見出し画像

普段出会えない本に出会う休日


5月に入り、3度目の風邪を拗らせながら(普段はそこまで体調不良にはならないのだが、気候の変動に体が適応できないのだろう、、)馬車道で開催されている本は港に行ってきた。

本のイベントに行くのは今日が初めてだった。
結論から言うと、とても幸福を感じる空間だった。

私は昔から本が好きだ。でも、周りに本を継続的に読む人は少なかった。
私は大叔母と、もう亡くなってしまった祖父の隔世遺伝で本が好きなのではないかと思う。
父は時々漫画や本を嗜む程度にしか読まないし、母は保育士である影響で、絵本が好きなのだが、それ以外だと旅行のガイドブックしか読まない。妹はほぼ全く本を読まない。
友人でも時々嗜む人は何人かいるが、日常的に本を読むのは1人だけだ。

そんな中で、今の彼と出会った。
彼は、私が今まで出会った人の中で、1番漫画と本を読む。
彼と大好きな作品の話を共有できることがこの上ない幸せだと思う。
いい感想も、少し好みと違ったという感想も全部共有したくなる。私の好きな作品と彼の好きな作品がふたりの大好きな作品になる、そんな幸福を日頃感じている。
本屋さんに行って、この作品好きそうだねと言うと、もう読んでるよと返されることが最近多い。
それだけ、彼の内面を理解して、素の部分に寄り添うことができているのかなと本当に嬉しくなる。

という日常の中で、彼と2人で本は港に行った。
私たちは大型書店を巡り、出会ったことがない作品に出会うことが好きなのだが、そんな私たちにぴったりのイベントだった。
いくら大型書店とは言っても、そこで出会うことの出来ない作品や才能というものがあると思っていて。趣味として文章や漫画をかく傍らで、普段は別の仕事をしている作者さんは多くいる。それぞれの事情やライフスタイルによってそのような生活を選ばれているのだと思うのだけれど、大きいレーベルから出ている作品でなかったとしても、その方にしか出せない唯一無二な作風であったりする。そんな知り得なかった才能に出会うことの価値を感じた1日だった。
今日は、古本1冊と、このイベントを通して出会った、安達茉莉子さんの「私の生活改善運動」を直接、発行されている出版社さんから購入することが出来た。

イベントを出たあと、自然と、
「こんな仕事をしたい」と口から出ていた。自分自身でもびっくりした。ちなみに彼もびっくりしていた。その後、言い訳がましく「だからnoteでその思いを昇華している」と言ってしまったけれど、多分、私のふと出た本心だったのだと思う。
私は前の記事でも書いた通り、本に関わる仕事をしたかった時期があった。でも、自分の才能を信じる気持ちがなかったり、好きなものと向き合うことで、好きなものを純粋に楽しめなくなることが怖かった。その中で、福祉というやりたいことを見出して、新卒で福祉の道に進むことに決めた。
彼は好きなことに関わる仕事をすることを軸に就活をしているから、とてもかっこいいと思うし、そんな真っ直ぐなところが大好きなのだと思う。
でも、私も、将来的にはいつか本に関わることが出来たらとは今でも思う。
好きなことをするために、視野を広げたい気持ちがあるし、実際、福祉の知識は自分の人生にも関わる。だから、後悔や未練は無いし、自分自身やりたいことだなと素直に思う。
あと、好きなことを仕事にするのは正直リスクがある。生活できなくなるのは困るし、ある程度自由のある生活をするためにお金は必要だ。
いつか福祉の仕事に満足して、その時にまだ本に関わる仕事をしたいと思えたら、その時はチャレンジしてみたい。
私自身が蓋をしていた、本心に気づくことが出来た、価値のある1日だった。

今日、普段の生活の中で出会うことのできない本に出会うという、新しい幸せを知った。
色々調べる中で、「文学フリマ」というイベントがあるらしいことを知った。先週関東では終わったようで、だいぶ先だけれど、また彼を誘って行ってみたいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?