考

フィボナッチ数列の一般項の求め方

数列$${a_n}$$を次のように定義する。
$${a_1=1,   a_2=1,   a_{n+2}=a_{n+1}+a_n}$$

特性方程式$${α^2-α-1=0}$$を解くと、解は
$${α=\frac{1±\sqrt{5}}{2}}$$

改めて、
$${α=\frac{1-\sqrt{5}}{2} ,  β=\frac{1+\sqrt{5}}{2}}$$}
とする。

このとき、
$${a_{n+2}-(α+β)a_{n+1}+αβa_n=0}$$

これと次の式は同値である。

上の連立方程式の上の式は、数列$${{a_{n+1}-αa_n}}$$は、
初項が$${a_2-αa_1=1-α}$$、公比がβより、
$${a_{n+1}-αa_n=(1-α)β^{n-1}}$$ ・・・①
と変形できる。

同様に、下の式は
$${a_{n+1}-βa_n=(1-β)α^{n-1}}$$ ・・・②

①ー②
$${(β-α)a_n=(1-α)β^{n-1}-(1-β)α^{n-1}}$$

よって、
$${a_n=\frac{(1-α)β^{n-1}-(1-β)α^{n-1}}{β-α}}$$

$${α=\frac{1-\sqrt{5}}{2} ,  β=\frac{1+\sqrt{5}}{2}}$$}を代入して整理すると、一般項が得られる。

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