介護歴10年のベテランが利用者さんの看取りをどのように向き合い、挫折しないで頑張っている4つの理由
看取りを経験して、学ぶことが多くあります。
介護士が誰もが経験する出来事の一つとして看取りがあります。
看取りとは…
近い将来、死が避けられないとされた人に対し、 身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること。
介護施設で言うと、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、 点滴などといった延命治療をせず、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること。
私は介護歴10年経験し、利用者さんの最後を何十人看取りました。
毎回思うのですが、心に突き刺さるものがあります。
そういう場面がくると必ずと言っていいほど泣いてしまいます。
今では少しでも現場で冷静にいるために勤務前後に泣いてます。
悲しい出来事で嫌だなと思う反面、学ぶことが多くありました。
介護歴10年を経験して学んだ事を書かせていただきます。
1.死というものを向き合えるようになりました
介護施設に来るまでは目の前で死というものを見たことがなかったです。
理由として私は恵まれた家庭で育ったわけではありませんでした。
13歳までは両親と姉がいて、4人の家族はいました。
父と母の喧嘩があり、両親は離婚し、父の方に私が、母の方に姉が預かることになり、父子家庭で今まで過ごしてきました。
それからというものの母の叔父と叔母、母、姉とは疎遠となりました。
なので関わるのは父の叔父、叔母、兄弟の関わりだけです。
ここ最近、叔父を亡くしたことぐらいの経験しかありませんでした。
新人時代の頃、介護施設はそういう場面があるとは知っていたつもりだったけど怖かったです。
死が怖くて辞めてしまうかもと考えてました。
最初に看取りをした利用者さんが目の前で呼吸が止まって亡くなり、業務がままならず、ひたすら泣いてました。
今でもその時の記憶は鮮明に覚えています。
家族さんには「寂しい思いをせず、ここで見てもらえてよかった」と言われ、もし次にこういう場面があったときに同じように利用者さん、家族さんが安心できるような施設でいようと決意しました。
2.利用者さんの関わり方を見直した
介護施設に来る入居者さんは80歳の人が多く、私たちが関われる期間は長くないです。
その中で、自分がどれくらいの関わりができるのか考えるようになりました。
業務の中でどういう経験していたか、どういう食べ物が好きか、何が好きなのかとか聞き出しながら仕事にするようにしてました。
また利用者さんのしたいことをできる限りの範囲で考え、行動するようになりました。
・家族様に会ったときに利用者さんのことを聞いてみる。
・寿司を食べたいなら一緒に外出する。
・お酒を呑みたいならどこまで許せるのか医師に聞く。
・利用者さんが好きだったものをそばに置く。
など看取り期になる前にできることはないのか、看取り期になってできる事はないか考えるようになりました。
今までやっていなかったことではなかったのですが、主体的に考えるきっかけになりました。
仕事を取り組む姿勢が変わりました。
3.今までの関わりが経験と知識になった
利用者さんが亡くなったらこれまでの努力は無駄にはなりません。
同じ趣味の利用者さんがきたときに取り組んできたことの経験を生かせる場面がでてきます。
また利用者さんの人柄から学ぶことがあります。
気がつくと変顔して笑わせようとしたり、廊下ですれ違ったらお尻を叩いたりする利用者さんがいて、いつも笑っていなさいと教えられてもらいました。
たくさんの家族いる人からは人柄の良さ、気を使うレベルの高さを学ぶことがあります。
こういう人でありたいと学ぶことがありました。
4.自分の人生をどうしたらいいか考えるようになった
同じように人生を歩んでる人は誰一人いません。
たくさんの人生の先輩に囲まれて聞けることってメリットです。
利用者さんも話したいと思っているはずなので話してくださいと言うと話して下さります。
苦労した人生の人が大概です。
自分がどう生きるかどうか手がかりを掴めるチャンスだと思います。
まとめ
どうあっても看取りは悲しい出来事に変わりません。
本人がどのようにして最後を迎えたいのか向き合わないといけないからです。
でも利用者さんの施設でも暮らし方、これまで関わってきた知識や経験、これから関わっていく利用者さんに生かしたり、自分の人生の過ごし方を考えるきっかけになります。
施設に来なかったらこんなことも考えてなかったです。
利用者さんにとっていい最期にしたい、自分にとっていい最期とは何か学べる事が介護士の良さかもしれません。
参考にしてもらえたら嬉しいです。
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